セレンディピティ
たまたま偶然出来ちゃった発明を
「セレンディピティ」と呼ぶ。
語源は紅茶で(あるいはカレー?)有名なスリランカは昔セイロンと呼ばれていたが、さらに昔はセレンディップと呼ばれていた。
セレンディップの時代の3人の王子が冒険旅行に出て様々な困難が発生するが偶然の産物でそれらピンチを切り抜けた。それが物語にもなり、
偶然たまたま生まれた発明などをセレンディピテイと呼ぶようになった。
具体例①:ペニシリン
イギリスの細菌学者にアレキサンダー・フレミングという人がいた。
この人は整理整頓が苦手で有名。
ペトリというガラスの蓋がついた容れ物が研究の過程で山積みになっていて、流石に片付けようとしたときに一ヵ所の皿だけブドウ球菌のような細菌が繁殖していない場所があった。そのペトリだけガラスの蓋を締め忘れて空気中から別の菌が落ちて、ブトウ球菌の発生を抑えていた。その成分を調べたら青カビの一種であり、青カビはペニシリウムと元々学術的に言うため、そこからいわゆるペニシリンと名付けられた成分(薬品)が生まれた。
整理整頓が出来ていないためにたまたま発明されたセレンディピテイである。
具体的②:電子レンジ
第二次世界大戦中、軍事産業でルイセオンという会社があった。そこでレーダーの研究をしていた際にハーシースペンサーという研究者がこれまたズボラな人で研究服の上着のポケットにチョコレートを入れていた。レーダーの研究にマイクロ波を使うマグネトロンというものを使っていたがその近くで熱が発生しチョコレートが溶けて不審に思い、試しに近くにあったトウモロコシも近づけたらポップコーンのようになり、そこから所謂電子レンジが生まれた。電子レンジのようなものを作ろうとして研究し発明したのではなく偶然生まれたセレンディピテイである。最初は高さ1 .8m、重さ340kgのバカデカイものであったが売れに売れてスペンサーは功績を称えられ副社長にまでなった。
具体例③:シャンパン
フランスシャンパーニュ地方のブドウを使ったワインであるが、シャンパーニュ地方は非常に寒い地域で糖度が高いブドウが採れない場所である。あまりにも酸っぱ過ぎてフランスでは売れないということだったが、あまりワインが作られないイギリスではそのワインも買うよと、樽で冬から春にかけて運ばれた。春に発酵が進み、樽の中でいわゆる炭酸の泡が偶然生まれた。その泡の入ったワインはイギリスで売れに売れた。やはりセレンディピテイ。
また、シャンパンで有名なドンペリ(ドン・ペリニヨン)の語源は、イギリスの修道院の蔵でワインを売っていたピエールペリニヨン(通称ドン・ペリニヨン)から来ている。当時は修道院で作ったワインを旅の人に売ったり、サービスで振る舞っていたのだ。
以上、ニッポン放送生島ヒロシのおはよう一直線生活うるおい講座、東京大学名誉教授 月尾嘉男先生のお話から引用しました。