当たり前が当たり前でなくなったことで名前がついた
2020.07.16
タイトルが長すぎた。
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数十年前に、
ジョンケージの4分33秒って何秒だろう?
→ 4×60+33=273 秒
→ すげぇ絶対零度(-273℃)じゃないか!
→ 大発見だ!
→ 俺以外の世界中の全ての人々が既に知っていた。
ということがあった。
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「ダックスフンド」か「ダックスフント」か気になっている。
子供の頃に図鑑かなにかで刷り込まれたのが濁らない「ト」の方だったので「ド」に抵抗があるんだけど、テレビ等で聞こえてくるのは圧倒的に「ド」が多い。
中学生のころ綴りを見たら最後が d だったので、やっぱり「ド」じゃないかと思ったが、あとでドイツ語は単語の最後の d は濁らないので、ドイツ語では「ト」であってる(ダックスフントはドイツ原産)と知ってやはり最初に覚えたのが正しかったのだ、もう二度と「ド」と読まないよと固く誓い現在に至っている。
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ママチャリの多くは空気圧が不足している。特にお年寄り。
空気圧が足りないと乗り心地が悪いだけでなく、カーブでハンドルが取られて曲がりにくい。おまけにパンクもしやすくなる。
パンクに関しては逆だと思っている人も多いらしい。つまり空気がたくさん入っていたほうがパンクしやすいと思っているのだ。これは大間違い、無知は罪。空気圧不足が原因のパンクは尖ったものを踏むことによるパンクの次に多い。空気不足のタイヤはリム打ちという縦に細長い2つの切れ目によるパンクを引き起こす。ピンホールによるパンクよりも塞ぎにくいし、塞いだ箇所からサイドのパンクも引き起こしやすい。
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気体の話がつづく。
いま、高校の教科書では「希ガス」を「貴ガス」と表記するらしい。知らなかった。あのヘリウムとかネオンとかアルゴンとかの希ガスだ、18属の希ガスだ。しつこい。
「希」はまれの意味で希ガスはかつて抽出が難しかったことに由来していた。でも今はそうではないので別の字に変わったのだろう。それは分かるけどなぜ貴なのだろう?どこが貴いのだ?と疑問に思って調べてみた。
まず、そもそもは英語での呼び方が変わっていたらしい。昔は rare gas だったのが今は noble gas と呼ぶそうだ。そりゃ希が貴にもなるだろう。noble に合わせて貴の字を当てているのは納得した。
じゃあなんで英語では noble なんだろう?こちらについては「貴金属(noble metal)に対応して反応性が低いことに由来」していると Wikipedia に書いてあった。なんだか「虫歯の原因になりにくい」みたいな消極的な性質だ。
英語は読み自体が変わってしまったが、和訳は字の変更だけで読み方は「キガス」のままなのが面白い。
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最近まで swift に compactMap という便利なものがあるの知らなかった。
compactMap は基本 map なんだけど、nil になったら弾く。例えば文字列の配列から整数に変換可能な文字列のみを整数に変換した配列を作るときに、compactMap を知る前は一度「整数またはnil」の配列に変換して nil を除外していたのだ。
見苦しくて嫌だったんだけどこんな方法があったとは。
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無観客試合の期間があけたことでついに「有観客試合」という言葉が誕生してしまった。
当たり前のことに名前はつきにくいが、当たり前が当たり前でなくなったことで名前がついてしまったわけだ。
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関係ないけど〇〇が誕生したってときに「爆誕」とか言う人が大嫌いです。
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リツイートで見ただけなんだけどある観光地の人が「海外観光客がいなくなって良かったどすえ」みたいなことを書いていた。もちろんそれが地元の人の総意ではないだろうけど、迷惑に思っていた人もいたのだろう。
そんな地域に遠くから(特に雪の降る僻地から)旅行に行ってもなんか「遠くからまた来たどすえ」とか言って見下されそうな気するので行きたくない。旅行に出かけるとしてもそんなところは避けた方がいい。
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「ロンドンの地下鉄の車内に描かれたバンクシーの落書きを清掃員がバンクシー作と知らずに消した」というニュースを見た。引っかかるのは知ってたら消したのかという点だ。もっと言うと報道する側は「知ってたら消さないのが正しい」と思っていないだろうかという点が引っかかる。
他の落書きがそうであるなら、誰が描いたか解っていても消すのが正しい。これは動かしようがない。
どんな人かも知らないでこんな事言うのも恥ずかしいんだけど、描いた人もそれを前提としてるだろうし、現行犯で見つかったら普通に落書きを描いた人として処罰されなければいけないと思って描いているだろう。いや実際はどうか分からないけどそうであって欲しい。
もし「これは芸術なのだから他の行為と違う扱いを受ける権利がある」と思ってるのなら、芸術なんかなくなればいい。