2023.09.21 奄美大島 Amami birding ②奄美自然観察の森
前回の記事はコチラ↓
この日は6:30に宿を出発。奄美自然観察の森を目指します。目当ては亜種オオトラツグミです。幻とまで言われた鳥が様々な方のご尽力により、どうやら北部の奄美自然観察の森でもコンスタントに見られるようで。ありがたい限りです。
奄美自然観察の森へのアクセスはいくつかありますが、今回は車がないので徒歩or自転車となるわけです。徒歩なら歩く距離が短いルートを、自転車なら緩やかな坂道を選びたいところです。結果的に選択したのは自転車でした。理由として、山道までの距離が意外と遠いのと、帰りにどこか別の場所へ寄れるからです。まあこれが過ちだったんですが…笑
徒歩なら本龍郷入口からがいいと思います。自転車なら久場手前の山道がまだ楽だと教えていただいたので、そこから登ります。車ならどちらでも。今回はマウンテンバイクを選択。これも過ちでした。めちゃくちゃに重い。まだギア無しのママチャリのほうがよかったです。
宿を出ると、宿の目の前の木にズアカアオバトを発見。ライファーでした。ササッと撮影して山道へ。
山道を登り始めて1分。まじでキツい。これでも週末はクロスバイクに乗って鳥を見ているので、脚には多少自信があったのですがマ・ジ・で・キツい。この調子で5kmとなると諦めそうでしたが、負けたくないので(?)頑張りました。
アカヒゲ
登り始めて1分の場所で休憩していると、アカヒゲの声が聴こえてきました。街の近くすぎて、幻聴が聞こえたのかと思いましたがどうやら現実のようです。5分ほど待っていると、木の中に移動する影を2つ発見。双眼鏡で覗くと彼らの朱色が目に入りました。奄美最難関固有種と思っていただけに嬉しかったです。しかしなかなか止まってくれず撮影は難しい…木々の中を双眼鏡で覗くとよく見えるのに、撮影は難しい、そんな状況です。ただ20分ほどまっているとたまに表の方に出てくる個体もちらほら。7:00過ぎ、鳴き声が急に活発になったかと思ったら、今まで見ていたはずの木に無数のうごめく影があるのに気づきました。実はその全部がアカヒゲ…!どうやらその場所がレック lek だったらしく、雄が尾羽を広げてディスプレイをしながら雌を追いかけていました。それが何ペアも。計20羽くらいはいたと思います。それが15分くらい続いたでしょうか。次第にセミ(オオシマゼミやクロイワツクツク)が鳴き出し、レックも解散しました。その後でも、たまにシーシーという特殊音(奄美の虫と被らない音域で分かりやすい)や地鳴きとともに表に出てくれ、なんとか写真に残すことができました。光条件がイマイチだったのでかなりザラザラですが笑
そういえばアカヒゲ観察中に、ルリカケスが何度も上を飛び、たまに近くの電線に止まりました。警戒心はかなり高く、撮影は難しかったです。
アカヒゲに時間をかけすぎるのももったいないので、上へ向かいます。何せまだ1分しか登っていません。しばらく行くと遠くにカラスバトを発見。飛島より個体数は多かったです。撮影の難易度も低かったです。ただ難しいのには変わりないですね笑
再び坂道を登ります。車とすれ違いました。こんな坂を自転車で登るなんて、馬鹿なやつだなと思われてるんだろうなぁと思っていると、すれ違ったあたりで車が停車。ん…なんか怒られるのか!?と思い、逃げを覚悟したその瞬間、「〇〇くん!?」(〇〇は僕の名字)と後ろから声が。!?!?!?
奄美大島のこんな辺鄙な山道で、名前を呼ばれるというのは二度とない経験かもしれません笑 振り返ると、1週間前小笠原諸島に行ったときにお世話になった鳥屋さんでした笑笑
一応、奄美大島に行かれるというお話は聞いていたのですが、まさかこの広い奄美大島のこのマイナーな山道ですれ違うとは……奇跡!!
お話を伺うと、これから行く奄美自然観察の森にすでに行かれたようで。オオトラツグミもいたという情報も頂きました。そしてなんと!!車も知識も無い圧倒的足手まといであろうこの僕を、夜探に誘って頂いたのです………(T_T)m(_ _)m
本当にありがとうございました。宿のナイトツアー(奄美では観光客向けにナイトツアーをやっている宿やお店が多い。山道を走れば割と簡単に特別天然記念物アマミノクロウサギやアマミヤマシギが見られて、生き物にあまり詳しくなくともツアーを行うことが可能。)を検討していたので助かりました。しかもそこらのナイトツアーと違い、かなりじっくりと教えていただき&案内していただき、間違いなく奄美遠征で一番楽しかったです。(夜探編はまた別の記事で…!)
さて驚きの出会いもあり体力が回復したので、再び登ります。道中はズアカアオバトの羽根を拾いつつ、コシボソトンボを見ました。途中、立ち漕ぎをしていると道路工事の方に「こっから自然観察の森行くの!?まだまだあるよ」と言われ(笑)、めげそうでしたが、立ち漕ぎを繰り返し何とか十字路へ。まじでキツかった。車ならほんの7分くらいなんだろうなぁ……(笑)ここまで来たら後は割と楽です。
十字路にはバーバートカゲがいました。タムキューをつけたサブ機で撮影。
その後は楽ちん。道中にはルリカケスやカラスバトがたくさんいました。ただルリカケスはほんとに撮れない…この時点でまともな写真が1枚も撮れていませんでした。亜種アマミヤマガラも。
鳥以外だとツマムラサキマダラやリュウキュウアサギマダラを見ました。めちゃくちゃきれい。
そんなこんなでようやっと奄美自然観察の森に到着。なんだかんだで3時間くらいかかった気がする。着くと同時に雨が降ったので館内へ。館内の休憩所には自販機がありました。助かる〜!!この雨でミミズが出てきて、オオトラツグミが見れたらいいな〜なんて思いつつ外へ。
教えて頂いた情報をもとに、この建物のすぐ横から森に入りました。すると野鳥観察マップがありました。ふむふむどの鳥も割と場所に依らず、どこにでもいる感じなんだな〜〜。オオトラツグミがいるかもとのエリアに行きましたがいなかった……おっと…マズいな……
その奥の小さな池にはリュウキュウベニイトトンボや推定リュウキュウトンボが。
ルリカケス
そうこうしてるうちに雨が降ってきたので、東屋に避難!!すると、東屋の前の水場にルリカケスが水浴びに来ていました。ただめちゃくちゃ警戒心が高い。やはり繁殖期がベストなんですかね……??写真が撮りづらいことは知っていましたがここまでとは…
移動した先に行くと、先程の小さな池で採餌をしていました。彼らが見てないうちにそっと距離を縮め、なんとか近づけました!
いや〜〜〜キレイ……鳴き声とは裏腹にめちゃくちゃ美しい配色をしている。サイズも大きく見応えたっぷり…なんだかまた見たくなってきました笑
上野動物園で飼育個体を見たことはあるものの、やはり野生の個体をじっくり見れたときの感動はひとしおです。ぜひ野生個体を見ていただきたい!
その後はオオトラツグミを探しつつ、カエルを探しましたが、池でオットンガエルを見つけただけでした。でっかい笑
しかし、オオトラツグミが本当に見つからない……明日もここに来るのは勘弁だし、ここ以外にポイントを知らないし、なんとか意地でも見つけたいところ。そのうち雨脚が強まってきたので、東屋に避難。雨宿りです。
オオトラツグミ
東屋の屋根に雨が降る音が聞こえます。それとともに聞こえる、周りの草木や葉っぱに雨粒が当たる音。雨の中でもオオシマゼミは元気に鳴いています。すると背後にバタバタバタっという羽音。かなり大きな羽音でした。振り向き、見上げると近くの枝の上にオオトラツグミが止まっていました。肉眼でもはっきり見える距離に大興奮!急いで撮影!!
ノートリミングでこの距離…!しかも背景抜けする場所に止まっていました。1分ないくらいで飛んでしまいましたが、すぐに近くの枝に止まりました。そして羽繕いを始めました。
オオトラツグミ幼鳥のようですね。今年も繁殖が成功した証です。羽繕いの途中、体羽をちぎりとってそのまま食べてしまうというシーンを何度か目撃しました。個人的に、他の鳥類では見たことがない行動ですが、この鳥に固有な行動だったりするんでしょうか…??それともペットの鳥で見られるような栄養不足…??
羽繕いがひと通り終わると飛んでいってしまいました。結局15分ほど観察できたと思います。見事目標達成!!ほんとに遠征運がよすぎてありがたい限りです。やったー!!途中すれ違った方は、オオトラツグミを見なかったと言っていたのでラッキーだったなと思います。
さて目標達成したので、別の場所にでも向かおうかと思い、一旦館内に入ります。館内には図鑑や映像が充実しており、楽しめました。お金を払って中の展示を見ればよかったなと心底後悔しています。次行ったら絶対見ます。
外に出てしばらく漕ぐと、リュウキュウサンショウクイがいました。本場のリュウキュウサンショウクイですね笑
カラスバトを飛ばしつつ(自転車で進むと、気づかずに道端の木の中にいるカラスバトを飛ばしてしまう。)、自転車を漕いでいると雨が急に降ってきました……そう、奄美大島は急な雨が多いのです。そして急に止むことも多い。ただ、天気アプリを見るとこの雨はなかなか止まなそう…別の場所に行くのは諦めて、宿で休憩することにしました。
行きにあれだけ頑張って登った坂道を、雨の中爆走しました。水が飛ぶのなんの(笑) びっしょびしょです(笑) 2時間かけた坂道を5分ほどで下り終わりました。ブレーキの効きが悪く怖かった〜。宿に戻って、シャワーを浴び、乾燥機をフル回転させて、休息を取りました。
目が覚めたら夜探だ〜!楽しみだ〜!と思いながら眠りにつきました。
昼の部、終わり。
夜の部はこちら↓
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