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Webブラウザの拡大・縮小をControl +マウスのホイールスクロールに執着した者の末路 (Mac OS環境)


Webブラウザの拡大・縮小

みなさんは、Windows派だろうか、Mac派だろうか。

私は中学1年生の時に親に再三お願いをして当時最新鋭だったDVD-R/RWの書き込みができるDynabookを買ってもらって以来かれこれ20年以上Windowsと共に人生を歩んできた。これくらい長い期間使い続けてくると、パソコンは自身の身体の延長のような存在になる。頭でやりたい事を思い描けば、自然と手が動く。そしてパソコンが動く。

もともとWindows自体にあまり不満はなかったが、ここ数年デザイン領域に触れる機会が増え、Windowsではどうにも超えるのが難しい壁に直面する場面が増えていった。決定的なのは以下の点だ。

  • フォント及びディスプレイの美しさ

  • Mチップの優秀さ (バッテリー持ちの良さ、処理性能の高さ等)

そのため、私はMacへの移行を余技なくされた(正確には両刀使いに)。WindowsからMacへの移行において直面した違和感はこの場では書ききれないが、その中のひとつにWindowsでは標準で実現できるControlキー+マウスホイールでできるブラウザーの拡大・縮小がある。そんな自身にとっては当たり前の操作が、なんと標準のMacでは実現できないのだ。

前置きはここまでだ。私が数人日くらいの稼働を費やして悩み、苛立ち、それでも執着してMac環境下でもWindowsと同様にControlキー+マウスホイールで拡大・縮小を実現した過程と解決策を、同じような悩みを持つであろうごく少数の同士が無駄な時間を使わないように共有したい。
(サクッと解決策だけを見たい方は”Linear Mouseという神アプリ”の章に飛んで欲しい)


違う、そうじゃない。

まずはじめに、WindowsとMacにおけるWebブラウザの拡大・縮小の違いについておさらいしたい。

主要なWebブラウザであるGoogle Chrome, Microsoft Edge, Firefox等はどちらのOSでも利用できる。SafariのみMacのみでWindows等では利用することはできない。

今回は紆余曲折あってMicrosoft Edgeをメインブラウザとして利用することとしたためEdgeの画面で解説を行うが、基本的にGoogle Chromeでも同様の挙動となることを私の環境では確認できた。

まずは、WindowsでControlキーを押しながらマウスホイールを上下させた時の挙動を見てほしい。

このようにマウスホイールを上下することで、スムーズに画面の拡大と縮小が実行できる。表示コンテンツによってより大きな表示で見たり、時により引いて俯瞰した構図で見たりしながらコンテンツをより直感的に理解することができる。これは紙の印刷物ではできないWebブラウザならではの芸当だ。ショートカットキーではCtrl + + / - で同様の挙動を実現できる。



次に標準のMacで同様にControlキーを押しながらマウスホイールを上下させた場合はこのようになる。

お分かりいただけただろうか。表示画面に映るすべての情報を拡大・縮小するのではなく、カーソル付近の箇所のみが拡大される。また、ホイールを逆方向に動かしても100%以下の引いて俯瞰した構図で表示することができない。私は一部分のみをズームするのではなく、全体を拡大したり縮小したりしながらコンテンツに応じて自分が心地よいと思う構図で確認したいのだ。ちなみにMacのトラックパッドの2本指でのピンチイン・アウトでは画面全体ではなくブラウザ内に範囲が限定されるものの、同様の挙動となった。一方で、ショートカットキーではCommand + + / - にてWindows同様の挙動を実行することが可能である。



悪戦苦闘の始まり

どうやらMac OS自体の設定変更では”Controlキー等を押しながらマウスホイールで拡大・縮小”を実行することはできないようだ。もちろんキーボードショートカットを使えば実現できるが、私はどうにもMac環境でもWinodows同様にマウスホイールで縦横無尽に拡大・縮小をする自由が欲しい。

大きく2つの解決策の方向性が考えられそうだ。

  • ブラウザの拡張機能(Extension) : Chromeには様々な痒いところに手が届くExtensionがある。また、現在のEdgeはChromiumベースのため、ChromeのExtensionをそのまま使うことができる。

  • サードパーティーのアプリ : 後述するアプリやBetter Touch Tool等、逆にWindowsには存在しない優秀なサードパーティーアプリも存在する。

私の拡大・縮小の自由への旅が始まった。


Scroll Zoom

まず試したのはScroll ZoomというChromeのExtensionだ。

ChromeのExtentionsストア内にあるScroll Zoom

結論から言うと、私が実現したいControlキー”等”を押しながらマウスホイールのスクロールで拡大・縮小を実現することができた。画面全体ではなく、ブラウザ内のコンテンツ自体を拡大・縮小をマウスホイールで行き来することができる。しかし、ひとつ問題があった。それはマウスホイールをスクロールする際に押しっぱなしにするボタンがマウスの左クリックもしくは右クリックしか設定できないということだ。この操作感がどうにもフィットしなかった。左クリックをしながらホイールするとたまに意図していないテキスト箇所を選択してしまったり、右クリックでは右クリックメニューが表示されてしまったりといった感じだ。あと一歩惜しい。

Scroll Zoomの設定画面

Steer Mouse (ステアーマウス)

次に私はMacユーザー界隈では有名なSteer Mouseというアプリを試した。青森県のプレンティコム・システムズ有限会社という会社が開発している国産アプリのようだ。

Steer Mouse公式ページ

“ひとつのボタンで24の機能を実行、さらに組み合わせ操作にも対応”とあるように、かなり多機能でMac用にデザインされたアプリで、素晴らしいポイントとしてはマウスホイールの挙動に対してショートカットキーの割当をすることができる。

そのため、装飾キーを押した際のマウスホイールの上下操作にCommand + + / - を割り当てれば求めるような挙動が実現可能だ。結論としては、私の設定がうまくできていない部分があるかもしれないが、残念ながら私の環境ではどこか安定して拡大・縮小が実行できなかった。

ステアーマウスを利用した実現方法については以下のブログが参考になる。
Mac、いいね! : Mac Chrome 拡大・縮小をマウスのホイールで


Karabiner-Elements

続いてKarabiner-Elementsの登場だ。こちらも私のような環境設定に執着するMacユーザー界隈ではほぼ必須ツールである。私は特に修飾キーの場所の変更(USキーボードを利用するための英数・かな変換キー設定や、Windowsと合わせるためのCommandとControlの位置の入れ替え)でお世話になっているが、このツールもSteer Mouse同様にマウスホイールの挙動にショートカットキーを割り当てることが可能だ。

Karabiner-Elements公式ページ

結論としては、私が適切なルール設定ができず実現できなかった。一定条件下におけるホイールの操作を変更するには自分でコードを書くか誰かが作ってくれた複雑なルールをインポートしなければいけないのだが、いったいどのルールをインポートすればよいのか探し出すことができなかった。

Karabiner-Elementsのルール検索で関連しそうなキーワードで検索するものの下記のような検索結果となり私の要件にピタッとハマるルールを見つけることができなかったのだ。

Karabiner-Elementsルール検索結果

Linear Mouseという神アプリ

Liner Mouse公式ページ

やはりWindowsこそが自身の魂の古巣だと感じて諦めて戻ろうかとしていた矢先、Liner Mouseというアプリに出会う。monographの堀口さんが私も愛用するLogicool等のマウスでApple純正のマウス・トラックパッドのような操作性を実現するためにポインターの速度等を調整するために紹介されていたのだが、このアプリはその他にマウススクロール中に装飾キーを押した際の挙動を設定できる機能も備えていた。

他社のマウス&トラボでもApple”純正”の気持ち良さをMacで再現できる方法見つけた


これだよ、これ!

設定は極めて簡単でLinear Mouseをインストールした後に、設定項目で任意の装飾キーを押したときの挙動を”Zoom”に設定するだけだ。(今回はCommandキーを指定した。)

Linear Mouseの設定方法
Linear Mouseをインストール公式サイト
②「設定」→「スクロール」タブを開く
③ 任意の「修飾キー」の欄を「Zoom」に設定

Liner Mouseの設定画面

すると、どうだろう。Mac環境下のブラウザーでもマウスホイールでブラウザ内のコンテンツ全体の拡大・縮小が実現できるではないか。嗚呼、快適!なんと快適なこと!!



マウスのホイールスクロールでの拡大・縮小に執着した者の末路

数人日の苦闘の末、Linear MouseというアプリのおかげでなんとかMac環境下のブラウザーでもマウスホイールでブラウザ内のコンテンツ全体の拡大・縮小が実現することができた。

一方でLinear MouseはフリーウェアでありOS標準の機能ではないため、継続性や安定性の不安がまだ残る。また、Steer Mouse, Karabiner-Elements,  BetterTouchTool等を使いこなせばより安定した環境が実現できるかもしれない。

私は凄腕エンジニアではなく、ただのガジェット好きで環境設定に執着されし者である。よりBetterな解決策があれば、是非教えて頂き私を環境設定沼から開放して頂きたい。

おそらくこんなマニアックな悩みを抱えるのは世界中を探し回っても10,000人もいないかもしれない。ただそんな類まれない同士が1人でもこの沼から抜け出して本来の作業に集中できることを目指し、今後も自身の悪戦苦闘の記録を発信していこうと思う。

#環境構築 >作業




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