曜日・年・干支
日曜の午後は毎週山下達郎のサンデー・ソングブックを聴いて録音して編集して保存している。
サンデー・ソングブックは30年近く放送されているが、放送曜日に休止したことが東日本大震災の起きた翌々日の1回しかない(もう1回あったかも)。加えて本人が気管支炎になった際に代役を立てたことがあったが、放送自体は休止にはならなかった。
一年は52週間+1日(閏年は2日)なので、当然元日と大晦日は(閏年を除けば)同じ曜日となる。そのため元日の曜日を除いた各曜日は年に52回あって、元日の曜日は53回ある。閏年を除けば来年の元日の曜日は今年の元日の曜日の次になる。今年の元日は土曜だったので来年の元日は日曜だ。つまり日曜だけ53回ある年になる。サンデー・ソングブックは元日でも大晦日でも放送するので来年は久しぶりに53回放送される年になる。前回は2017年だった。
閏年は4年に1度(正確には400年に97回)出現しそのたびに曜日が5つ進む、そして曜日は7ある。5と7は互いに素なので正月の曜日は7回あとの閏年、つまり 4x7=28年周期で一周することになる。その28年の中に各曜日の正月が4回登場するが間隔は一定ではない。下の表を見ると 2012 から 2039 で一周していることがわかると思う。2012以降、元日が閏年の日曜になるのは2040年までない。
先程の「閏年は4年に1度出現してそのたびに曜日が5つ進む、曜日は7つ。5と7は互いに素なので正月の曜日は28年周期で一周する」はもう算数じゃなくて数学だ。これを正確に説明できる人は意外と少ないだろう。
同様に閏年の十二支についても考えてみる。十二支は文字通り12個あって、閏年と閏年の間で十二支は4つ進む。12と4は互いに素ではないので、3回の閏年で元に戻るし、閏年の十二支は子・辰・申しかない。
更に閏年の十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)についても考える。十干は10個あって、閏年と閏年の間で十干は4つ進む。10と4も互いに素ではないが、"12 ÷ 4" と違って割り切れないので少し複雑になる。2020年の十干は 庚 だが以降の閏年の十干は 甲・戊・壬・丙・庚 となり5つで一周している。つまり閏年の十干は5個しかなく、残りの半分の十干は閏年となることはない。
ここで少し考えると上の2例(十二支と十干)は大きい方の数(12 | 10)を大きい数と小さい数の最大公約数(4 | 2)で割った数(3 | 5)で一周していることに気づくだろう。
干支(十二支と十干)が 12x10=120 ではなく、その半分の 60しか無い(つまり残りの半分は存在しない)ことも上記のように考えると解りやすいかもしれない。12と10の最大公約数は2なので、12 ÷ 2 = 6 となり、十干を6周すれば元の十二支に戻ることになるわけだ。
検証してみると例えば2020年の干支は 庚子 だが、次に 庚 となるのは10個先(2個前)の十二支である 戌 だ。以下同様にたどると「犬・申・午・辰・寅・子」の順で6つの十二支が 庚 となることが解る。そしてこの6個の十二支のみが 庚 となる。同様のことが他の9個の十干にも言えるので、十二支と十干の組み合わせは 6 x 10 = 60 となることが解るだろう。
やっている計算は算数だが、これは数学と言っても良い。ここからもう一歩踏み込むと有限群論の入り口が待っている。