こんにちは。あみくみです。下書きになってた記事をアップ。
過去問のマガジンにも入れましたのでご参考に。
今日は令和2年製図試験の課題発表がありました。
いよいよスタートです。
気を引き締め直して10月までかけぬけましょう。
はじめに
昨日、令和2年設計製図の課題が発表されました。今回の課題発表は例年と違って何階建てかが不明です。
2階でも3階でも基準階でも成立するプログラムになっています。
ここ数年基準階の課題は出ていないので、基準階の出題が濃厚かなとは思いますが、どのケースで出題されても対応できるように準備しておきたいですよ。
ただ、最もエスキスが難しいのは基準階の考え方になりますから、前半戦で取り組んでいないという受験生は、一度しっかり基準階のエスキスの進め方について理解しておく必要がありますね。
さて、ここで令和2年設計製図の課題について、試験元が公表した情報をもとにどんな施設が想定されるか考察していきたいと思います。
令和2年設計製図の課題の考察
課題発表の内容を整理していきましょう。
読んでパッと気がつくこととして、
まず一つ目
冒頭でも触れましたが、この内容からは建築物の規模が何階建てか予測することができません。
高齢者介護施設の特徴から、2階、3階、基準階とどのパターンもありうるわけで、その心づもりで準備しておく必要があります。
そして二つ目
とあります。
居宅サービスという言葉が出てきました が、ここで「居宅サービス」「居宅サービスを行う施設」「居住施設」の定義を整理しておく必要があります。
「居宅サービス」については介護保険法の第8条に定義があります。
建築基準法とは関係はありませんが、今回のこのザックリとした課題内容を考察するには、そもそも介護保険法の目的というものを少し知っておく必要があるのでみていきましょう。
介護保険法
ここに重要なキーワードがあります。
▶要介護状態となり 入浴排せつ食事等の介護機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者
▶有する能力に応じて自立した日常生活を営むことができるよう
つまり、高齢者が介護が必要な状況になっても能力に応じて自立した日常生活を営むことをサポートするために必要なサービスにかかる給付を行うために定められた法律ということが分かります。
介護保険法の目的を確認したところで、居宅サービスという言葉の定義について第八条をみてみると、
これを読み解いてみると、「居宅サービス」には大きく
・スタッフが訪問してくれる
・お年寄りが施設に通所する
・お年寄りが施設に短期入所する
という3つのサービスに分けられることがわかります。
まとめると、令和2年の設計製図の課題で明示されている「居宅サービスを行う施設」は
① 訪問介護
② 通所介護
③ 短期入所介護
を行う事業者が運営する施設ということになります。
そして「居住施設」に関しては、その名の通り居住施設なので、言葉通りに捉えるならば
・短期入所介護(上記居宅サービスの③)を受けるお年寄りの居住施設
・それ以外のお年寄りの居住施設
が考えられるというわけです。
ここでもう少し第八条を読んでいくと、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院という施設名がでてきます。
いろいろ紛らわしい言葉が乱発されていてなんのこっちゃですが。
「介護保険施設」には、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院がある。
「介護老人福祉施設」とは、特別養護老人ホーム(入所定員が三十人以上)で入所する要介護者に対し、入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話を行うことを目的とする施設。(つまり生活支援)
「介護老人保健施設」とは、要介護者で心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対し、看護、医学的管理の下における介護及び機能訓練その他必要な医療並びに日常生活上の世話を行うことを目的とする施設として、都道府県知事の許可を受けたもの。(つまり居宅生活ができるようになるための医療支援)
老人福祉法
ここで、老人福祉法の目的と「居宅サービス」に関連する条文を確認してみましょう。
介護保険法で定義される「介護老人福祉施設」とは、老人福祉法第二十条の五に規定する「特別養護老人ホーム」(入所定員が三十人以上であるもの)なんですね。
マジややこしい。
第10条の4を読んだら居宅における介護とという項目で居宅と 施設の違いが理解できます。居宅はあくまでも施設ではないお年寄りの住まいとなります。
最後に
ということで、公開になった課題発表の中の記載においては、施設にお年寄りが住む ということに関しては居住施設という言葉で出題がされていますので、ひとつの建物であるけれども機能としては居宅サービスの機能と住居施設としての機能があるということ。
このあたりを整理すると、どんなプログラムで出題される可能性があるかすこーし読めてきそうですね。