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太田三郎の絵葉書 《すみれ》
この記事は、下の過去記事の補足である。
《すみれ》という絵葉書の題はかりにつけたものである。
過去記事で取り上げた絵葉書の未使用のものを入手できた。
たいへん美しい。多少、スレがあるが保存の状態がよい。
未使用のものの図版を見ていただこう。
![](https://assets.st-note.com/img/1693718425666-PQUohAPSvJ.jpg?width=1200)
比較のために、過去記事の図版を再掲する。ただし、表と裏をならべた図版にした。
![](https://assets.st-note.com/img/1693713275594-ppZ7ULgCWW.jpg?width=1200)
ハートや、スミレの輪郭の金色が、過去記事のものよりも、あせていないし、また、スミレの藍色も鮮明である。 金銀刷りについては下記の記事を参照されたい。
興味深いことに、新しく入手したものは宛名面のデザインが異なる。
書物と同じように、絵葉書にも異版と言えるものがあるようだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1693718052372-ti6ggkesfZ.jpg?width=1200)
過去記事に使ったものは、蝶の図案を切手を貼る位置にあしらい、「郵便はがき」という表示がある。他の日本葉書会の絵葉書にも見られるデザインである。
過去記事で確認したように、「郵便はかき」という表示が一般的であるが、例外的に「郵便はがき」という表記も行われたようだ。
絵葉書作者としての太田三郎の特徴は、白馬会系の画家としてアール・ヌーヴォーを取り入れていることと、琳派につながる伝統的装飾デザインを継承していることにあると考えている。
*ご一読くださりありがとうございました。