Confessionに感謝③
佐藤達哉さんの「Confession」が全国行脚してるのすごいな、っていうのを一旦まとめてみる。大分公演は自分的2022年のライブで一番感動した。
道どころか会場間違えた
大分に着くまでの電車は決して間違えないようにしたけど、その後のアクシデントは通常運用でやらかしまくり。今年は遠征の時に「旅のしおり」を作って宿や会場の住所・連絡先を書き留めているのに、会場を思いっきり間違えてしまいました。初めて来た場所で、開場時間まであと少しという時に足がつる&タクシーも来ない。佐藤さんに会えん・・と思って涙を拭きながらタクシー会社に電話。なんとか間に合いました。弾いてる手元が見える席は埋まっていたので表情がよく見える場所に座りました。これがまた良かった。この日の佐藤さんの表情が「嬉しい」の最上級(たぶんね)だったので。
ピアノ最高
赤いシャツで登場した佐藤さん。CDは毎日聴いてるけど、生演奏は3ヶ月ぶり。最初に披露したメロディー、あれば何の曲だったんだろう・・すごく素敵でした。そこから自然とアルバム1曲目の「踏切」へ。
ああ、この感じいいなあ・・やっぱり生演奏って大好き!と思いました。
ソロの演奏は、若干ミスタッチが目立ったかのように感じたけど、さすがプロ。リカバリするのって私は絶対無理。あー間違えた~って言って手を止めちゃう。
「Confession」は、基本の6曲がピアノソロバージョンとバンドバージョンで収録されている全12曲入りのアルバムです。私は断然ソロが好き。ずっとずっと、佐藤さんのピアノの音だけが聴けるCDが欲しかったから。毎日欠かさず全曲聴く。ハマった曲があると、一日中それだけをリピートすることもあります。よくハマるのは「懐郷」「海の底」「抱擁」。
「懐郷」の冒頭の和音を4回押さえるところは、aikoちゃんのアルバム「どうしたって伝えられないから」収録の「磁石」のイントロを思い出します。「磁石」のイントロは和音を9回押さえているけど、aikoちゃんが和音の部分の再現に苦労して、佐藤さんに相談して無事仕上がったというエピソードがあったような。
「懐郷」を聴くと、夏の若い緑色の風景が浮かびます。でも大分で聴いた「懐郷」は、初めて秋の匂いがして、ついにこっとしてしまいました。
ずっと聴いている曲で新しい感覚になれるのってすごく楽しくないですか。真冬にも演奏してもらったら、雪がしんしんと降ってくるかな?
CDを買ってすぐの頃は「抱擁」がくるしかったです。Twitterの動画で初めて聴いた時、深い優しさと癒しに感動してボロボロ泣いてたんですけど、「自粛で会えなくなった、遠くにいる好きな人を抱きしめたいと思う」と仰っていて、やっぱりみんなくるしいんだな、佐藤さんもくるしかったんだな、と思って胸の奥が痛くなる曲です。
海の底が切なすぎて
最近は「海の底」が一番くるしいかなあ。突き落としまくってくる。音楽で、ピアノの音だけでここまでメンタルに入り込んでくるってすごいと思うんです。そして、これは長文に紛れさせてそっと書きますが「海の底」を弾く前の解説で、いつもは「好きだけどどうにもならない気持ち」という感じで想いを話して下さるけど、松島では一言も言いませんでした。敢えて言わなかったのか、抜けちゃっただけなのか。時々「あ、忘れた!!」みたいなことがあるので抜けちゃっただけかもしれないけど、私は今もずっとこのことが気になって、切ないです。
私が一番グッときたのは、新横浜strageで「好きで、言えなくて・・」の後、数秒言葉に詰まったかのようになった瞬間です。結局その後は「・・っていう曲です」くらいしか言わなかった。なんだか想いの深さを感じて、こっちまで辛い・・ってなって、席を離れたくなりました。でもみんな普通に聴いてて。自分の妄想力が強すぎちゃったかな。
松島公演にはチェロの山本純さんが参加されていて、「海の底」を「純さんのための曲」みたいな感じの解説で演奏が始まりました。きっと、山本純さんを盛り上げるお気持ちが強かったのかも。でも、なんで今日はこの曲だけいつもみたいに言わないんやろ、って悶々としていました。(なんで私が悶々とするんや笑)
経験した想いなのか、想像なのかわからないけど、私にはかなり威力のある曲で、佐藤さんのピアノに負けんぞという気持ちで聴くこともあります。ライブでは冒頭で低音のずーーーーんとした音を聴かせてくださることがあって、それがまた妄想力の強い私にはたまらない。めっちゃ落ち込めて好き。
いろんな演奏者がいらっしゃって、私はあまり詳しくないんだけど佐藤さんの演奏が一番すごいと思ってます。まあファンですからそうなっちゃうの当たり前ですけど。
「海の底」と「抱擁」を弾き終えて、ここまでの時間が私の特別タイムなんです。ピアノソロのパートでは「スピーカーを通さず、生の音でお聴きください」と言ってから弾き始めることもあります。至福の時間です。
その後のバンドバージョンも活気があって別の曲に聴こえてすごく楽しいんだけど、ソロの6曲メドレーが終わった時、「あ、私の夏が終わった」みたいな気持ちになりました。
セッション
「小笠原古謡の唄うたい」のokeiさんは、とてもしなやかで美しい方でした。ミチコさんの番組で、大分公演の直前に2週にわたってライブ出演者の方々によるZoom会談の様子が放送されました。その時に知ったのですが、なんと、DJミチコさんとokeiさんは佐藤さん(アッシュ)がBaBeのサポートをしていた時にコーラスとしてご一緒されていた経緯があるとのことでした。
ミチコさんと佐藤さんはどうやって知り合ったのかなあと思っていたら、まさかのBaBe!当時めっちゃテレビみながら歌ってたのに・・周りもよく見ておけば良かった!ついでに佐藤さんがアイドルの運動会出てた時も・・!
okeiさんはウクレレを弾きながら小笠原古謡を唄って、その様子がなんとも綺麗でうっとりしました。事前にラジオで曲を聴いていたけど、優しくて、輝いてて、包まれるような気持ちになる歌声です。小笠原とハワイの共通点のお話もあって、さっき終わったと感じた夏がまた戻ってきた感覚で楽しい。
おととしウクレレを買ったけどぜんぜん弾けなくって、okeiさんのウクレレを楽しみにしてました。プロの方ってほんとにすごいな。私にはあんな風に綺麗な音出せない。okeiさんのCDを購入したので、じっくり聴いていきます。
アッシュのメンバーの登場は、当時を知らなかったけど(見てたかもしれないけどね)今日はホンモノに会えてしまう・・!とドキドキしていました。
佐藤さんがめちゃくちゃ嬉しそうで。学校で男の子たちが盛り上がってる時の表情というか。旧友との貴重な再会とセッション、これほど嬉しいことってないよね!っていう気持ちなのかなあ。
この日は途中で休憩時間があって、外に出ると旧友たちの同窓会のような、卒業式の帰り道のような光景がありました。私の方が年下だけど「若い子たちはいいわねえ」って言いたくなるような、青春のひとコマをチラ見。
佐藤さんが目の前に来たので「今日はすごく豪華ですね!」と言うと、今まで見たことのない嬉しさ満開の表情で「なんかね、20歳の頃に戻っちゃったみたいな気持ち!」なんか、泣きそうになってしまった。
3年前、ZIGGY名古屋公演の帰りにタクシーで会場を後にする佐藤さんをお見かけしたことがあります。初めて見る、まさしく「疲労困憊」の表情に言葉を失って、宿まで泣きながら帰りました。
夏頃からなんとなく気になっていたけど、この時は「たつたつさん倒れちゃったらどうしよう」って、この先のことを怖いと思うようになりました。あの時期について、aikoちゃんも「こんなたつたつさん見たことない」と言う程の過密なスケジュールだったからなあ。
佐藤さんは笑顔の時もいっぱいあるし、おもしろいことを言ったりやったりすることもあるけど、この日の嬉しさ満開の様子は特別で、見ている私も幸せな気持ちになれました。大分に来て良かったなあ。
MATSUSHIMA Rag
旧友とのセッションのほか、この日初顔合わせというサックスの古山圭二さんやバイオリンの黒木真子さんとのセッションも素晴らしかったです。古山さんの豊かさや温かさ、黒木さんのまっすぐで清々しい音が、佐藤さんのピアノと重なって新しい音を創り出していました。
古山さんは、決まりごとが少なめなアドリブ強めの演奏だったように感じましたが、その攻めに対する佐藤さんのにくい表情。楽器があればこんなに楽しいことが出来て気持ちいい、という心の声が聴こえてきそうなセッションでした。
ミチコさんはステージで歌などの披露は無いものの、アッシュ時代の話題で盛り上げてくださいました。アイドルの運動会の時に起きた有名アイドルの方との事件?とか、デビュー曲がどうやってアッシュの元にやってきたかという話は、なかなか面白かったです。
佐藤さんは「こんな話聞いても・・」って感じで話すのをやめたけど、ミチコさんが「みんな聞きたいよね~」と話をいいかんじで戻して広げてくださって、私はぶんぶん首を縦に振ったし、昔の思い出話から湧き上がる佐藤さんたちのワイワイした感じが見れて嬉しかった!
いつもはCDの曲順に演奏するけど、この日は「MATSUSHIMA Rag」が飛ばされていました。もしかして・・と思ったら、ラストで出演者全員によるセッションで盛大なフィナーレに。
これがなんというか・・今日の佐藤さんたちの嬉しさ満開の様子から生まれる「MATSUSHIMA Rag」が、今までと全くの別物でした。公演ごとに編成が違うからそれぞれが全くの別物ではあるんだけど、そういうことではなくって。こういう「MATSUSHIMA Rag」もあるのか。
この曲は「Confession」の中で一番盛り上がる曲だし、松島だし、佐藤さんの代表曲のような位置づけかなと思っています。
私は皆さんの昔のことはもちろん、今のことだってよく知らないけど、皆がお互いを大切にしていることは空気でわかりました。そうじゃない空気がある時って、気が付くと自分の体にめっちゃ力が入ったり歯を食いしばったりするんですけど、どこにも力が入ることの無い時間。すごく心地良かった。
こんなにハッピーで愛がたっぷりの「MATSUSHIMA Rag」は今日だけのものかもしれないです。この曲はこんなに愛が溢れる作品だったのか。この日のライブならではのセッションだけど、もしかしたら、3月27日の三軒茶屋グレープフルーツムーン、4月13日の新横浜strage、6月12日の松島ロマンからのたすきがかけられて今回のジェラテリアふくろうで更に彩られた1曲なのかもしれません。大分の「MATSUSHIMA Rag」、一生忘れたくないです。
私は同級生に何十年も会っていません。どちらかというと辛いこととか思い出したくないことの方が多くて、佐藤さんたちのような再会は絶対に無いと思います。
私はただのお客だけど、花が咲くような再会の景色を見せていただいて、ちょっとだけ私も同窓会に混ぜてもらった気持ちです、すみません。
楽しかったことはゼロではないけど、昔と向き合うのがつらいです。でも、思い出っていいな~って嬉しくなって、涙が出てきました。恥ずかしいのでしれっとしたけど、会場からの帰り道が結構暗くって。暗い道でハンカチを出して「なんてすばらしいライブ・・」って目を抑えながら宿に帰りました。ライブ中だけじゃなくて帰り道にも、こんなに胸いっぱいの気持ちにしてくださるなんてすごい。
大好きな佐藤さんの、とびきり嬉しそうな表情を見ることができて本当に嬉しかったです。笑顔を見るといつもそういう気持ちだけど、今回はぜんぜん違う景色が見えました。8月の体調のことも心配ですごくしんどくて、いつも「どこかで倒れちゃうんじゃないか」とか考えちゃうけど、不安な方向ばかり見る癖はやめた方がいいなって気持ちになれるライブでした。
また長くなっちゃった。
Confessionのふりかえりは一旦おしまい。④はもっと余談ver.。
※おまけ
aikoちゃんの新曲「夏恋のライフ」のキャンペーンで、ハッシュタグをつけて夏の思い出動画を投稿しましょう、というのがありました。
私は、今回の佐藤さん「Confesshion」とHOUND DOGのライブ2daysを夏の思い出として、2日間で撮ったものを繋げてみました。
へたっぴな動画だけど、夏の思い出が佐藤さんのライブで嬉しい!!