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8月の季語「盆・盂蘭盆会」(季節を味わう#0071)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【盆・盂蘭盆会】

盆・盂蘭盆会は8月の季語、初秋の季語です。
7月に行う地域もあるそうですが、一般には8月13日からの4日間を「お盆」といいます。お盆は日本独自の年中行事です。中国から伝わった、父母を供養する盂蘭盆会と、日本古来の先祖を敬い感謝する思いが混ざったものとされています。
お盆には仏壇の前や部屋の一角に灯籠を置き、「盆棚(精霊棚)」を設えます。盆棚には真菰を敷き、野菜やお菓子などをお供えします。きゅうりや茄子に割り箸などを刺して作る「精霊馬(しょうりょうま)」はご先祖様の乗り物。この世にはきゅうりの馬で少しでも早く戻ってきてもらい、あの世に帰る時は茄子の牛で、少しでもゆっくりと、という意味が込められています。
迎え火や送り火、灯籠流しや盆踊りなど地方によって様々な風習があり、特徴があります。でも根っこにあるのは故人を偲ぶ思い。形にこだわらず、大切にしたい風習です。

御仏は淋しき盆とおぼすらん   小林一茶

迎え火や送り火、捧げられた供物など、どれほど盛大におもてなししても、御仏となった身には寂しいことでしょう、という句です。
ただ、3年余り続いたコロナ禍では、この句を「せっかくのお盆なのに子や孫、親戚が集まることもないのをご先祖様も淋しいと感じておられることだろう」と とらえる方も多かったようです。

(2024年8月14日)


「季節を味わう」は大阪府箕面市のラジオ局 みのおエフエムの毎週水曜日午前11:30と午後8:40から放送しています。
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