3月13日は「キティ・ジェノヴィーズ事件」の日
深夜になって仕事場から帰宅したキティ。あとわずかで自宅、というところで後ろから何者かに刺された。痛みとともに悲鳴を上げた。キティが住んでいるのは住宅街。深夜とはいえ、アパートのいくつかの部屋には灯りが灯っており、悲鳴に応じて窓が開く音がした。女性が襲われている姿を目にした住人は、「そこの男、女から離れろ!」と叫んだ。キティを刺した男は、どうどうと窓のほうを見上げながら肩をすくめて女から離れていった。声を出した住人は痴話喧嘩か何かと思ったのかもしれない。そのまま、窓を閉めて灯りを消した。刺されながらも、なんとか自宅に入ろうとしたキティ。そのとき、逃げたはずの男が戻ってきた。そして、キティは致命傷を負わされた。
のちに、キティの悲鳴は38人が耳にしたと証言した。しかし、誰もが巻き込まれるのをめんどくさがって、また、誰かが警察に連絡するだろうと他力本願になってしまったわけだ。これを社会心理学の中では「傍観者効果」として伝えられている。人間の特性が悪いほうに現れてしまった事件。日本でも交通事故の瞬間を目の当たりにしたことのある人は多いだろう。交差点で起きたりすると誰かが電話してるだろうとスルーすることも多い。
救急車を呼ぶ電話も、多ければ多いほうがいいという。様々な角度から情報が寄せられることで、被害者や事故の状況が把握しやすいからだ。この日は、それを思い出す日にしてはいかがだろうか。
3月13日は「キティ・ジェノヴィーズ事件」の日
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