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Confession①

何年も前から欲しかったCDを手にした その1

カブトムシ納会

2021年の納会で、社の皆さんと久しぶりに会い「aiko結婚おめでとう!」と何十回言われたか。
帰りは上司らに囲まれて『カブトムシ』を合唱され、なんなのこれ!と言いながらも一緒に歌う。苦しい気持ちになることが多い1年間だったけど、最後にみんなと笑えてよかったです。
年が明けると松島からCD製作のお知らせがやってきたので、2022年はとってもいい年になりそうだと思いました。ワクワクするのってたいせつ。

松島とホタテ

東京の父・ヒロシは、疎開先の福島県相馬にずっと住んでいたことがご縁なのか、東京で焼鳥屋をしていた時、バイトに雇うのは全員東北出身の大学生でした。
父は若い頃に白松がモナカで一瞬働いていたこともあるらしく、私は子どもの頃から勝手に「福島と宮城は親戚」みたいな感覚で生きてきました。

私は独身時代に同僚を訪ねて2度、宮城に遊びに行ったことがあります。
斉太郎節を歌いながら松島観光をした時、ホタテを勧められて貝の上にのった焼き立てのホタテにお醤油を垂らしてもらいました。
実は貝類が苦手で、本当は食べたくなかったんです。でも、食べたら「ホタテってこんなにおいしいの?」ってなって、ホタテのことが大好きになりました。だから、松島には恩があります。ホタテの恩。

そんな松島の、ラグタイムのエモいピアノを2022年に堪能できるなんて、あの頃は気付きもせず。ていうか、こないだまで誰も、あのボイスメモで有名な(!?)たつたつさんがCDを出すなんて想像もしなかったはずです。
2022年の激震。

ずっと、松島イコール「ホタテ」でしかなかった私は今、松島といえば佐藤さんしか浮かびません。人生何が起こるかわからないですね。
だから、何歳になっても安心しちゃダメだと思ってます。

卒論が書きたい57歳

私の父は、幼い頃から勉強が趣味でした。私のおばあちゃんが焼鳥屋を開くことになり、父は店を手伝うために大学を中退しました。

父が57歳の時に、いきなり

「俺は卒論が書きたかったんだよ」

と言い出して、放送大学に入りました。
私たちに言ったのはいきなりだったけど、ずっと父は勉強が忘れられなかったんじゃないかな、って思います。

4年で卒業して、大学院に何度も入り直して、納得のいく卒論が書けるまで続ける、と言っています。

「俺が何故富士山に登るかわかるか?
そこに山があるからだよ。闘いなんだよ。」

とか言って山登りをしたり、店の立ち退き問題が裁判になって、店と哲学と裁判の「3足のわらじ」を16年履き、しっかりと両立させていました。
そんな父を見て、そんなにいろんなことしてて嫌にならないのかな?と思っていました。私は山登りも勉強も好きじゃなかったし、焼鳥は食べる方が好きです。

何かに打ち込むとか、挑戦をやめないとかって、簡単じゃないですよね。

佐藤さんを盗む

佐藤さんが55歳でsilent sugarをスタートさせた時、
「挑戦は、何歳からでもできるんだ」と思いました。
佐藤さんの出演するいろんなライブに興味を持つと、現場によって魅せ方が違うところが面白いなと思ったり、どの現場も本気で必死で楽しそうで、羨ましくなりました。
だから私は、佐藤さんが弾いているのを観るとすごくワクワクするし、もっと観たくなるんやと思います。

56歳の佐藤さんは、こんな世の中になってしまったけど、音楽を続ける努力をしておられました。
57歳の佐藤さんも、前年よりもライブ本数をぐんぐん増やして、また以前のような活気を取り戻そうとなさっているはずです。

そして、58歳を目前にして、人生初のソロアルバムを発表されました。
哲学の卒論も難しいけど、自分の作品をCDにすることって、誰にでもできることではないです。父はまだ卒論を書けていないのに、佐藤さんはCDを作って販売してしまいました。すごい。

私は子どもの頃、40歳を過ぎたらもう何も怖いものがなくて、完璧で、満足して生きていると思っていました。大人たちはみんな余裕だな、って。

でも実際に40歳になってみたらそんな満足はなくてがっかりしたけど、最近は、自分と向き合ってどんな自分になりたいか想像できる限り、何歳からでも何でもできるのでは、と思うようになりました。
佐藤さんの姿から教わったことです。

57歳で大学生をやり直した父は、来週86歳の誕生日を迎えます。
いつも「いま何してるの」と電話すると「俺には勉強しかないよ」と返ってきます。母が亡くなった後は「勉強が俺の心の支えなんだ」と言っていたし、父にはまだまだ読むべき本、理解すべきことが山のようにあるようです。父に打ち込めるものがあってよかった。

佐藤さんもきっと、まだまだ弾きたい曲や継続していきたいこと、成し遂げたいこと、いろんな想いを持たれているのではないでしょうか。

なんでもかんでも、は難しいかもしれないけど、想いがあればいつからでも挑戦できると思って生きる方が、苦労がつきまとっても、楽しいと思います。

佐藤さんやその周りの皆さんを見ていてそう思うし、私の会社の「もっとおもしろくできる」という理念にもリンクします。
これからも佐藤さんを見習って、いいところを盗んでいけたらいいな。

こちらへつづく。

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