2019年徳島ヴォルティスの振り返り①2018シーズンの振り返りと補強

2018年シーズンは11位。序盤は決定力不足に泣かされ、夏には主力4人が流出し、強力なストライカーを補強できたはいいもののスタイル変更を余儀なくされ、最後は息切れという結末だった。オフになると後半戦を引っ張ったウタバラことFWピーター・ウタカとFWダビド・バラルが退団。さらに怪我で稼働期間が短かったとはいえ圧巻のパフォーマンスを見せたDF広瀬陸斗、リカルド体制下のポゼッションを支えたMF杉本太郎とMF前川大河、生え抜きとして守備的なポジションはどこでもこなしたDF藤原広太朗が移籍を決めた。さらにシーズン前はストライカーとして期待されたFW呉屋大翔と身体能力にすぐれ前線でも起用されたDFブエノがレンタルバック。そしてとどめとばかりにDF井筒陸也がまさに井筒としか言いようのない衝撃の引退を発表。プレーオフを逸した悲劇の東京V戦から一年、この試合に出た選手で残っているのはチームの大黒柱MF岩尾憲と最古参となるGK長谷川徹の2人のみ。チームは作り直しを迫られることになった。
その一方で補強は順調。まず筑波大学から同級生であり高校サッカー決勝で戦った間柄でもあるDF鈴木大誠とMF鈴木徳真の加入を発表。ユースからは2種登録選手として2018年開幕戦で出場したFW藤原志龍とDF久米航太郎が昇格。ユースからの昇格は実に10年ぶりであった。
他クラブからはまずストライカー候補としてFW河田篤秀、FW清武功暉、FW岸本武流を獲得。中盤にはMF野村直輝が入り、GKは前年富山で活躍した永井堅梧を期限付きで獲得。主力の移籍や広瀬の怪我もあり前シーズン泣かされ続けたサイドにはDFジエゴ、DF田向泰輝、DF藤田征也、MFチャキットと大量補強。また前シーズン途中から育成型期限付き移籍で加入していた県人MF表原玄太を完全移籍に移行。表原は攻撃的なポジションならどこでも起用された。さらにこれまで泣き所だった最終ラインにはDF福岡将太、DF秋山拓也と「運べる」(正確には「運べそう」)なタイプを獲得。そしてシメは待望の屈強で巧さも併せ持つDFヨルディ・バイス。バイスの加入で今シーズンへの期待感はぐっと高まった。
信念の残留を果たした主将岩尾のもとチームは成長できるのか、余剰気味のサイドは誰が抜擢されるのか、エースには誰が君臨するのか……多くの期待と僅かな不安を抱いて、2019年シーズンに突入していった。


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