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電験1種がもたらした恩恵

電気系資格の最高峰〜電験1種

この資格を持っている人は、「電気の神」と言われることもあります。

それほどまでに取得が困難な資格ですが、実際にこの資格が直接必要な会社はほぼありません。

しいていうなら、電力会社くらいです。

では、実際に電力会社で働いている私にはどんな恩恵があったのでしょうか。

▪️電験1種合格を上司に報告した日

私の会社では電験1種に合格すると報奨金がでます。

その額なんと10万円!

まあ実際のところ、合格までに費やした費用や時間、苦労と比べると安すぎるのですが。笑

それでも、この10万円を手にするためには、上司に報告し手続きをしてもらう必要があります。

その上司も私が電験1種に挑戦していたことは知っていて、その結果には期待してくれていました。

しかし、私の所属する部門には、筆記で電験1種に合格した人は、ほんの数名しかおらず

しかも、その人たちは今や役員や部長クラス大御所ばかり

そんな中、当時入社3年目の私が、まさか合格するとは思っていなかったと思います。

いきなり話しかけて「合格しましたー!」
なんていうのもおかしく、どのように報告すればいいかものすごく悩みました。笑

意を決して、

 がえ「あのー、いま少しよろしいでしょうか?」

 上司「おー、どうした?」

 がえ「実は、先日受験した電験1種、あのー合格してまして、、」

 上司「、、、、、おーまじで?、、、よ、よかったじゃないか!」

 がえ「はい、ありがとうございます。そ、それで...(報奨金申請の話)」

 上司「おう分かった、申請はしとくぞ!」

 がえ「ありがとうございます」

 上司「いやー、本当に受かるとはなー。あ、そうだA(本店管理職)にも言っと
くか」


▪️みるみると広がっていく噂・・・そしてまさかの人物からの電話

 上司「あーA(本店管理職)? 実はなー、うちのがえくんが1種通ったんよ」

上司に報告した5分後には、本店にも報告され、みるみる情報は伝わっていきました。

そしてその10分後、私の内線電話(PHS)がなります。

誰だろうとその電話番号を見ると、、、

なんと、各事業所で一番偉い人がつける4桁の番号!!

そして、その事業所がわかる2桁の番号をみると、、、

なんと本店!!

まさかの本部長(役員)からの電話でした!!

本部長というのは、各部門のTOP!
数百〜数千人程度を束ねるボスなわけです。

本部長とは、若手との懇親的な場で何度かお話はさせてもらったことはあり、
自分のことも多少は覚えてもらっていたのですが、まさか!

おそるおそる電話に出ました。

本部長「おーがえくん? ▲▲です。1種通ったらしいねー?」

そこから2〜3分、ねぎらいの言葉などをいただき、今後の目標などのについても聞かれました。

まさか、本部長から末端の担当に電話がくるとは!

合格の報告からわずか15分あまり。

こんなにも一瞬で情報が広がっていくとは思いませんでした。

恐るべき電験1種効果

しかし、電験1種がもたらした恩恵は、この一瞬だけではありませんでした。

▪️突如まかせられる大仕事!?

それから数日、私の上司(職場の長)から、ある提案をうけます。

 上長「がえくん、A発電所の建設工事をしてみないか。」

発電所の建設工事とは、我々技術職が行う業務の中で最も難易度の高いものであり

普通は「保守⇨補修・点検⇨改良⇨建設」というように、徐々にステップアップしていき、

早くても入社10年〜15年くらいで担当を任される仕事でした。

それをなんと入社3年目の自分が!!

一瞬断ろうかと迷いましたが、そこはサラリーマン!

 がえ「はい、やってみたいです!」

と内心ビビりながらも、仕事を引き受けました。

電力会社では、どれだけ大きなプロジェクトに携わったかで、その後のキャリアが決まっていきます。

出世していった人たちのキャリアをみてみると、

大抵早いうちからビッグプロジェクトに関わっています。

同期にはまだ、保守の仕事をしている人たちもいる中、自分はいきなり最高難易度の建設工事!

これこそ、電験1種という武器が引き寄せたビッグチャンスだったわけです。

この建設工事の内容については、また別の記事で書いていこうと思います。

非常に大きな仕事、そしてまだ入社3年目のペーペーな私。
想像以上に大変なものでした。。。


▪️最年少・最速で本店へ異動!?

それから2年。

なんやかんやで、A発電所の建設工事は無事竣工しました。

そして定期異動の時期となりました。

私のような大学院卒は、おおむね異動ルートは決まっています。

まずは現場機関で7年間、保守や工事、現場機関の管理業務などを得て

そこで、優秀だと印鑑をおされれば、晴れて本店へ移動になります。

ここで、本店へ移動できれば、この先はある程度出世が確約されているようなものです。

私は当時5年目。

最短の7年目まではあと2年あります。

そのため、その2年間の間で、より大きな発電所の工事を経験しようと思い、

その旨を上司に伝えていました。


そしていよいよ内示がでる日。

私は、ここからの2年間が最も大事なんだ!

いままでも大事だったけど、また気合いを引き締めて、頑張ろうと思っていました。

異動者は次々に上司に呼ばれ、個室で話をしにいきます。

そして次にとうとう私の名前が呼ばれます。

内心ドキドキしながら、上司が待っている部屋に異動します。

次はどこで働くんだろうと、期待半分、不安半分の私に

上司の口が開きます。

 上司「がえくん、君に異動の内示が出ています。」

 がえ「はい」

 ・・・

 上司「おめでとう!本店だ!」

 がえ「、、、は、はい!?ありがとうございます。」

 本店?一瞬耳を疑いました。

 上司「君はまだ若く、本来なら本店に行くにはかなり早いが。上層部がOKを出してくれたみたいだ。」

 上司「これから、★★発電所(自部門で最も重要なプラント)の更新があるだろう?その計画チームに入ってほしいそうだ。」

その発電所は、私のいる部門の発電所では最も規模の大きく、全国的にみても有名で、電力系統運用面においても重要地点でした。

このプラントは、他のプラントと比較しても構造や制御方式が特殊で、非常に難易度が高く

また、その高難易度なこのプラントの設備技術を継承させることも、会社の大きなミッションでした。

普通は優秀な中堅やベテランで行うような工事だったのですが、
技術継承のため、若手も入れていく必要がある

そこで、白羽の矢がたったのが、私だったそうです

本店では、このプロジェクトに入れる若手で、適任者はいないかという話になった時に、

あの「がえ」って子がいいんじゃないか?

となり、その決定権を持つ本部長もそれを許可してくれたそうです。

通常であれば、その若手の候補として選ばれるのも、入社7年目以降の人材になるのですが、

その大きなハードルを越えさせてくれたのが電験1種という武器でした。

電験1種を取得してから、もう2年以上が経ち

私の中では、忘れかけていた存在になっていたのですが、

上層部からみると、電験1種をもっている若手というのは、強い存在として認知されていたのでしょう。

上層部は、若手の仕事っぷりなんて分かりません。

そんな中、だれか若手を選ばないといけないという時に、何か明確な理由が必要になります。

電験1種というのは、その理由には十分なわけです。

そうして、入社5年目で最年少・最速で本店へ異動となりました。



いかがでしたでしょうか。

苦労して取得した電験1種ですが、

この電験1種が私に多くのチャンスや恩恵をもたらしてくれています。

実際のところ、私よりも仕事ができる同期や先輩は必ずいて、

そんな人たちをごぼう抜きにして、チャンスを掴むことができたのは

間違いなく、電験1種という肩書きのおかげです。

もちろん、この肩書きと実力とのギャップを埋めるための努力も必要で、
これから大変な思いもたくさんするとは思いますが、

まずは、チャンスを掴むことから始まります。

電験1種によって得られたチャンスを活かすも殺すも

今後の自分の頑張り次第です。

そういう意味では、電験1種はスタートに過ぎないということですね。

今後も、頑張っていきたいと思います。


この記事が、電験の勉強や仕事の活力になったという方は、
ぜひ❤️お願いします。

それではまた!





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