太田三郎の写真:『ハガキ文学』明治43年1月号(第7巻第1号)「師の面かげ」
太田三郎の肖像写真としては、過去記事「画文の人、太田三郎(5) 日本画について」で『沙夢楼画集』の口絵写真を紹介した。
花の中に立つという特色ある構図である。
今回、雑誌『ハガキ文学』明治43年1月号(第7巻第1号)の「師の面かげ」という口絵写真(折り込み2ページ)に太田の肖像があることがわかった。
オリジナルからのコピーより作成した図版であり、少し立体感が減衰しているが、人々の表情はよくわかる。『ハガキ文学』の投稿欄の選者たちの肖像写真である。「師」というのは、投稿読者から選者たちをとらえた表現である。
上段右から、窪田而笑子(「新川柳」選者)、児玉花外(「新体詩」選者)、内藤鳴雪(「俳句」選者)とその家族、桑田春風(「新俗謡」選者)、下段右から小原偽嬌(未詳)、太田水穂(「和歌」選者)、東海林蕉南(「普通文」選者)、太田三郎(「絵画」選者)。
太田三郎の肖像を拡大しておこう。
調べている対象の風貌がわかるのはうれしいことだ。
かなり意志の強さが伝わってくる肖像である。
この年、明治43年8月号で、『ハガキ文学』は終刊をむかえた。
太田は最後まで、投稿画の選者をつとめている。
*ご一読くださりありがとうございました
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