儲かるムコ社長!ザクとうふで1ヵ月100万丁売上げ、元IT社員ノウハウで食材ロス8割減、スゴい義息子社長大調査
今回のがっちりマンデーは…儲かるムコ社長!
「ムコ社長」ってことは…奥さんの実家に入った娘婿、いわゆる「マスオさん」が、義理のお父さんが社長をしている会社を、「継ぐ」というパターン。結構、大変そうな気もしますが…実は、これが結構うまくいくらしい!
日本の上場企業のデータをみてみると、社長の子どもがあとを継いだ場合よりも、なぜか娘婿が継いだ方がいい業績を上げているということが判明!
これは、なんかヒミツがあるに違いない!と、全国のおムコさん社長を調査したところ…
意外にも、出るわ出るわ!おムコさんならではの「儲かりの法則」が!
100年以上続く昔ながらの食堂にやって来たムコ社長が、AIを使って来客をピタリと当てる!
創業70年の塗装会社に来たムコ社長が、ベテラン職人をユーチューバーにしちゃう!?
儲かる「ムコ社長」を徹底調査します!
※以下、10月4日放送の書き起こしです。
ザクとうふ生んだムコ社長が売上げ10倍に
まずやってきたのは、群馬県前橋市にある…
「相模屋食料」。1951年創業、お豆腐を作っている老舗の会社。
スタッフ:こんにちは。どうもがっちりマンデーです。
左のメガネの方がおムコさんの三代目、鳥越淳司社長。そして、右の方が義理のおとうさん、江原寛一会長。
スタッフ:儲かってます?
鳥越社長:儲かってますね。
スタッフ:年間売上げは?
鳥越社長:今、グループで292億円になっています。
鳥越社長が入社すると、業績がまさにうなぎ上りの急カーブ!18年で売上げがなんと、10倍に!
スタッフ:会長!すごいですね?
江原会長:やることやってますから。
もともとは、大手食品メーカーの営業マンだった、鳥越社長。
今から18年前、相模屋食料の社長の娘さんと結婚します。しかし当時、豆腐業界全体の売上げは下がる一方。相模屋食料の経営も大ピンチに!すると娘さんは…。
鳥越社長:「お父さんね、こんな会社ダメなんだよ、こんな会社やっていても無駄なんだよ」と言われている中に入っていって。
江原会長:娘ですからガンガン言いますよ。
会社のことで、はげしい親子喧嘩に!怒った江原会長は「もういい、だったら会社を売ってやる!」と、啖呵を切った。すると…
江原会長:鳥越が「私に是非、譲ってくれ」と。やる気というのがあったんでしょうね。
鳥越社長:ただ単に怒っちゃって、売っちゃおうとしたのを止めましたってだけの話です。
と、いうことで行きがかり上、相模屋食料のムコ社長になった鳥越社長。
じゃあ、どうしたらピンチを脱出できるのか、考えました。
鳥越社長:凄く暗い業界ですんで、何やってもしょうがないっていう雰囲気が蔓延してまして、それ裏を返せば、やれば勝てるんじゃないかって思って。
ムコ社長がまず変えたのが、豆腐の作り方。それも、パックに入れる方法。
鳥越社長:ホットパック製法というのを始めました。
これまで豆腐は、でき立ては熱いから手で持てないと、
水で冷ましてからパック詰めするのが普通だった。そこで鳥越社長が開発したのが…
出来立てのアッツアツのお豆腐を、そのままパックする「ホットパック製法」。でも、それの何がいいんですか?
鳥越社長:できたて熱々のままが一番美味しいんで、美味しさをキープする形です。
以前は水で冷ましてパックしたお豆腐を、また温めて殺菌し、それをまた冷やして保存していた。この温度の上げ下げを繰り返すことが、豆腐の味を落としていたんです。豆腐業界では当たり前だったことを、イチから見直すことで生まれたホットパック製法。このホットパック製法、味以外にも思わぬメリットが!
鳥越社長:熱い状態ですと雑菌が繁殖しにくいものですから、日持ちが延びました。大体3倍くらいに延びて、今おそらく10倍でも延ばせるかなという感じになっています。
今まで関東近県だけだった販売エリアが、日持ちするってことで、全国に!年間売上げが、翌年は9億円もアップ!
続いて、おムコさんの鳥越社長が始めたのが、「ターゲットを絞った豆腐を作る」ということ。
鳥越社長:今までお豆腐は老若男女、誰もが食べられなければいけないって言うのが、常識だったんですね。誰にでも良いものって実は誰も欲しくない物でして。
そこで鳥越社長が作ったのが…
こちら!あの機動戦士ガンダムのザクをモチーフにした「ザクとうふ」。
30代から40代のおじさんが好きな、ビールのおつまみ「枝豆」と「冷奴」を合体。枝豆豆腐を作ったところ、ザクっぽい、よし、ザク豆腐だー!と2013年に発売し、1ヵ月に100万丁を売り上げた大ブレイク商品に!
江原会長:こんな形の豆腐なんか、売れるはずがない!と思ってました。思いっきり、失敗してみろと。失敗するって大事な事なんですよ。
スタッフ:自分の娘さんだったら、どうですか?
江原会長:まあ、ケンカしてたでしょうね。
実の子だと、ついついお父さんも言いたくなっちゃう!でも、おムコさんなので、ちょっとだけ気を使って、お手並み拝見。この、家族なんだけど「ちょっと他人」という感じが、ビジネスがうまく行く秘訣なのかも。「ザクとうふ」で失敗どころか大成功した鳥越社長。
その後も、若い女性にターゲットをしぼり、オリーブオイルをかけて食べる、マスカルポーネチーズのようなお豆腐を開発。
江原会長:和食でしょ、豆腐っていうのは。それが洋食ですもの。我々では、考えられないですよね。
いきなり年間5億円の売上げを叩き出すなど、次々とヒットを連発!
相模屋は、ムコ社長が新しい豆腐を生み出して、がっちり!
最新IT技術で老舗食堂の食材ロスを8割減
やってきたのは三重県伊勢市。
あの伊勢神宮につながる商店街を歩くこと、わずか1分のところにある…
「ゑびや大食堂」
100年以上の歴史を持つ老舗で、お参りに来たお客さんに、伊勢の名物料理を出しています。
スタッフ:こんにちは。
小田島社長:こんにちは。
和服でビシッと決めているのが、4代目を継いだのおムコさんの小田島春樹社長。
スタッフ:年間売上げはどのくらいなんですか?
小田島社長:大体5億円ほどです。元々は1億円弱のお店でした。
社長がおムコさんになってお店に入った8年前から、年間売上げ4億円アップの5倍に!
スタッフ:奥さんですか?
奥さん:はいそうです。
こちらのおキレイな奥様も旦那様には…
奥さん:感謝してます。がっちり!
一体どうやってそんなに儲かる食堂にしたのでしょうか?
おムコさん社長のスゴ技その1「メニュー看板の並べ方を変える!」
店頭に並んだ、メニュー看板。以前は、どんな物を作って、どう並べるか、勘や雰囲気で決めていたんだそうですが…
小田島社長:どう変えたらどのくらいお客さんが入店したか測定したりしています。
小田島社長、お店の入口にカメラを設置。実はこれ、ただの防犯カメラじゃない!
お店の前をお客さんが何人通り、何人が立ち止まって、そのうち、何人が入店したかのデータをとって分析してるんです!
小田島社長:その日の気温に応じ看板の見せ方を変えたりとか、今日、雨だからお肉系のメニュー看板にしようとか。今日は晴れてるから海鮮系のメニューにしようとか。毎日組み替えながらやっています。
スタッフ:そんな違うんですか?
小田島社長:全然違いますね。入客数が倍、違いますね。
小田島社長、このデータを調べて、どういう時にどんなメニューを並べるとお客が増えるか、の法則を発見。若者が多くなる1時以降は、実は魚系メニューの看板にすると、なぜかお客が増える、ということもわかったんです。しかし、社長はなんで、こんなことができちゃうのでしょうか!?
小田島社長:感覚ではなくてデータとか数値に基づいて意思決定をしていったりとか…以前からやっていたので。
スタッフ:もともと、IT系は得意なんですか?
小田島社長:はい。私、もともとIT系の会社にいましたので。その時はソフトバンクに。
元々は、あのソフトバンクで新規事業開発を担当していた小田島社長。奥様と結婚した時は、ムコにも社長にもなる予定はなかったんだとか。
小田島社長:東京で暮らしていきますという話はしてたんですね。子供も生まれてマンションも買った時に。
奥さん:その時に両親の体調もかんばしくなかったので。
具合が悪い義理のお父さんのために一念発起、「ゑびや大食堂」を継ぐことを決意した小田島社長。地方の小さなお店に、つぎつぎとかつてのお仕事のノウハウをつぎ込んでいきます!
おムコさん社長のスゴ技その2「食材のムダをカット!」
小田島社長:高級食材が多いので、なるべくロスを減らしたいと思ったんですよ。
それまで食材の発注量は、ベテランスタッフが、「勘と経験」で、その日の売上げを予想して、決めていました。でもこの予想、なかなか当たらないことが多かった…。1年間で無駄になった食材は、200万円〜300万円分に…そこで小田島社長がまず始めたのは…
小田島社長:情報を店頭に案内した時に、スタッフが入力してくれるハンディーターミナルを使って、取った情報を吸い上げていく。
お店のスマホ端末に、お客さんの人数と、家族やカップルなど、どんな種類のグループで、何歳ぐらいなのか、どこから来たのか、などなど、お客さんの情報を入力していく。そのデータを分析すると…
どのお客さんが、この時期は何時ごろに多く来て、どのメニューを選ぶ傾向にあるのかがわかるように!この集めたデータを使って始めたのが…
小田島社長:データを元に、来客を予測をしたりもしています。
そう、データ分析で「来客数を予測」。過去データと、天気や、周囲のイベント、ホームページへのアクセス数など、周辺の情報をAIが掛け合わせて分析。来客数を予測するんです。
小田島社長:これが来客予測の、1日ごとの予測をしたものの1ヶ月のトータルです。予測をした客数が4463名。実際来た数が4344名。コロナの状況も加味したものになります。差が119名で、予測的中率としては97%くらいになっています。
なんと、予測的中率は、平均で9割以上!1年先までの1日ごとの来客人数と、翌日は何時に何人来るかまで予測。
さらにその日、何のメニューがどれぐらいの数、注文されそうかを予測し、それを元に、用意する食材の量を予測することで、無駄な食材ロスを8割も減らすことに成功したんです。
老舗の食堂にどんどん最新IT技術を導入していった小田島社長。でも、最初は結構、大変だったんだとか…
小田島社長:最初は先代の義理の父とのとバトルがスゴくありましたね。
スタッフ:で、どうしたんですか?
小田島社長:やったもん勝ちってところはありました。
結果を出すことで、小さな老舗食堂を儲かり食堂に変えていったんです。
ゑびやは、ムコ社長のデータ分析で、がっちり!
ベテラン職人をユーチューバーにして人材育成
続いてやってきたのは大阪府大阪市にある…
「竹延グループ」
創業70年、建物の塗装をしている会社。
スタッフ:がっちりマンデーです。
ご家族総出で、お出迎え。
そして、こちらがおムコさんの三代目、竹延幸雄社長。
スタッフ:お婿さんで儲かっているって聞いたんですけど、会長それでよろしいですか?
竹延会長:がっちり儲かっています。
竹延社長が来た17年前から売上げがグングン伸びて、昨年は…
竹延社長:34億円!
なんと34億円!2倍以上にアップと絶好調!でも会長、どうしておムコさんを社長にしたんですか?
竹延会長:結婚してしばらくしてからムコが私のところに来てですね。「一緒に仕事をしたい!」と言ってきたんです。
竹延社長:僕は言われたつもりだったんですけど…食い違いがあるなって。
スタッフ:なんて言われたんですか?
竹延社長:「来てくれよ」と。
まあどちらにせよ、跡取りがいないくて困っていた会長を助けるべく、おムコさんになって入社した竹延社長。まず取り組んだのは、建築業界全体が抱える、大きな問題だった。
竹延社長:入ってきてもすぐ辞めるし、人が来ない。
そう、深刻な「人手不足」。その原因は、採用した若者たちがやめちゃうということでした。
竹延社長:やめていく理由は、やっぱり教えてくれない。
スタッフ:職人は教えてくれないんですか?
竹延社長:教えてくれないです。みて覚えろ!
自分の仕事で忙しい職人さんは、若手を教える暇がない。その結果、なかなか一人前になれない若手は、すぐ辞めちゃう。そこで、竹延社長は考えた!だったら、とにかく教えよう! 現在の、竹延のお仕事現場を見てみると…
職人さん:こんな時は、横に軽く力入れて、横に軽く。
新人を教えているのは、かなりのベテラン。実はこの方、現場作業を引退した超一流の職人さんなんです。
職人さん:79歳です。
スタッフ:このお仕事はどのくらいやられているんですか?
職人さん:60年くらいやっております。
そう、作業をしながら教えるのではなく、「教える」専門で、シニア職人に来てもらう、というのが社長の作戦!
スタッフ:教える指導料とか、お給料もいい?
職人さん:結構もらってます。
新人は、早く一人前になれるし、ベテラン職人さんは、現役を引退しても指導の仕事で稼げると、まさに一石二鳥!さらに竹延社長、こんな新しい教え方も始めました。
職人さん:必ずやった方に戻していって。こんな感じで。
社内のオフィスの一角では、これまたベテラン職人が、画面を見ながら技術指導。
新人が働いている作業現場とリモートで繋いでいるんです。始めたのは5年も前からなんだとか。
職人さん:77歳です。あまり行ったり来たりが大変だから、遠い現場だと。モニター越しに、見ていたらどう悪いのかわかるから。
スタッフ:細かいところまで、見えないんじゃないですか?
職人さん:スッと手が上手いこと動いているか見たらわかります。
竹延の「新しい教え方」は、更に進化していて…
女性:撮りますね、よろしくお願いします。
職人さん:はい、では下から行きますね
女性:何やっているんですか?
職人さん:パテ
スマホで撮影しているようですが、これは一体?
スタッフ:今何やっているんですか?
女性:動画を撮って、今から「技ログ」をアップしていきます。
スタッフ:「技ログ」ってなんですか?
女性:「技ログ」は、職人さんの技を学べるアプリです。
なんと竹延社長、スマホアプリ「技ログ」を開発!
指導員の職人さんが教えている動画をアップし、
いつでもどこでも職人の技術をスマホで見て学べるようにしたんです。
以前は新入社員がゼロの年が続き、入っても3年以内に辞めていたのが…今では毎年20人以上が入社!その8割が辞めずに育っていくように!そして、ちゃんと教えることで、会社に確かな技術があると評判になり、仕事の依頼も増加したというわけ!
スタッフ:誰のおかげなんですか?
竹延会長:そうですね、私の娘のおかげだと思います。娘婿を探して来たと、非常にありがたかったなと思うわけでございます。
竹延グループはムコ社長の人材育成でがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
小木博明(おぎやはぎ)さん:引退したベテランの技術の人って、腕は絶対、間違いないじゃないですか。体力の問題で仕事辞められてるだけであって。教えるだけで雇うって、確かに理にかなってるんですね。すごいところに、気づいたなと思いますね。
加藤さん:これ全国でこのパターンというのは、建設業以外でもできそうですよね?
森永さん:実はもう「技ログ」の中に、農林水産業とか別の分野も入ってるんです。だからそれをこうみんなで見て、結局、そこに出演してくれる人も、技術が素晴らしかったら、その人に、仕事が来る可能性もあるし、自分の技を見せたいっていう気持ちも本音ではあるんだろうなと思いますね。
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