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1月(冬)の季語「正月」(季節を味わう#0092)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【正月】

1年の最初の月を「正月」といいます。
特別な月に対するお祝いの気持ちと親しみを込めて「お正月」と呼びます。
「太郎月」「祝月(いわいづき)」「元月(がんげつ)」などの別名があります。

正月にちょろくさい事お言やるな    松瀬青々

「おめでたいお正月に、しょうもないことを言いないな(言いなさんな)」という意味でしょう。いやー、生活感あふれる一句で、親戚のおじさんに嗜められているような気持ちがします。
この句を読んだ松瀬青々は大阪の人。
「ちょろい」は大阪弁で本来は「ぬるっこい、生ぬるい、鈍い、まだるっこしい」の意味ですが、とても簡単と言う意味でも使われ「そんなことは朝飯前ですよ」といった意味で「そんなん ちょろいちょろい」と言ったりします。
それに「くさい」がつくと、より一層取るに足りないことが強調されます。
この句を読んだ松瀬青々さんは明治2年、大阪に生まれ育った人です。30歳の頃には、正岡子規から「大阪に青々あり」と称賛されたとか。
恥ずかしながら私は今回初めて松瀬青々の名を知りました。
また、別の季語でも松瀬青々の句を紹介できればと思います。
(2025年1月8日)


「季節を味わう」は大阪府箕面市のラジオ局 みのおエフエムの毎週水曜日午前11:30と午後8:40から放送しています。
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