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医薬品の印刷業界で売上げ405億円!国内シェア90%の”餃子”製造機!せまい業界のさらにせまい「超せまい業界」を大特集!
今回のがっちりマンデーは…「超せまい業界のNo.1!」
今まで、「羽根業界」や「ポンプ業界」など、様々なせまい業界の儲かり会社を取材してきた当番組。しかし!せまい業界には、そこからさらに細分化された、「超せまい業界」がある!
例えば、ドア業界のなかの「ドアノブ業界」や…
スーパーのお惣菜業界のなかの、お寿司業界のなかの、「いなりの油揚げ業界」なんていうのも。
今回は、そんな超せまい業界の中でNo.1の会社に潜入!
乾電池業界の中の、さらにせまい「乾電池セパレーター業界」でNo.1の会社は、廣瀬製紙!
この会社が作った熱を遮断する“紙”がすごかった!
熱を遮断する紙の上だと、氷が全然とけない!?
食品製造機業界の中の、さらにせまい「餃子製造機」の業界No.1は東亜工業!シェアはなんと90%!あの大手餃子チェーン店も、あの冷凍餃子も!実はこの機械で作ってる!
今回は、せますぎてなかなかお目にかかれない、超レアな世界をのぞき見します!
※以下、11月1日放送の書き起こしです。
売上げ405億円!お薬の印刷業界でNo.1の会社!
超せまい業界の儲かるNo.1
まず最初にやってきたのは、富山県富山市にある…
「朝日印刷」という会社。
会社名からして、印刷業界なんでしょうけど…
浜社長:朝日印刷社長の浜でございます。
スタッフ:今、おいくつでいらっしゃるんですか?
浜社長:いま48歳です。
スタッフ:48歳で社長さんなんですか?
浜社長:はい、私の家内がオーナーの長女でございまして。そういう背景があって。
スタッフ:なるほど、それはよかったことなんですか?大変?
浜社長:良かったことだと思います!
いわゆるムコ社長の浜尚社長!どんなせまい業界でNo.1なんですか?
浜社長:印刷業界のなかでも、さらに狭い、いわゆる「薬」に関わる印刷をやってる会社でございます。こちらパッケージになりますけども…
浜社長:この中に入ってます、使用説明書ですとか、あとは瓶に貼ってあるラベルだとか。
朝日印刷は、印刷業界の中でも、さらにマニアックな「お薬の印刷」業界でNo.1!国内シェアは、なんと40%!
スタッフ:売上のほうは…?
浜社長:直近で言うと405億円です。過去最高の売上です。
昨年の売上げは、過去最高の405億円と絶好調!でも、印刷業界といえば有名な大手企業がいくつもあるのに、どうして「お薬」に限定すると、朝日印刷がトップになれるのでしょうか?
浜社長:特に薬と言う業界には、あまり本格的に参入をしてこられないんですね。言葉はあまりよくないんですけども、非常にめんどくさい仕事が多いんです。
何がめんどくさいかというと、実は医薬品の表示には、とにかく細かいルールが多い!例えば…
浜社長:薬に関する印刷は「薬機法」によって、「色」だとか「文字の大きさ」だとか、そういったものが事細かく決められてるんです。
浜社長:こちらは、いわゆる使用説明書になります。この使用説明書の文字の大きさ、通常のところであれば6ポイント以上。
浜社長:そして、禁忌といわれるこの赤く囲まれた部分、ここが8ポイント以上と細かく規定されてます。
他にも、第何類医薬品と書かれる、いわゆる「分類表示」は文字の大きさが8ポイント以上、色は必ず黒・もしくは白じゃなきゃダメ、とか…
サプリメントの場合は薬と違って「1日2回」とか「2カプセル」とか、回数や量を明確に表記してはいけないので、必ず「目安」という言葉を入れる、とか…そういうのをぜんぶ覚えて、間違えずにやるというのは、めちゃくちゃ大変!だから、大手企業が参入してこないというわけ。でも、朝日印刷は…
浜社長:この富山というのは非常に薬が盛んな土地柄でして、私ども明治から薬の印刷に関わる仕事を長くやらしていただいて、今があります。
明治時代から薬の印刷を手がけてきたこともあり、細かな決まりごとも全て把握しているから、超せまい「医薬品印刷」業界のNO.1でいられるんです。
そしてこの業界で特に大事なのが、絶対に印刷ミスがあっちゃダメということ。数字ひとつの印刷間違いが命にかかわる、ということで、印刷機も特別。
作業員さん:弊社の最新の印刷機になっております。
スタッフ:めちゃくちゃスゴくないですか?おいくらくらい?
浜社長:大きな声では言えませんが、だいたい10億くらいと言うところだけでお願いします。
10億円で作ったオリジナルの印刷機は、印刷ミスのチェックをする機能がついているんです!
さて、そんなお薬印刷業界のトップ、朝日印刷は、印刷だけじゃなく箱自体も作っています!
食品やお菓子のパッケージは目をひくデザインが大切ですが、医薬品の場合となると、大事なのは使い勝手と安全性へのこだわり。
例えばこちら。見た目は普通ですが、ある工夫が!
朝日印刷社長室、大澤永佳課長に話を伺いました。
大澤課長:医療現場では、大変忙しくて、ボトル一つ取り出すのも大変せわしない作業と少しでもボトルを取り出しやすいようにするという形で…
大澤課長:このような仕掛けになっております。
蓋を開けると、薬のビンが自動で出てくる。これなら高い薬を落とす心配もない。
そしてこちらのパッケージは…
浜社長:よく皆様お薬って飲み忘れたりすることってないですかね。飲み忘れを防止するパッケージになります。
どうやって飲み忘れを防ぐのかというと…
浜社長:こちらのパッケージは裏側に吊り下げフックが付いています。こちらの方をコップのフチにかけていただくと目に付くところにおくことで飲み忘れ防止する。
朝日印刷は、そんな工夫を凝らしたパッケージを5万種類も作っているんです。
朝日印刷は、医薬品、化粧品のパッケージでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:食べ物とか、お菓子とかと変わらないパッケージだと思ってたんだけれど、細かく決まってるってことなんですね。
進藤さん:こちらは、一手間加えないと、この中のお薬が開けられない構造になっております。
加藤さん:この状態だったら、全く合わないから出せないけど…
加藤さん:箱をずらすと、合って薬が取り出せるってことだ。
進藤さん:そうなんです。箱を潰すと、ピタッと開けられるようになってるんです!なぜかと言うと子供さんがさわっていて、誤飲しないようにっていう工夫なんだそうです。
加藤さん:細かいね。ここまでこだわってるんですね。
森永さん:命に関わる分野ってちょっと特別なんですよね 。
国内シェア90%!大手餃子チェーンも使ってる餃子製造機!
続いては、静岡県浜松市にある、
「東亜工業」という会社。
一体、どんな超せまい業界でNo.1なんでしょうか?
営業技術部の山下真治さんに話を伺いました。
山下さん:こちらです。こちらは餃子製造機になります。東亜工業は食品製造機業界の中の「餃子製造機」業界でNO.1の会社になります。
東亜工業は、食品製造機業界の中の、もっと狭い「餃子製造機」業界でNo.1!餃子の街・浜松ならではの会社ですね!
売上げは、ここ数年でグングン伸びていて、昨年は、なんと10年前の3倍、12億円!儲かってます!
その秘密が…
こちらの儲かりマシン!
山下さん:小型餃子製造機の「餃子革命」という機械になります。シェアはこの小型機に関しては90%。某有名餃子チェーン店さんなんかでも使っていただいているかと思います。
こちらが、全国の飲食店から引っ張りだこの餃子製造機、
その名も「餃子革命」、お値段1台138万円!
その使い方は…
まず餡を投入口に入れて…
山下さん:皮をテーブルの上に乗ってまして、ここにある白いボタン押します。
すると…すぐに皮が餡を包み完成!これは簡単!1時間で1500個の餃子を包むことができるんだとか。マシンのあちこちに、餃子を美味しくする技が詰まってるんです!
美味しくなる技その1
山下さん:食べた時の香ばしさ、パリパリ感が一番大切だと思うんですが、香ばしさを出すために餃子とフライパンの接地面が広い方が、焼き面が広くなって香ばしくなります。
人の手で餡を包むと…
餃子の底がどうしてもデコボコになっちゃう。
これだと、鉄板の熱が当たるところと、そうじゃないとこができて、全体を平均的に焼けない!でも、餃子革命なら…
山下さん:機械でやると、このように接地面が平らになります。真っ平らになることによってフライパンとの接地面が大きくなり香ばしく焼くことができます。
餃子の型の一面が平べったいのはもちろん!
中身の「あん」も、送り出す時に表面を削って、綺麗な平面を作ります。
これを、素早くピストンで落として包むから、真っ平らな焼き面が出来上がるというわけ!
そして、もう1つの重要なポイント!
美味しくなる技その2
山下さん:人の手で握る場合、皮に水をつけて包むんですが、機械の場合、水をつけることができません。
水をつけずにどうやって皮をくっつけているのかというと…
山下さん:包むと時に餃子の餡を押しますよね、その時に出る水分を下から上に持ち上げるような形で、それをのりにしてくっつけています。
実は、包む時に餡の水分を押し出し、
その水分で皮をくっつけてるしくみ!全部、計算ずくなんですね!
この餃子マシンのキモとなるのが、精密な「型」づくり。これは、熟練の職人が手作業で作ってます。しかも…
職人さん:秋田の方とかの北の方になりますと、割と大きな餃子が、南の方に行きますと小さめの餃子になってます。
餃子の形は店によって違うため、それにあわせて、型は全てオーダーメイドなんだそう。
そんな餃子革命、実際の評判はどうなんでしょうか?
浜松市にある「東州男唄 浜松たんと」の山田拓司社長に話を伺いました。
山田社長:皮の状態が素晴らしく良い状態ができますので、やはり餃子を焼く時に一番大事な皮ですから。かつては職人さん一個一個包んでたんですね、大変すぎるんです。
スタッフ:餃子包むおばちゃん達は今、いらっしゃらないんですか?
山田社長:おばちゃんたちはボタンを押す係になりました。
そしてなんと、この餃子革命、浜松と毎年餃子の消費量を競っている、もうひとつの本場、宇都宮のお店でも…
宇都宮市にある、宇都宮餃子館・鈴木裕さんに話を伺いました。
鈴木さん:東亜工業さんの餃子成形機を使用しております。手包みと変わらないくらいの美味しさが出ております。
スタッフ:浜松の業者っていうのは気にならなかったんですか?
鈴木さん:まあそれはあの…若干あるかも。
餃子革命で作った餃子は、ライバルも認めざるをえないほどの美味しさ!
評判が評判を呼び、東亜工業の売上げは毎年10%以上アップしているんです!
東亜工業は餃子製造機を作って、がっちり!
乾電池セパレーター業界No.1が作る熱を遮断する世界一薄い断熱材!
続いてやってきたのは、高知県土佐市にある…
「廣瀬製紙」という会社。
紙を作る会社のようですが、一体どんな業界のNo.1なんでしょうか!?
廣瀬製紙の技術・開発の坂本成隆さんに話を伺いました。
スタッフ:何の業界なんですか?
坂本さん:これです!
スタッフ:これは乾電池ですか?
坂本さん:はい、狭い乾電池業界のさらに狭い「乾電池セパレータ」業界です。
坂本さん:こちらが乾電池のセパレーターになります。
スタッフ:乾電池セパレーター?これなんですか?
坂本さん:紙です。
廣瀬製紙は、乾電池業界の中のさらにせまい、「乾電池セパレーター業界」のNo.1会社!
セパレーター、と言われてもおそらくほとんどの人は知らないと思いますが…
乾電池は、その中身が大きくプラス極とマイナス極に分かれています。そのプラスとマイナスを分けるために絶対必要なのが、「セパレーター」という紙。国内の乾電池のほとんどは、廣瀬製紙のセパレーターが使われているらしい。
スタッフ:売り上げの方はどのくらいなんですか?
坂本さん:33億円です。
坂本さんいわく、この「乾電池セパレーター」、
大事なのは、表面の穴を、乾電池の固体のツブは通さないけど、液体に溶けたイオンは通す絶妙な大きさにする、ということ。
そのために、廣瀬製紙が長年培ってきた、土佐の和紙づくりの技術がいかされているという。
坂本さん:セパレーターは、こちらの合成繊維100%でできているんですけど、合成繊維は水に分散させるのが難しいんですが、弊社は、その技術で世界最高レベルなんです。
セパレーターづくりは、ちょうどいい穴を作る合成繊維を水に均一に混ぜるのが重要なんですが、実はこれが難しい。
試しに、合成繊維を水の入ったビーカーに入れてかき混ぜてみると…
スタッフ:全然混ざらないですね。
坂本さん:はい、このように分離します
スタッフ:これだと紙が作れない?
坂本さん:はい。
ここで生かされるのが、廣瀬製紙の和紙づくりの技。
坂本さん:ここであるものを入れます。
透明の液体を投入。すると…
スタッフ:すごいですね、混ざりましたね、何入れたんですか?
坂本さん:糊です、糊の粘り気で馴染むんです、これが和紙作りのノウハウです。
スタッフ:和紙づくりのノウハウが生かされてるんですか?
坂本さん:そうです。
和紙づくりの肝は、木の繊維を均等に水に混ぜること。そのために、粘剤を入れる、という技が昔からあった。そのノウハウを活かすことで、日本中の乾電池セパレーターを作っているんです。
実はそんな廣瀬製紙、乾電池向けだけじゃなく、すごいセパレーターを開発!それが…
坂本さん:今、世界でも注目されているのがこれになります。熱を遮断する紙になります。0.1〜1ミリまでの厚さのものが製造できまして、おそらく世界最薄のレベルにあるかと思います。
普通、断熱材っていうと、1cmくらいの厚さがありますが、廣瀬製紙が開発したのは、まさかの1mm以下。世界一薄い断熱材「HTIシート」
そんなに薄くて、ちゃんと熱をさえぎれるのでしょうか?厚さ0,6mmの紙で実験!
坂本さん:今からホットプレートを200度まで温めます。
200度を超えるホットプレートの片側にHTIシートを敷き、それぞれ氷を置いてみると…
坂本さん:氷を同時に置きます。
スタッフ:普通は、すぐ溶けますよね?でも、紙の上のは、溶けてない!
坂本さん:これが熱を遮断している証拠になるかと思います。
ホットプレートの上に置いた氷は、1分20秒で完全に溶けてしまいましたが…
スタッフ:ほんとすごいですね、沸騰してるのに全然溶けて無いですよ。
疑い深いスタッフは…
スタッフ:これ本当に手でやっても大丈夫なんですか?
坂本さん:大丈夫です、どうぞ。
スタッフ:怖いな。
スタッフ:全然大丈夫ですね。
坂本さん:ほんのり温かいくらいですね。
でも、どうして1ミリ以下のうすい紙で、熱を遮断できるんですか!?
坂本さん:こちらのシリカエアロゲルっていう、世界で一番熱を伝えにくい材料になります。
シリカエアロゲルは90%以上が空気でできている、世界で一番熱を通さない、といわれる物質。
ただし、ほとんど水に混ざらない、という性質があり、うまく薄い紙にすることができなかったんです。ところが廣瀬製紙では、これまた土佐和紙作りの手法で、紙にすることに成功!
スタッフ:何に使うんですか?
坂本さん:スマートフォンとか小型の電子機器の高速化ですか、データ量が増えてくるとICUの熱も上がりますので。
ということは、スマホや携帯端末にどんどん入って、儲かりそうな気が!
廣瀬製紙はセパレーターでがっちり!
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