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古代エジプトの青いカバは世界中にいる

発端は我が愛する岡山市立オリエント美術館の渾身の特別展。
「ガラスの創造力~色彩と煌めきの4000年」

数日前に行った展示会のようすはこちら
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二階の光庭にはアンティーク絨毯がベンチに敷かれていて、記念撮影用の民族衣裳の中から、黒と緑のショールを拝借して撮影。その後ベンチを独り占めして、まったりと噴水の水音を聴く。

たっぷり気力を蓄えた後、ユーラシアのガラス4000年の歴史が完全制覇できる特別展会場へ。ここからは全国から逸品が集まっているせいで、珍しく撮影禁止。MIHOミュージアムからやってきた約4000年前のエジプトの水色のカバが可愛かった。世界に3つしか残ってないというローマ時代の三連瓶が東京博物館のと合わせて2つ並んでいた。これがすごく不思議な色合いでかなり興奮を誘う。誰もいなかったらネコ踊りするところだが、平日の朝一番なのに、それなりの観客がいるので諦める。そこらじゅうにずらっと珠玉の名品が並んでいて、舌なめずりしながら回ったが、ササン朝ペルシャあたりで力尽きた。1階にはベネチアやボヘミアから現代の日本の作品までたっぷり展示されていたが、それは日を改めて再訪することにする。良いものを見るのは大変疲れるので、できたら1日に一個ずつ見て回りたいところです。
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あれから数日が過ぎたが、エジプトの青いカバが頭の中に居座っている。
諦めて追っかけを始めると、なんと世界中に青いカバがいて、どこでも人気者なのだ。メトロポリタン美術館のこのカバは、ウィリアムと呼ばれているそうだ。

メトロポリタン美術館の青いカバ


こちらはルーブル美術館
青いカバが大好きな日本の方のブログから写真を拝借
表紙の写真もこの方が撮ったルーブルの写真 
大英博物館の青いカバ


ウィーン自然史博物館の青いカバ
中近東文化センターの青いカバ
ルリカくん
こちらがこないだお目にかかった
MIHOミュージアムの青いカバ

これ以外にも、オランダはライデンの国立古代博物館とか、いろんなところに展示されていてミュージアムグッズも充実している。ウィリアムくんの縫いぐるみは大人気だそうだ。

カバは古代エジプトでは神獣として扱われていて、王の墓に副葬品としてこの小さなカバが一緒に入れられていたそうだが、なぜに色が青いのだろう。ナイルの色だとか空の色だとか書かれてたが、こじつけなような気がする。古代エジプトファイアンスの技法ではターコイズの青色が綺麗だったから、という単純な理由だろう。
にまにまと各国の青いカバを眺めていて、気づいたことがある。それぞれの国民がどんな青色が好きか、わかってくるな。日本では青と緑を区別しないのでカバも緑がかっている。イギリスではシンプルな青が好みで、アメリカではパッと鮮やかな青だ。そしてフランスの青色の好みは日本とよく似ているのかも。このあいだのパリでの赤穂緞通&赤穂ギャベ展で藍染めが大人気だったのは、ここら辺に理由があったのかもしれないです。


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