「省エネ」に効果的な建築的・設備的手法とは? #製図クリニック0428 #mz007
おはようございます。あみくみです。
今日は昨日の #製図クリニック0428 について記事にまとめていきたいと思います。
皆さんは計画の要点で省エネの手法を問われたり、空調計画について問われたときに悩んだ事はありませんか?
製図試験において「省エネ」といった文脈で問われるものは、一般的に「環境建築」と言われています。
昨日のクリニックでは、この「環境建築」をテーマに学習を進めていきました。
「省エネ(=環境負荷低減)」に関しては、計画の要点で求められることが多いので、
単に言葉の暗記や文章として頭に入っているだけにとどまる受験生が圧倒的に多いのですが、
実はこの「環境建築」の考え方を理解してからそれら 計画の要点で教えてもらうような文章に向き合うと、その内容や省エネ的な効果がすっと頭に入ってきて、どんな課題や問われ方にも適切な回答することができるようになります。
昨日はクリニックが始まる前に予習として使ってほしいと思い、先に 改正建築物省エネ法に関する以下 #mz006 の記事を用意し配信しましたので、 まだ読んでいない方はウォーミングアップに先にそちらを読んでみて下さい。(無料記事)
今回のクリニックでは、「室内環境を快適にする」ということを身近に理解してもらったうえで省エネに効果がある空調計画や自然エネルギーの利用方法について理解を深めてもらいたかったので、
様々な実験結果からえられた検証数値や、 資源エネルギー庁から出ている資料(めっちゃ分かりやすい)、そして気候のサンプルとして東京都の一年間の気温等を図で示しながら、
ということを説明していきました。
では、 「今日のゴール」を確認して、早速内容に入っていきましょう。
今日のテーマとゴール
環境建築と一次エネルギー消費量
テーマはズバリ「環境建築」です。
なんこっちゃ?と言う感じですが。いわゆる省エネ効果を高めるための建築と理解すると分かりやすいでしょう。
今日のクリニックのゴール(終わったときに皆さんにどんな状態になってほしいかということ)は、
ということ。
省エネに関しては、単に文章の暗記では何の理解にも役立ちませんので 今回そういった勉強ではありません。
「省エネ」といった観点から、建築物やその運用(ランニングのための運用エネルギー)にどんな効果をもたらせばいいかを考えていきます。
これはつまるところ、設備計画で取り扱う空調や電気や給湯に関して発生するエネルギーを可能な限り抑えていくということ。
そしてこの「ランニングのための運用エネルギー」は「一次エネルギー消費量」と言い代えることができます。
(今日のゴールの資料で「一次エネルギーの消費量を削減する」と表現している部分ですね)
後で紹介していく国交省の 改正建築物省エネ法の説明用の資料にも「一次エネルギー消費量」という言葉が出てきますので、まずそこを頭に置いておきましょう。
環境負荷低減とは一次エネルギー消費量を減らすこと
計画の要点等でよく出てくる「環境負荷低減」という言葉。
何を低減すればいいのかなかなかイメージがわかない受験生も多いかと思いますが、
これは先にも書いたように、設備計画で取り扱う空調や電気や給湯に関して発生するエネルギーを可能な限り抑えていくということによって、それら設備機器に対して投入するエネルギーを減らす効果があるので、
つまりそれが環境負荷低減につながるということになるわけです。
「環境負荷低減」という言葉は、ニュースなどではCO2の削減といったことをよく見かけるのでどんな風に捉えればいいか混乱してしまうかもしれませんが、
改正建築物省エネ法の文脈では、「環境負荷低減」を人間の活動の結果として生じるCO2の削減というよりは、
「快適な環境を作るための設備機器の運用に対するエネルギー投入量を減らすことで環境負荷を低減する」という視点で捉え直すとめっちゃ分かりやすくなります。
簡単に言うと、「外の涼しい空気を部屋に入れたらエアコンをあんまりハードに使わなくて済むよね!(=空調エネルギー減らせるよね!)」みたいな感じです。
この辺、今日は大規模建築の検証データの数値なども併せて確認していくので、「なるほどー!」とか思いながら感動による定着も促していきましょう笑
「省エネ」=「環境負荷低減」
「省エネ」が出題されるようになった過去問変遷
製図試験において、具体的に「省エネ」という言葉が出てきたり「パッシブ」といった 表現で環境建築の考え方を問われるようになったのは、平成28年「子ども・子育て支援センター」の頃から。
ちなみに、( #mz006 で国交省の資料を貼っています)改正建築物省エネ法の 導入期や運用開始時期とリンクしています。
平成28年「子ども・子育て支援センター」の標準解答例では、 自然エネルギーを利用した 計画として、 太陽光発電や太陽熱集熱、そして井水や中水の利用、地中熱の有効利用のためにアースチューブを採用した計画を示しています。
それ以降の傾向は、自然エネルギーの利用のみならず、高効率な設備機器について、その仕組みへの理解や建築として実装するための計画手法(DSやPSなど含めた平面・断面計画)への理解が問われる傾向になっています。
近年SDGsへの関心も高まっているし、省エネがめっちゃ重要なことは分かる。 そして、建築の分野が使うエネルギーが他産業に比較して莫大であるということも分かる。
でも「じゃあ 実際にその高効率の設備機器が一体どのくらい省エネルギーに対して効果があるのか?」というのはなかなか見えませんよね。
暗記やとりあえずその場しのぎで要点対策をやってきた受験生はなおさらでしょう。
ということで、今回の製図クリニックではその効果を数値で確認しながら、環境建築の手法(アクティブ、パッシブ)についてしっかり腹落ちさせていきましょう。
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