「富士フイルム」後藤社長出演!儲かりの謎に迫る!①チェキはお客さんのニーズに合わせて進化!②写真フィルムの技術で化粧品を開発!今や年間売上げ100億円!③画像診断技術とAIで大腸ポリープを見つけだす!
今回のがっちりマンデー!!は…
「富士フイルム」
「フジカラーで写そう♪」でおなじみ、
緑の箱のカラーフィルムに、
一世を風靡した「写ルンです」など、
その名の通り、フィルムと写真の会社。
でも、今や写真はスマホで簡単に撮れる時代…
カメラで撮って、
写真を現像、なんてあんまりしない気が。
「富士フイルム」さんも相当厳しい…と思ったらなんと!
その売上げは…ここ3年で超急増!!
昨年度の年間売上げは、なんと約3兆円!
超儲かってる!
一体何が起きているのか!?
その秘密を探るべく、潜入取材を敢行!
フィルムの技術を使って開発したのは…
なぜか化粧品!?
バカ売れしてる秘密は…
「コラーゲンです」
…どういうこと?
「富士フイルム」が、なぜか「内視鏡」?
しかもなぜか「超高性能AI」搭載って、どういうこと?
今回は、大打撃から大変身で大復活!
「富士フイルム」の儲かりの秘密に迫ります!
※以下、9月29日放送の書き起こしです。
チェキはお客さんのニーズに合わせて進化!最新のチェキは可愛くて音まで録れる!
「富士フイルム」、その歴史を振り返ると…
今から90年前の1934年…
富士山のふもとで写真用フイルムを作りはじめたのがその始まり。
1948年には、世界で4社しか製造できなかったカラーフィルムを販売。日本最大手のフィルムメーカーとして君臨します。ところが…
2000年代に入ると、デジタルカメラの登場によって、フィルムの売上げがガタ落ち。「富士フイルム」は大ピンチに…
2000年に社長に就任した当時の古森社長は考えます。
「こりゃあ、なんとかしなきゃ やばい!」
そこで考えた作戦が、技術の「棚卸し」!
「富士フイルム」が今持っている、本当にスゴい技術は、何なのか?本当に売れる商品とは、何なのか?そして、これから必要とされるであろう、新たな技術と商品は何なのか。それをイチから棚卸しして、確認して、うまく組み合わせる!
すると、この「棚卸し」をきっかけに、フィルムとは違うジャンルでもグイグイ売上げを伸ばし、今や、年間売上げ3兆円と大復活!今回、その全貌が明らかに!
「富士フイルム」復活大作戦!
まずは、「今持ってる技術」と「今持ってる商品の掛け合わせ」って、
これ、何も変わってないような…担当の高井隆一郎さん、何をしたんですか?
高井さん:こちらインスタントカメラ「チェキ」を進化させました!
「チェキ」って…
スタッフ:はい!チーズ!
パシャっと写真を撮ったら、カメラからシューっと写真が出てくる…
アレですよね?でも、今やスマホで簡単に写真が撮れる時代…売れてるんですか?
高井さん:売れてます。年間売上げは1500億円。
スタッフ:めちゃくちゃ儲かってますね。
1998年に発売開始した「チェキ」は、ぐんぐんと売上げを伸ばし、なんと昨年度の年間売上げは、1500億円と、めちゃくちゃ儲かってる!何でそんなに売れてるんですか?
そのきっかけは、ケータイカメラが出始めて、「チェキ」の売上げがどん底に落ちていた2000年代に…
よく見ると、なぜか2007年から、ちょこっと売上げが上がってた!
高井さん:これは一体、なんなんだ?と会社内で話題になり調べ始めた。
大あわてで調べ始めた「富士フイルム」さん。すると…
なぜか、韓国の若者たちに「チェキ」が売れ始めてたことが判明。そのきっかけが…
韓国のテレビドラマに「チェキ」が登場したことだと分かったのです。
高井さん:若い子の中で、チェキをこの新しいものはなんだ?と、実際は新しくないんですけどスマートフォンで写真を撮るのが普通になってきた中で「チェキ」がまた新しいものとして扱われたというのがひとつのきっかけですね。
海外の若者たちが…
「その場で撮った写真を渡せるのって、面白い」
「なんか、持ってるのがオシャレ」
と、食いつきまくり!
さらに!
高井さん:海外ではもともと、もともと写真を壁に飾ったり、机に飾ったりする文化があるんですね。
スタッフ:確かに!
海外の映画を観てると、部屋の壁や棚の上に写真を飾ってるシーン、ありますよね。つまり、リアルな写真のニーズは、むしろ海外のほうが多いのかも!ということにも気がついた!
そこで!当時の「チェキ」チームは、もっと若者や海外の人たちに喜んでもらえるポイントにあわせて「チェキ」をどんどん変えていこう!と、なったんです。
例えば、「チェキ」を斜めがけするのがファッションになるという人が多いので…
パステルカラーを取り入れた「チェキ」を「世界で一番カワイイインスタントカメラ」として売り出したところ、世界中で大ヒット!
さらに、もっと「チェキ」を配りたい!記念の「チェキ」をもらって家にかざりたい!という人がいるということで…
こちらの「チェキ」を発売。あれ?カメラのレンズが見当たりませんが…
高井さん:これはスマートフォン用プリンターです!
高井さんのスマホに入ったワンちゃんの写真が…
高井さん:プリントできます。
スマホなどで撮影した写真を、何枚でもプリントできる「チェキ」プリンター。
お客さん:昔は1枚しかないのがいいなと思ったんですけど。今は撮った1枚をたくさん人にあげられるのがいいな。
贈るということではこんな「チェキ」も!
プリントした写真には、QRコードが付いていて…
スマホでそれを読み込むと…
「進藤さんお誕生日おめでとうございます!ハッピーバースデイ!」
なんと、写真と一緒に音のメッセージもプレゼントできる!これは嬉しい!
さらにこんな「チェキ」もあって…
写真フィルムの技術で化粧品を開発!今や年間100億円!技術の秘密はコラーゲン!?
「富士フイルム」復活大作戦!
2つめは…「今持ってる技術」を「新しい商品」に活かす!一体何をしたのか?担当の山崎美穂さんが案内してくれたのは…
山崎さん:こちらが「富士フイルム」の化粧品アスタリフトです。
スタッフ:アスタリフト?
山崎さん:はい。
「富士フイルム」が新たに始めたのが、カメラやフィルムとは全然違う、化粧品の開発。
そして、こちらが「富士フイルム」が開発した、シワやシミなどの肌の悩みをケアする化粧品「アスタリフト」シリーズ。山崎さん、どれぐらい売れてるんですか?
山崎さん:発売後、3年後の2010年には年間売上げ100億円を達成して、その後も順調に推移しています。
たった3年で年間100億円というからスゴい!お客さんに、使った感じを聞いてみると…
お客さん:4~5年、使っています。姪にシワが同じ年齢の人よりいいんじゃないって言われたので。じゃあこれかなって思って!
高評価!
でもやっぱり気になるのは、なんでフィルムの会社が化粧品なのか?ということ。その秘密を探るべくやってきたのは、神奈川県にある…
「富士フイルム」の研究所
お出迎え頂いたのは、化粧品開発責任者の柳輝一さん、なんですが…
スタッフ:化粧品って感じのイメージしないですよね…
柳さん:はははは!そうですね私は化粧品の研究者であると同時に科学者だと自負しておりますので。
実は2002年までは、フイルムの開発担当だったという柳さん、どうして化粧品の開発をしてるんですか?
柳さん:実は、「写真フイルム」と「人の肌」には、非常に似ているところが多い!
えっ、フィルムとお肌が似てる?どういうこと?
柳さん:それはこれなんです。コラーゲンです。
このプルップルのコラーゲン。人間の肌は、70%が「コラーゲン」でできてるんですが、実は写真フィルムの大事な材料のひとつなんです。
そこで、2000年に社長になった当時の古森社長は考えた…「そうだ、良いフィルムを作るために今持ってる、技術を活かせば、新しい化粧品を作れるのでは!?」
と、2006年、「富士フイルム」は、化粧品の開発をスタート!そして、写真とお肌にもある特徴が、それは…
「紫外線に弱い」ということ。
柳さん:ここに2枚の写真があります、左は普通の写真、右は劣化した写真になります。
確かに、古い写真って色が褪せちゃってるのが多いですよね?その原因が、紫外線。
写真は、紫外線が当たると、色素がダメージを受けて色が褪せてしまう。ところが!
柳さん:最近色褪せた写真ってほとんど見ないですよね?
スタッフ:え!?今は色褪せないんですか?
柳さん:ほとんど色褪せないですね!
スタッフ:なんでですか?
柳さん:それを防ぐのが抗酸化技術です。
スタッフ:そうなんですか。
実はもともと「富士フイルム」では、なんとか紫外線で写真が色褪せしないようにと、紫外線から守ってくれる抗酸化成分を日夜研究。そして4000種類以上ある抗酸化成分の中から、化粧品にはこれだ!と選んだモノが…
柳さん:こちらが当社の化粧品に配合しているアスタキサンチンの原料です。
この「アスタキサンチン」には、強い抗酸化作用があるんですが、実は、化粧品にするにはある問題が…
柳さん:水に溶けないんですよ。
スタッフ:え!?水に溶けない?
柳さん:なので化粧水とか美容液に入れるのが非常に難しい。
スタッフ:そうなんですか。
アスタキサンチンは油成分なので、水に溶けない。
柳さん:そこを我々のナノテクノロジーで水に溶けるようにしたっていうのがブレイクスルーだったんです。
アスタキサンチンを1ミリの100万分の1、ナノサイズの小さな粒々にして、水に溶けるようにしたんです。
柳さん:こちらがナノ化の装置になります。
残念ながらナノ化装置は、ボカさないとお見せできない、とのこと。
柳さん:こちらに当社独自の処方を施したアスタキサンチンの液を投入します。
スイッチ、オン!
お〜すぐさまアスタキサンチンが機械を通って出てきました!
柳さん:こちらで完成になります。
スタッフ:え?これでもうナノ化しているんですか?
柳さん:はい!
見た感じは、全く変わったようには見えないんですけど…
スタッフ:本当に大丈夫ですか?
柳さん:大丈夫です!はい!
ナノ化したアスタキサンチンを水に入れてみると…
スタッフ:おーすごい!一瞬で広がった。
水をかき混ぜると…
一瞬で水が真っ赤に!キレイに溶けて水と混ざり合ってます。だから、アスタキサンチンを化粧水などに配合することができたんです。スゴい!
画像診断技術とAIで大腸ポリープを見つけてお医者さんも大助かり!
「富士フイルム」復活大作戦!
3つめは、今持ってる商品に、新しい技術を活かす!一体、何をしたのか?
お出迎え頂いたのは、「富士フイルム」メディカルシステム事業部の佐伯達彦さん。どんな「新しい技術」をあみだしたんですか?
佐伯さん:AI技術を内視鏡システムに搭載しました。
ん?AI?内視鏡?
そう、実は「富士フイルム」はもともと医療のジャンルの儲かり商品をいろいろ持ってる会社。
病院で使うレントゲンフィルムや…
検査に使う内視鏡などなど…
確かに、医療機器をよく見てみると「富士フイルム」と、書いてあります!そんな「富士フイルム」が、内視鏡に、AIを搭載したとは…一体どういうことでしょうか?
佐伯さん:こちらがですね、AIを搭載した内視鏡システム「キャドアイ」になります。
新開発の内視鏡システム、その名も「キャドアイ」
よくわからないので早速、シミュレーション用のこちらの大腸の模型で、その使い方を見せてもらうことに。
佐伯さん:まずは「キャドアイ」をオフの状態で内視鏡を入れてみましょう。
スタッフ:スゴい!リアルですね。
そして「キャドアイ」のスイッチを入れると…
佐伯さん:このようにポン!という音と…
佐伯さん:ポリープのような病変を疑われる場所を四角く囲ってお医者に注意喚起をする機能となっております。
そう、この「キャドアイ」、自動で内視鏡に映る画像を解析し、腸のポリープなど、体の異常が疑われる場所があれば、枠で囲ってお医者さんに教えてくれる。
でも、本当にそんなことができるのでしょうか?実際に「キャドアイ」を使っている様子を見せていただけるということで…
新東京病院へ。
今回、患者さんに許可をいただいて見せてもらうのは、大腸の内視鏡検査。それでは検査スタート。すると!
長浜先生:ここにありますよね2つ。
いきなり2つもポリープを発見!
確かに「キャドアイ」が青い枠でポリープを教えてくれてます!
長浜先生:ちらちらと青い枠が出てくると思います。ちょっと気づかしてくれるだけで、あとは内視鏡医が診断するので、それだけでもものスゴく安心感がありますね。
そう、ポリープの中には、見ただけでわかるものもあれば…
パッと見には分かりづらいものもある。
そうしたものも、「キャドアイ」が検知してくれるから、それを元に先生がよく診て、診断するという事ができるというわけ!さらに、この「キャドアイ」の機能はそれだけじゃない!
長浜先生:切除の対象病変なのかそうでないのかも教えてくれますので、非常に良いツールだと思いますね。
これどういうことかというと、ポリープにも、取ったほうがいいものとそのままにしても大丈夫なものがあって、この取る必要があるポリープかどうかを、「キャドアイ」が鑑別してくれるんです!例えば…
長浜先生:緑じゃないですか?これは取らなくていいですよってわけですね。
画像のふちが緑色になってるのは、取らなくてもいいポリープとのこと。そして…ん?これは?
長浜先生:先ほどは緑でしたけど、今回は黄色でてますよね。これは切除の対象になりますので。
ふちが黄色になってるのは、取ったほうがいいポリープとのこと!
もちろん、最終的に切除するポリープかどうかを判断するのは、先生ですが、「キャドアイ」が色で表示してくれて、先生のサポートをしてくれるというわけ!
長浜先生:やっぱりある程度の確率で見落としとかは存在します。「キャドアイ」を使うと10%〜20%腺腫(切除するポリープ)の発見率が上がると言われています。専門医でも。助かってます!
先生も大助かりの「キャドアイ」ですが、それにしても、なんでこんなことができるのでしょうか?そこには、「富士フイルム」の長年培った技術とデータが詰まっているんです。
佐伯さん:我々は「パックス」と呼びまして、画像診断の医療機器で撮影した画像を院内ネットワークで共有するシステムで、実は世界ナンバーワンのシェアをもっています。
そう、「富士フイルム」では、病院で撮影した内視鏡画像やレントゲン画像などの医療用画像を保存する「パックス」というシステムを作ってる。
そこで、世界中にある「パックス」を使っている病院と 協力して…
そこに保存されている、たくさんの病気の部分の画像と、 さらに、病気ではない画像、両方を AIに学習させた。
すると、新たな内視鏡の画像を見たときに、これは病気かそうでないか、
というのを鑑別できるようになったんです!
お医者さんが大助かりの「キャドアイ」、 完成してよかったですね!
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