3月25日は散歩にゴーの日
歩こう。
それはいつも、ぼくの選択肢の最上位にある。東京なら五駅、横浜なら三駅。地下鉄の深くて暗い階段を下りるくらいなら、目的地まで歩けるのではないか?常にそう考える自分がいる。会社に勤めていないぼくには時間がある。目的地まで最短距離で急ぐ必要なんてほとんどない。
すぐにタクシーを使うような人を見ていると不憫だなぁと思う。「渋谷から目黒なんてタクシーでこればいいじゃん」みたいなね。忙しく働きすぎて一分一秒が惜しいのだろう。そうしてまで稼いだお金をタクシー代に使うくらいなら、そこまでして働かずに散歩できる余裕がほしい。ぼくはそう思う。
散歩してると自分の頭の中にある地図が、どんどん緻密になっていく。脇道に迷い込んだと思ったらショートカットできちゃったり、この街の構造はあの街に似ているなと気づいたり、古い看板のキャッチコピーを見て笑ったり、すれ違う主婦の買い物から夕飯のメニューを想像したり、このお店は良さそうだなぁと通り過ぎたお店が後日テレビに出ていたり、例を挙げればキリがないほどの「アレコレ」が、街を歩くと見つけられる。
そんな無駄が好きなのはお前だけ、と言われるかもしれない。確かにぼくは、そういうアレコレが異常なほどに好きなのかもしれない。だから旅人を生業にしたいと考えているのかもしれない。
きょう歩いたのは神戸三ノ宮。五年ほど前にも六時間ぐらいぶっ通しで歩き倒したことがある街だ。どこが変わって、どこが残っているのか、記憶を掘り起こしながら歩く旅も気持ちいい。ふと、おなかが空いたのは十六時。散歩するとおなかの減りも早いもの。ふらっと入ったカツ丼屋さんは、また、強烈にうまかった。
3月25日は散歩にゴーの日
ユニチャームが2010年に、同社の高齢者向けの転倒時の怪我防止ガードルのPRのために制定。「さんぽ(3)に(2)ごー(5)」の語呂合せ。