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【担当編集がご紹介】転生系ダークファンタジー小説『悪ノ黙示録 ―裏社会の帝王、死して異世界をも支配する―』

はじめまして!
小学館ガガガ文庫編集部に所属しております、編集者の大米と申します。
普段はライトノベルレーベル「ガガガ文庫」にて、主に少年向けの小説の編集を担当させて頂いております。

さて、この記事を読んでいる方は小説、アニメ、漫画を嗜まれている方が多いかと思います。
そこで、ひとつ皆さんに質問をさせてください。

——最近、かっこいい、憧れるような作品は読まれましたか?

『コード・ギアス』の「ルルーシュ」、『鋼の錬金術師』の「エドワード・エルリック」等、主人公に信念があり、なおかつ憧れるような格好よさがある作品が個人的にとても大好きです。

今回、私の担当で先達の名作にも引けを取らない、「これは憧れる!!!」と思える作品が現れましたので、ぜひご紹介させて下さい。

悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—
著:牧瀬竜久
イラスト:あるてら

著:牧瀬竜久 イラスト:あるてら(小学館「ガガガ文庫」刊)

こちらは、『Fateシリーズ』でおなじみTYPE-MOON代表の武内崇先生が審査員を務められた、「第17回小学館ライトノベル大賞」にて優秀賞を受賞した作品になります。

いわゆる転生系のダークファンタジーになるのですが……

主人公がめちゃめちゃカッコいいんです!!!!!

仲間(かぞく)を守るため、悪道を征くその背中には、常に心を熱くさせられます。
これはもう、皆さんに深く!熱く!!そして詳しく!!!お伝えせねばならないと思い、筆を取らせて頂いた次第です。

お仕事やプライベートでお忙しいかと思いますが、ここから詳しく本作について語らせて頂きますので、よろしければご一読いただけますと幸いです!

※今回のご紹介記事は、ネタバレ防止のため、試し読みの範囲内の内容に基づいてお送りさせて頂きます。


【作品概要】マフィアの王が転生する、ダークファンタジー小説!

マフィアの王、異世界を蹂躙す。

晩年、裏社会の支配者として君臨した男、レオ・F・ブラッド。彼の人生は、絞首台の上で終わりを告げた――はずだった。意識を取り戻すと、その目に映ったのは見知らぬ町、見知らぬ人々。そして、見知らぬ自分の姿。かつて裏社会を統べた男は、何の権力も持たない唯の少年へと生まれ変わっていた。だが、揺らめくような野心の炎だけは、未だその胸を熱く焦がしている。異世界のスラム街にて二度目の生を受けたレオは、仲間を集め、再び世界を手中に収めることを決意する。生前では取りこぼした、あるモノを手に入れるために――。

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する』あらすじ(ガガガ文庫公式HPより)

本作、『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』はダークファンタジー作品になります。

かつて裏社会の支配者として君臨したマフィアの首領——レオ・F・ブラッドは、晩年に絞首台の上で命を落とします。
けれど、目覚めたのは見知らぬ異世界。さらには、自分の身体も見覚えのない少年の姿になっていました。
過去に手に入れた富も、地位も、権力も失い、ただの少年に成り果てたレオは、この世界で再び覇を唱えることを決意します。

0から仲間を集め、力を積み上げ、やがて異世界を支配するまでに至る、男の物語。
めちゃめちゃ胸アツな展開ですよね!
成り上がり要素を含んだ物語は、やはり男心に響きます。

次は、本作の魅力を掘り下げてご紹介させて頂きます!!!

【魅力1】悪の王道を征き、生き様を見せつける主人公!

何度も書いてしまい恐縮ですが、本作の主人公・レオはとにかくカッコいい男なんです!!

ここで、本編からあるシーンを一部引用させて頂きます。

「熱いさ。痛いし、泣き叫びたいくらいだ。だが、それを我慢するのが喧
嘩だろう?」
 殴られても、蹴られても、たとえ焼かれても歯をくいしばって耐える。痛ければそれを表に出さないように我慢する。そうして我慢して、耐えて、相手よりもより多く殴って先に音を上げさせるのが喧嘩だ。泣いて叫んだ所で誰も助けてはくれない。自分を救うためには相手を打倒するしかないのだ。
 そのための唯一の手段が今まさに手の内にあるというのに、何故体を焼かれた程度で手離すと思ったのだろうか。

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』(小学館「ガガガ文庫」刊)より

こちらは、敵勢力との戦いで、レオが炎の魔法による攻撃を受けた一幕。
敵を羽交い締めにし、体が炎に包まれようとも、その手を緩めようとしません。
弱肉強食の裏社会で生き抜き、覇を唱えた男の、人生における生き様が見えるシーンです。
やはり、矜持を持っている男はかっこいい!!!

こちらのほかにも、数多くの「美学」がこの『悪ノ黙示録』には記されています。

余談ですが、ありがたいことに本作は特設サイトを作って頂きました。
このシーンも収録されている、おおよそ本編の1/2の試し読みも公開されておりますので、よかったらそちらもお読み頂けると幸いです。

【魅力2】美しくも、折れない芯のあるヒロインたち!

さて、本作の魅力は主人公のレオだけではありません。
ライトノベルといえば!やはり可愛いヒロインは欠かせません。

本作のメインヒロインは2名います。
1人目は、書影(表紙)にてレオに抱き抱えられているメイドの「ユキ」。

ユキ

彼女はスラム街の出身で、異世界にてレオが仲間にした少女です。

普段は無口、またレオと出会うまでは自分の名前を持ち合わせていませんでした。
ただ、レオに「ユキ」という名前をつけてもらってから態度が一変。
彼を主人と崇め、また装いもメイド服に「自主的に」着替えました。
なぜ、彼女が名前をつけてくれたレオに従うようになったかは、彼女の出自、および本編の重要な話に関わってきますので、ここでは割愛させて頂きます。(試し読みにも収録されていないので、ぜひご購入のうえお読み頂ければ幸いです!)

彼女の魅力は、「主人のためならば、どんな手段も選ばない」というところ。
ネタバレになってしまうので詳細は書くことが出来ませんが、もしも仮にレオに命の危機が迫っていたとしたら、彼女は喜んでその命を盾とするでしょう。
彼女の中で、それだけレオの存在は大切なのです。

また、本編ではこんな問題発言も——。

 湯船の中で俯くサフィアを見て、イドラは興味を失ったように視線を切っていた。
「……って、あなた、いつまで髪洗ってるのよ。いくらなんでも長すぎじゃない?」
 ユキが未だに髪を洗っていることに気付いてイドラが白い目を向ける。
「ご主人様に褒めて頂きましたので。いつお手つきされてもいいように身なりを整えておくのは、メイドとして当然の務めかと」
「……あっそ」

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』(小学館「ガガガ文庫」刊)より

とある、お風呂シーンの会話になりますが、ユキがどれだけレオに心酔しているのか、お分かり頂けるかと思います。
尽くしてくれる女の子というのは、やはりいいものです。
——続きは本編にて!!!!

次にご紹介するのは、もうひとりのメインヒロイン「イドラ」。

イドラ

「イドラ」も、ユキと同様スラム街出身の少女。
特技は足技で、屈強な男も彼女に戦闘で勝つことは難しいでしょう。
スラム街のなかでも一目を置かれている存在です。
その強さからも分かる通り、彼女は基本はクールで、男共を寄せ付けることはありません。

では、なぜイドラは異世界を支配するなどという、呆れてしまうような計画に手を貸したのか。
その理由は、「利害が一致したから」。

「信用なんてしなくていいさ。あくまでお前たちの判断で利己的に協力してくれたらそれでい」

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』(小学館「ガガガ文庫」刊)より

これは、スラム街を手中に収めるため、レオがイドラに協力を求める際に伝えた言葉です。

「言ったはずよ。私は誰の下にもつかない。私は一人でも生きていける」
「生きるだけで満足か? スラム育ちというだけで下に見られて、死ぬまで
最底辺の生活を要される今の環境に納得している訳ではあるまい」
 レオの言葉にイドラが口を閉ざす。その沈黙こそがレオの質問への答えだろう。
「下につけと言っている訳ではない。俺たちは対等。互いの目的のために協力するビジネスパートナーだ。そこに上も下もないさ」
 レオはゆっくりと右手を持ち上げて、まるでイドラたちに差し伸べるかのように掌を翳した。そして口角を吊り上げて、薄暗い笑みを浮かべながら言い放つ。
「利用し合おうじゃないか。お互いの欲と、野望のためだけに、今ここに世界で一番薄っぺらな同盟を築き上げよう」

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』(小学館「ガガガ文庫」刊)より

スラム街を今まで生き抜いてきたイドラは、人間の汚い部分を多く見てきました。しかしレオは今までの人間と違い、あくまで「利害の一致による協力関係」を申し出てきた。その一見薄情な言葉が、人間を一切信用していないイドラには響き、彼女は協力することを承諾します。

イドラは、人間の汚い部分を多く見てきたからこそ、逆に本物の信頼関係に憧れがあるのかもしれません。

彼女の魅力は、過酷な環境を生き抜いてきたがゆえに、常にクールでいるところ。けれど、本当はどこか人に期待してしまっているところ。

本作は癖の強いキャラクターが多数登場しますが、もっともそっけなく見える彼女が、一番乙女らしいなと個人的に思います。(ただ、彼女がデレるのは本編後半なので、デレシーンをお見せできないのがとても悔しい……! ぜひ全編読んでいただきたい!!)

その他、多数の「芯のあるキャラクター」が登場しますよ!!!
どのキャラクターも魅力がたっぷり詰まった「かっこいい」人物ばかりです!!!

【魅力3】色気のある戦闘描写!

本作は投稿時から文章力が極めて高かったのですが、特に突出していたのは戦闘描写のセンスです。

戦闘に関しては、三次元の空間の表現や文章のテンポ、間など、多くのセンスを要するのですが、本作はその部分が異常なまでに魅力的だったのです。

下記、本文の引用になります。

「こいつ、動きませんね。もしかして、もう死んじまったんじゃないですか」
「ああん? まじかよ。まだ殴り足りねえんだが」
 地面に倒れ伏したままぴくりとも動かなくなったレオを不審に思ったのか、丸刈り頭の男――ニールがゆっくり近づいてくる気配を感じる。レオは瞳を閉じたまま、男たちに見えないようにそっと懐に手を差し入れた。
 必要なのは、ほんの一瞬の隙だ。
 たった一度のチャンスを絶対に逃さないように、深く深く集中する。
(一歩……二歩……三歩……)
 ニールが立っていた位置の記憶と、聞こえてくる歩数から現在の位置を把握する。
 そして、肩に手をかけられる感触が走った、その刹那。
「おい――」
 闇に包まれた暗い路地に一筋の閃光が走った。
 ガクン、と下肢から崩れ落ちるようにニールが地面へとへたり込む。
「……へ?」
 ニールは最初、何をされたのか分かっていなかっただろう。
 しかし次の瞬間、力の入らなくなった彼の足に突如として激痛が走る。
 反射的に患部へと手をやれば、ヌルリと生暖かい奇妙な感触。疑問に思ったニールが慌てて確認した右手は、大量の血で赤く染まっていた。
 立てなくて当然である。ニールの両足の腱は、鋭い何かで切り裂かれていたのだから。
「あ……ああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 狭い路地裏にニールの絶叫が響き渡る。
「な、なんだ!? どうした!」
 シャルマンは状況が分からず、慌ててニールに駆け寄ろうとする。
 それが今度こそ致命的な隙となった。
「ぐっ!?」
 カラン、と金属製の物体が落ちたような音が鳴り響いたと思った次の瞬間、シャルマンの首に何かが巻き付いていた。同時に背中へ突然米俵が乗せられたのかと錯覚するほどの重量を感じ、瞬く間に動脈が締め上げられる。慌てて首元に手をやると、そこで初めて首に巻き付いているものが人間の腕であるということに気付く。
 まさかと思ってシャルマンが無理やり首を曲げて視線を背後へやると、予想通りの人物と目が合った。
「て、て……めえ……!」
「どうだ? 完全に極まると若造相手でもなかなか振りほどけないものだろう。あっちの世界では誰でも知っている割と有名な技でな。チョークスリーパー……裸締めというんだ」
 痣だらけの痛々しい顔でレオが笑う。その少年のものとは思えない悪魔のような笑みに、シャルマンは初めて背筋が凍るような戦慄を覚えていた。

『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』(小学館「ガガガ文庫」刊)より

今でも、応募原稿を読んだ際に、夢中でページをめくっていたことをよく覚えています。
まるで情報が、脳に直接流れ込んでくるような快感!
しかも、こちらの掲載文はまだまだ本編の一部に過ぎません。
特に本編ラストの、大迫力の魔法がうち乱れるダイナミックな戦闘は、映画館の大画面スクリーンで観ているかのような興奮を覚えます。

今回、本作を審査して頂いた武内崇先生(TYPE-MOON代表)にも、『問答無用で血を沸き立たせる素晴らしい戦闘描写は圧巻でした。』と評価して頂けました。
【武内崇先生の講評全文はこちら!】

矜持のある主人公、手に汗握る戦闘、そして芯のある魅力的なキャラクター!
ぜひ、ご堪能くださいませ!!!

特典&PV!

今回、新人賞作品ということもあり、スペシャルな特典を各専門店様にご用意いただきました!!!

【メロンブックス様】書き下ろしSSブックカバー

【ゲーマーズ様】書き下ろしショートストーリー

また、YouTubeにて最高にカッコいいPVも公開中です!
作品の雰囲気も存分に伝わるかと思いますので、ぜひチェックしてみて下さいね!!!

最後に

ということで!
今回は、9月19日発売予定の『悪ノ黙示録 —裏社会の帝王、死して異世界をも支配する—』をご紹介させていただきました。

こんな長文の記事にお付き合い頂きまして、誠にありがとうございます!(気づいたら5000文字を超えておりました……)

「アツい物語が読みたい!」「かっこいい主人公を見たい!!」
そんな方には全力でおすすめ出来る小説ですので、よければお手に取っていただけますと幸いです!
下記に試し読みと、ご購入のリンクも貼らせて頂きますね。
【試し読みはこちらから!】

【ご購入はこちらから!】

それでは〜。

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