夏の食べ物の俳句(季節を味わう#0069)
「季節を味わう」では、第5水曜日にその季節の食材を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。
【ソーダ水】
炭酸ガスを水に溶かした、発泡性の清涼飲料水。
無味のものをプレーンソーダといい、一般にはこれに各種シロップを加えて、緑や赤の色をつけます。
7月にご紹介しましたが、ソーダ水は「三夏」、つまり初夏・仲夏・晩夏いずれにも使える夏の季語です。
ソーダ水と似た夏の季語にラムネとサイダーがあります。
どう違うのかといえば、ソーダは甘み等をつけていない炭酸水全般のこと。炭酸水に糖分や酸味・香辛料を加えたものがサイダー。ビー玉入りの容器に入っているサイダーをラムネと呼ぶとか。サイダーとラムネは同じものということです。
沈黙やもう泡生まぬソーダ水 吉田千嘉子
ソーダ水のシュワシュワした泡がもう生まれないとは、よほど長い時間放置したのですね。
ソーダ水を挟んで向き合う2人。
別れ話を切り出したあとなのか、それともこれから別れ話をしようとしているのか……
どちらも言葉を発しません。
ずいぶん長く沈黙を続ける2人。ソーダ水は もう泡を生み出さず、いたずらに鮮やかな緑色がうらめしい。
夏の午後の別れ話、BGMには荒井由美『海を見ていた午後』を選びたい場面です。
これはあくまでも私の想像の一場面です。
あなたはこの句からどんな「沈黙」を想像しましたか?
(2024年7月31日)
「季節を味わう」は大阪府箕面市のラジオ局 みのおエフエムの毎週水曜日午前11:30と午後8:40から放送しています。
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