2月25日は「全国の国立大学で2次試験(前期)が開催される日」

僕は神戸大学に3回落ちた。

現役時代の前期・後期と、一浪時代の前期。そして、4回目の後期で合格した、なんてオチもなく、いや、落ちはしたわけで別の大学に進学した。そもそも、なぜ神戸大を受験したのか。法学部も文学部も経済学部も興味が持てないけど経営学部ならマシ。消去法で学部を選んで、あとは実家が大阪なので関西の国公立で唯一、経営学部のある神戸大を受けたわけだ。浪人してA判定までいったのに、またしても神戸大に落ちたときは頭が真っ白になったはずだが、都合の悪い記憶は消えているものである。

そして、後期。関東の国公立で唯一、経営学部がある横浜国立大学を受けた。とはいえ、横国はE判定。完全に記念受験だった。その日が僕にとっての初めての上京であり、前泊のため桜木町駅で降り立ったときに見た観覧車、クイーンズスクエア、ランドマークタワー、コンチネンタルホテル……みなとみらいの未来感に圧倒されて「東京スゲー!」って東京じゃないのに興奮したのは覚えている。

そして、後期。数学は嫌いなので白紙。英語だけ頭を使って解答欄を埋めた。そして、ここからが本番と言わんばかりにマンガ喫茶に泊まりながら横浜と東京を練り歩いた。山手線を周回したり、聞いたことある駅で降りてみたり。そんな後期受験だったので、結果発表の日も遊びに出かけてチェックすらしていなかった。家に帰ると母が開口一番に「受かってたよ」と言うので「何が?」と首を傾げたことを覚えている。数学0点なのに、なぜ受かったのか未だに謎である。

僕は偏っている。センター試験でもそうだが、大嫌いな「数学」は200満点なのに97点。そのうち「コンピューター」という裏技選択科目の40点が含まれているので実力的には57点。コサインタンジェントも覚えてなければ、微分積分の単純計算もできない。しかし、大好きな「世界史」と「倫理」と「地学」は、どれも100満点で97点。それぞれ一問ずつ間違えてしまったが一問しか間違えてないとも言える。ちなみに英語は184点、国語は160点だったと思う。

やりたいことをやる、とは、やりたくないことをやらないことである。という言葉が今も好きなのだが、受験でさえ、嫌いな数学からはとことん逃げて、好きな科目しかやらないような偏った人間なのだ。

そんなわけで、急遽、横国に行くことになった僕は大慌てで引っ越しをして、家具も心の準備もないままに横浜でのひとり暮らしがはじまった。今でも思う。このとき横浜に来ていなければ、全然違う人生になっていたと。きっと、今でも大阪から通える範囲で暮らしていて、留年してバックパッカーの旅に行くこともなく、コピーライターになることもなく、シャープあたりに就職してアタフタしていたのではないかと。

14年前のこの日、神戸大に落ちたからこそ、今がある。そう思えばきょうも味わい深い1日。毎日が記念日、とは言わないまでも、毎日が自分にとって特別な日であることに違いはない。365日記は、それを見つけるキッカケになるのも面白い。

2月25日は「日本全国のほとんどの国立大学で2次試験(前期)が開催される日」

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