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坪月商73万円のモンスター級ラーメン店! 女性客殺到の秘密は店主が「人任せ」なこと

今回のがっちりマンデー!!は飲食店の裏側を丸裸に。あの男がお届けする禁断の企画。

「月刊食堂」編集長、通山茂之。

これまで4000店以上の飲食店を自ら現地調査。飲食店の儲かる秘密を知り尽くした男が教える、「坪月商30万円超の大繁盛店」。

で、そもそも坪月商って何でしたっけ?

通山編集長:ひと坪あたり、そのお店が「いくら売ったか」という指標なんですよね。坪月商で30万円を超えるとかなりの繁盛店、50万円を超えたら、これは本当に怪物店ですよね。

そう、「坪月商」を見れば真の儲かり飲食店がわかる。そこで、通山編集長だけが知る、全国各地に隠れた「坪月商30万円超え」の大繁盛店に取材を敢行。

今回の大繁盛店は…

通山編集長:他の繁盛店とは、お店作りのアプローチが全然違います。

お店作りのアプローチとはどう言うことなのでしょうか?早速、その繁盛店に向かうと…


駅徒歩30秒の大繁盛店。その名も「駄目な隣人」

通山編集長:こちらです。

スタッフ:ここ?めっちゃ近いですね。

通山編集長:駅出てすぐです。

東京メトロ人形町駅から徒歩30秒の大繁盛店。その名は…東京メトロ人形町駅から徒歩30秒の大繁盛店。その名は…

「駄目な隣人」。結構インパクトのある名前ですが…

スタッフ:何屋さんですか?

通山編集長:ラーメン屋さんです。

まずはお店の中に入ってみると…

9席のカウンターにはお客さんがビッシリ。確かにみなさん、ラーメンを食べてますが…

ラーメン屋さんにしてはかなり前衛的な内装で、BGMもヒップホップと、かなり変わっています。そして、このラーメン屋さんを作ったのが…

黒瀬社長:こんにちは。

こちらの黒ずくめの黒瀬社長。このお店の坪月商、教えてください。

スタッフ:こちら坪数は?

黒瀬社長:8.9坪です。

スタッフ:月商は?

黒瀬社長:650万円です。

スタッフ:ということは、坪月商は?

黒瀬社長:73万円ですね。

スタッフ:73万円!スゴいですね。

黒瀬社長:ありがたいですね。

でたー!坪月商30万円で大繁盛店、50万円だと怪物店なのに、それを大きく上回る坪月商73万円のウルトラモンスター店。

実際にラーメンを食べてみると…

スタッフ:お〜、出汁が美味しいですね。

確かにおいしい…。

場所探しから内装、商品まですべて外注

でも、なんでこんなに儲かるお店が作れるのでしょうか。これは相当やり手…と思ったら、黒瀬社長の口からとんでもない言葉が。

黒瀬社長:基本的には各々のプロに任せた方がいいと思って、全ての物事を外注しています。デザインも内装も商品作りも。

スタッフ:え?自分でやらないんですか?

黒瀬社長:自分ではやらないです。僕、全然何もできないんで。

ではこちら、2年前にオープンした「駄目な隣人」はどうやって作ったのでしょうか。まず、お店の場所探しは…

黒瀬社長:まずはマーケターに頼んで、どこのエリアにどういう業態を出すといいのかを調べてきてもらいます。

スタッフ:マーケター?

そう。日本橋人形町にお店を出すことを決めたのも、黒瀬社長じゃなくて…

プロのマーケター!

黒瀬社長:まずは、日本橋っていうエリア自体、そんなに有名なラーメン屋さんが多くない。ラーメン屋さんをやるには有名店で駅から離れているよりも、有名じゃなくても駅から近い方がいい、とデータで出ていました。

さらに黒瀬社長、これまたデータに基づいて、

黒瀬社長:「女性の層をどれだけ獲れるか」がマーケティングの勝負になってくる。そこの層を獲るためのラーメン屋さんを作るというプロジェクトになります。

社長いわく、男性客はおいしければ普通の店でもやってくる。でも、女性客は工夫しないとなかなか来てくれない。だったら、その工夫をすれば女性客を独り占めできるはず。

女性客を増やす秘訣は「厨房を隠すこと」

そのため、厨房にも工夫が。

黒瀬社長:女性客は、ラーメン屋さんの大将が汗だくになってラーメンを湯切りしていることに、いいイメージを持っていないです。

黒瀬社長:だったら「それは見せない方がいいよね」って、キッチンを奥に隠しています。

結果、普通のラーメン屋さんだと1割もいない女性客が、こちらのお店は3割に。

お客さん:清潔感、めっちゃあります。汚くないのはいいですね。

お客さん:おしゃれな音楽を聴きながらラーメンを食べられるのが、珍しくていいなと思いました。

そして黒瀬社長、まさかのラーメン屋さんの肝、ラーメンメニューさえも人に頼んじゃった。しかも、メニュー開発をお願いしたのはラーメンのプロではないという。

黒瀬社長:フレンチとイタリアンと和食のシェフに発注しました。普通のラーメン屋さんに頼むと、ラーメン屋さんの概念の中で終わってしまいそうだなと思ったので。いろんな要素を取り入れるために、各々にラーメンを作ってもらって、そのいい所をとって、最後1人のシェフに「まとめたものを作って」と言って作ってもらいました。

スタッフ:そこもまた違うシェフなんですか?

黒瀬社長:はい。

完成したのは、フランス料理の技法を使って調理した、野菜だしのスープに生姜をコンフィしたオイルを合わせた、あっさり味の上品な醤油ラーメン。
すると…

お客さん:醤油なんですけど、味がちょっとおしゃれ。

お客さん:めちゃくちゃ美味しいです。個性的で食べたことない味がしますね。

女性客にも男性客にも好感触。

なぜ、ここまで人任せな店作りをするのか

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