儲かるリサイクル業界!古着を分子レベルで分解して、新しい服にする古着リサイクル!飲食店で売れ残った商品を安く販売するアプリ!店舗もお客さんも嬉しいシステムとは!?
今回のがっちりマンデーは…
「がっちり!リサイクルウォーズ2021!」
当番組では2年前にも、
洋服のタグを切るリサイクルや、
引越し屋さんとリサイクル屋さんとのコラボ、など、
独自のアイデアの「リサイクルビジネス」を
特集しましたが…
今年2021年は、さらにスゴいことに!
SDGsの流れもあって
今や市場規模は2兆円超えと、
拡大し続けるリサイクル業界。
調べてみると、
「こんなものもリサイクルできるのか!?」
という、驚きのテクノロジーが
ザックザク生まれてました!
独自のアイデア満載のリサイクルビジネスを徹底取材します!
※以下、9月5日放送の書き起こしです。
使わなくなった古民家にはお宝が隠されていた!古民家を解体したらアレが200万円に大変身!
最初にやって来たのは、長野県長野市にある…
「山翠舎」という会社。
どんなリサイクルビジネスでがっちりなのか?
社長の山上浩明さんに話を伺いました。
山上社長:山翠舎は、家をリサイクルしている会社です。
家をリサイクル?
実は山翠舎、もともとは家やお店を作る、普通の工務店だったのですが…
2008年、リーマンショックの影響で売上げが1億円以上減少!会社は倒産の危機に…
しかし、2009年に開始した家のリサイクルビジネスで、倒産の危機を脱出!
でも、「家のリサイクル」とは、どういうことなのでしょうか?社長に連れられ、倉庫に向かうと…
そこには大量の木が!
山上社長:家に使われていた木材をリサイクルしています。
スタッフ:これ全部、家に使われていた木なんですか?
山上社長:そうです。
そう!山翠舎がリサイクルしているのは、「住宅に使われていた木材」
でも、結構使い込んでる感じがしますが、本当にこれが売れるんですか?
山上社長:売れます。戦前に建てられた家を「古民家」というんですけど、「古民家」で使われていた木材になります。
実は山翠舎がリサイクルしているのは、戦前に建てられた家、いわゆる「古民家」の木材!
これをどういう風に使うかというと…
神奈川県鎌倉市の旅館では、山翠舎の木材を使って、古民家風の客室を建築。
新品の木とは一味違う味わいが生まれ、歴史と高級感を感じさせる空間に!
長野県の道の駅「小谷」では…
特産品売り場の内装に、山翠舎の木材を利用。道の駅おたりの幾田美彦社長に話を伺いました。
幾田社長:年月をかけて味わいが出てきて、普通の買ってきた木では出せないと思います。木材を入れてから、以前の売上げと比べると、1.5倍以上ですね。
しかもこの木材、どれもなかなかのお値段。
例えば150年前に建てられた古民家で、梁に使われていた、5メートルの松の木は…
山上社長:これくらいの大きさですと、10万円くらいですかね。
さらに!200年ほど前の古民家で使われていた、8メートルの巨大な松の木は、なんと…
200万円!
山翠舎は、この売れる木材を約5000本もストック!でも、こんなにたくさんの木材を一体どうやって集めているのでしょうか?
特別にその調達現場を見せて頂けるということで、向かったのは新潟県上越市。
骨組みになった、古い木造の家で、なにやら作業をしております。
そう、このように山翠舎は、歴史ある古民家を自ら解体して、木材をゲットしてるんです。この日解体しているのは、築100年を超える古民家。
木を痛めないように、解体作業のほとんどは手作業!これはかなり大変そう!
実は山翠舎さん、解体作業そのものは相場の半額近い150万円〜200万円ほどで請け負っています。
山上社長:再利用可能な古い木が多ければ多いほど、私どもの方で、買い取らせて頂きますので、お安い金額で解体ができるようになってます。
使えそうな木材は、お客さんから買い取っていく。良い木材がたくさん採れるおうちなら、解体料金よりも、買取金額が上回って…
山上社長:お客さんがプラスになる場合もあります。
これは嬉しい!
解体と木材集めを担当するのは、社長のお父様で、御年78歳の山上建夫会長。
建夫会長:これトラック4台150本以上あるね。
この日は、こちらの一軒から約150本の木材を買い取り。
さらに山翠舎には、木の買い取りだけでなく、もう一つの儲かりビジネスが!
建夫会長:これを解体して立て直す。
スタッフ:もう一回、この家を建て直すってことですか。
建夫会長:建て直すんです。
そう、家を解体して、もう一度別の場所に建て直す「移築」!
デザインから、運搬、そして組み立てまでを山翠舎が一手に担い…
こちらの住宅の場合は、お値段約2億円!
この古民家の移築には、絶対に欠かせない大事な工程が!
山翠舎の倉庫では、職人さんたちがクレーンで木材を吊り上げ、何かを組み立てています。これは何をしているのでしょうか?
棟梁の中島重雄さんに話を伺いました。
中島さん:「仮組み」っていうんですけどね。木っていうのは最初のうちはまっすぐなんだけど、年数100年、150年も経ってくると次第に曲がってくる。
実は、木材には木目に沿って曲がってしまう性質があって、家で固定されている間は大丈夫なのですが…
解体してバラバラにすると、ちょっとだけ反り返ったり、歪んでしまう。
曲がってしまった木は元に戻らないので、移築先で組み立てようとしても、うまくいかない!
そこで、もう一度試しに木を組んで、穴などを作り直す、「仮組み」という工程が欠かせないんだとか。こうして、1本1本の木を丁寧にリサイクルする山翠舎。今期の売上げ見込みは、なんと9億円!
山翠舎は家のリサイクルでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
進藤さん:山翠舎さんから、実物をお借りしてまいりました。
進藤さん:100年前の蔵に使われていた扉です。この扉そのものの価格は100万円。これをこのまま使うんじゃなくて…
進藤さん:例えばテーブルなんかに造りかえたりすると、150万円ぐらいの価値のものに生まれ変わるそうです。
加藤さん:例えば、「このサイズのテーブルが欲しいです」っていう発注も受けてるんですか?
山上社長:そうですね。超大手チェーンさんのカウンターとかテーブルは、山翠舎で何百店舗も作らせて頂いております。
加藤さん:既存の家で、「ここに古民家の木材を入れたいんだけど」ってそういう発注も受けてるんですか?
山上社長:そこの工事だけでも承っております。
加藤さん:そうなんだ!今後、どんどん増えると思うな。
分子レベルで分解して新しい服に変える?秘密は30億円で造られた巨大プラント!
続いて向かったのは、東京は恵比寿の住宅街にある…
「日本環境設計」という会社。
お出迎え頂いたのは、営業業務部担当の中村崇之さん。早速ですが、こちらの会社では、どんなリサイクルビジネスをやってるんですか?
中村さん:服のリサイクルをやっています。
「服のリサイクル」…とは、古着を売るということ??
それだと街の古着屋さんとか、メルカリとかで、結構、前からやってるイメージがありますが…実はこちらの会社、古着のリサイクルの常識を覆す、とんでもないビジネスを考案したらしい。それが…
中村さん:いらなくなった古着を回収してきて、それを分子レベルでリサイクルする。
スタッフ:分子?あの分子ですか?
中村さん:はい。
服を分子レベルで、リサイクル?ちょっと、言ってる意味が分からなかったので、その秘密を探るべく向かったのは、福岡県北九州市にある…
「日本環境設計」のリサイクル工場。
お出迎え頂いたのは、会長の岩本美智彦さん。
しかしその後ろには、何やら巨大な設備が!
スタッフ:こういうのが必要なんですか?
岩本会長:必要なんです。化学的に処理すると、いろんなプロセスが必要なんですね、それでこういうデカいプラントが必要になります。
画期的な服のリサイクルをやるために、岩本会長が作ったこちらのプラント。その建設費はなんと…
30億円!
しかし、これでどんなリサイクルをするんでしょうか?
岩本会長:服の中にポリエステルというものが入っていまして、そのポリエステルを分子レベルに分けていき、そして、もう一回くっつけます。
日本環境設計がやっているのは、「ポリエステル」という繊維をいったん溶かして、また新しいポリエステル繊維を作り出す、というリサイクル。ところがこれが難しい!
岩本会長:服にはですね、いま私は黒のポロシャツを着てるんですが、黒の色が入ってたり、素材を安定させるために色んな添加物が入ってるんですね。
そう、洋服に入った「ポリエステル」を溶かして、固めるときには、どうしてもいらないものが混じってしまう!
特に服に色を付ける染料が「ポリエステル」に絡みついて、溶かしても、離れない!だったら、もっと細かく溶かせばいいんじゃないか?というのが会長の作戦!
「ポリエステル」を、「BHET」という細かい物質に分解!
そして、この「BHET」だけを取り出して…
もう一度ひっつければ、再び「ポリエステル」になるんです!
しかしこの「ポリエステル」から「BHET」にまでするのには、温度やら、圧力やらが大変!だから、この巨大設備が必要なんです。
岩本会長:実は、日本でもここだけなんです。
では、実際のリサイクルのやり方は…
まずは、全国2500か所のお店に置いた、回収ボックスで着なくなった洋服を集める。
続いて、プラントのここらへんに設置されたタンクの中に、
ポリエステル100%の服だけを、ドバっと投入!そしていよいよ、ここからが服を分子レベルで分解する工程!しかし!
岩本会長:ここまでしか撮れないんですよ。
スタッフ:なんで行けないんですか?
岩本会長:プロが見るとわかっちゃうから。
服を分子レベルで分解するマシンは、特注で製造しているため、撮影NG!しかし、何とかお願いして、プラントの肝となる成分を教えて頂けることに。
岩本会長:これですね、「EG」エチレングリコールって言います。これが魔法の液体なんです。この「EG」を入れてグツグツグツグツ煮るんです。そうすると分子レベルに分解するんですね。
会長いわく、工場の上の方から長い配管を使って、エチレングリコールで服をじっくりと熱すると…
分子レベルで分解され、ドロドロの液体状になるんだとか。
こうして最後には、純度100%のポリエステル樹脂が完成!これを溶かせば洋服になるんです。
岩本会長:Tシャツ換算でいったら、2500万枚くらい。
日本環境設計は、年間売上は、およそ5億4000万円。5年後には、リサイクル量10倍を目指しているんだそうです!
日本環境設計は服のリサイクルでがっちり!
▼スタジオでお話を伺いました。
加藤さん:何回も試行錯誤しながら分子レベルまで分解していくって事をやってたということですね?
中村さん:その通りです。
加藤さん:どのくらいかかりました期間的には?
中村さん:実は、大元の基礎的な技術は、持ち込みだったんですよ。ある日、大阪のおじいちゃんが、電話してきて「俺にはこんなすごい技術がある」って。それを社長が、電話を受けたのが始まりなんです。
加藤さん:偶然が重なったんですね。
中村さん:そうです。その技術が凄い技術だって分かった社長は、やはり、そこは先見の目があったと思います。
加藤さん:そうか。先見の目がしっかりあるからってことなんですね。
飲食店で売れ残った商品を安く販売する「TABETE」!店舗もお客さんも嬉しいシステムとは!?
続いて向かったのは、東京都港区にオフィスを構える…
「コークッキング」という会社。
一体、どんなビジネスをやっているんでしょうか?社長の川越一磨さんに話を伺いました。
川越社長:アプリ「TABETE」を作っています。
スタッフ:TABETE?
川越社長:はい。
「コークッキング」が2018年に開始した食事の再利用サービス、その名も「TABETE」
川越社長:売れ残ってしまったりとか余ってしまったり、そういうものを情報アップしていただいて、一般ユーザーさんが取りに行ってもらう。そういう余ってしまったものと、ユーザーさんをマッチングするサービスになっています。
しかもこの「TABETE」…
川越社長:去年1年間で大体7万3000食くらいの販売実績があります。
開始からわずか3年で、約1600店舗以上のお店が登録してるというから、かなり順調なご様子。しかし、飲食店の売れ残りを売る、とはどういうことなのでしょうか?よくわからないので…
給料のほとんどを食事に使うという、グルメAD菊田が、試しに使ってみることに。
菊田AD:結構、色んな種類のお店があります。
アプリの画面には…
ショッピングサイトのように、様々なジャンルの飲食店が並んでいて、お店をクリックすると…
どんなメニューが何個余っているかが表示されます。
今回は、品川区の大井町にある焼き鳥屋さんで、
ランチタイムに余ってしまった、「焼き鳥丼」を注文してみることに。
菊田AD:普通だと780円なのが500円になってます。これ、買います!
売れ残りだけあって、かなりの割引価格!
アプリ上で、引取予定時間を入力したら、クレジットカードで支払い。あとは、入力した時間にお店へ向かい…
レジでスマホの購入画面を見せれば、店員さんから商品を受け取れます。とても簡単!お客さんは商品を安く買えるし、お店は余ったメニューを売れるので、いい事づくしですが、ここで、素朴な疑問。
わざわざ「TABETE」みたいなアプリを使わなくても、スーパーのお惣菜コーナーみたいに、遅い時間になったら、お店で安売りとすれば、同じな気も。社長、それじゃあ、ダメなんですか?
川越社長:店頭で値引きをして販売してしまうと、あそこは何時になったら安くなるから、というようなお客様が増えてしまって、お店のブランド自体を損なってしまう可能性がある。
そう!飲食店の中には、売れ残るのは困るけど、値段を下げるというのはちょっと…というところが、結構多い。そんなお店側にとってもうれしいサービスが、この「TABETE」なんです。
例えば、「TABETE」に出品すれば、安売りに気づくのはアプリの利用者さんだけ。店頭には割引商品を並べず、レジでそのまま受け取るってシステムなので、安売りのイメージがつくこともない!というわけ。
実際に、「TABETE」を利用している銀座のお惣菜店「俺のGrandMarket」副店長の財間まどかさんに話を伺うと…
財間さん:会社のルールで値引きとかは、一切していないんですけど、TABETEを出品するときだけ例外で出品させていただいております。
この日、出品したのは、サンドイッチやクロワッサンなど、パンの3点セット。
出品から約45分。すると…
財間さん:あ、決まりました。
出品したパンを、お客さんが無事購入!
こちらのお店は、ほぼ毎日余った商品を「TABETE」に出品し、1日約3000円の売上げ!
スタッフ:ちょっとでも売上げが増えると、お店大きいんですか?
戝間さん:はい、大きいです。がっちり!
さらに、秋葉原でラムしゃぶを販売している「めり乃」では…
余ってしまったラム肉を玉ねぎと炒めて、特製のラム丼として販売!
「めり乃」の料理長伊藤圭一さんに話を伺うと…
伊藤さん:ラム丼をきっかけにめり乃を知っていただいて、来店につながっているというケースはありますね。
スタッフ:新しいお客さんにつながることもある?
伊藤さん:はい。
実は、「TABETE」がきっかけで、初めての飲食店を利用したお客さんの約35%が、そのお店のリピーターになっているんだそう!
お客さんは商品を安く買えて、飲食店は売上げアップ、さらに「コークッキング」も手数料でがっちり!と、まさにウィンウィンウィンなこのビジネス。
「コークッキング」の年商は約2000万円!2025年には登録店舗数を5万店に伸ばし、年商6億円を目指すということで、これは、まだまだがっちり!いきそうですね!
▼スタジオでお話を伺いました。
森永さん:この考え方って、ヨーロッパでは、すでにあったんです。それを日本人も受け入れられる環境になってきたということだと思うんですね。
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