イスラエルのジェノサイドに対して南アフリカが国際司法裁判所に訴えた件、それに伴うドイツ、ナミビアの声明について調べました。【1月15日】
・1月11日、12日、イスラエルがパレスチナ自治区ガザ地区でジェノサイド(集団虐殺)を犯していると、南アフリカが国際司法裁判所(ICJ)に訴えました。
・国際司法裁判所とは、国家間の法律的紛争について裁判をしたり、国連総会や国連安保理などの要請に応じて勧告的意見を与える機関です。
・判決や勧告的意見による国際司法裁判所の意見は、国際法の発展に影響を与える。世界法廷 (World Court) とも呼ばれています。
・この裁判では、ジェノサイドの疑いについて見解を示すにとどまる。国際刑事裁判所異なり、国際司法裁判所はジェノサイドなどの犯罪で個人に対して有罪・無罪の判断を示すことはできません。
・ただし、裁判の成り行きは注目されており、その意見は国連やその他の国際機関で重みを持ちます。
・イスラエルはこれまで自国の行為について、ハマスによる昨年10月7日の襲撃に対するもので、正当だと主張しています。
・昨年10月7日のハマスによるイスラエル南部への襲撃では、民間人を中心に約1300人が殺害され、約240人が人質に取られました。
・南アフリカの弁護士は、イスラエルが「集団虐殺の意図」をもっていることは、軍事攻撃の実施方法から明らかだと述べました。
・ガザ地区でイスラム組織・ハマスが運営する保健当局は、今回の戦争が始まって以降、イスラエルの攻撃で殺害された住民は2万3350人を超えており、そのほとんどが女性と子どもだとしています。
■ドイツ、南アフリカを非難
・ドイツ政府は金曜日12日、イスラエルに対する南アフリカの非難を “決定的かつ明確に “拒否し、国連ジェノサイド条約の “政治的道具化 “であり、”事実無根 “であるとしました。
・昨年10月7日にイスラム組織ハマスによる「非人道的な」攻撃を受け、「自衛している」にすぎないと主張。
・過去にユダヤを迫害した経験をもつドイツにとって、第2次世界大戦後に建国されたユダヤ人国家、イスラエルは特別な存在です。イスラエルを守ることには歴史から生じる特別な責任があるなどと言われ、ドイツ政府は今回の軍事衝突でも一貫してイスラエル寄りの姿勢を示しています。
・民間人の犠牲は避けるべきで、人道物資の搬入を目的とした戦闘休止は支持する一方、停戦については否定的な姿勢を示し、イスラエルに攻撃をやめることまでは求めていません。
・ドイツのショルツ首相は10月17日、軍事衝突開始後イスラエルを訪れ、イスラエルの安全のために取り組むことは「国是」だと述べました。
・「国是」は人権や国際法を守るドイツの誓い、ショルツ首相が使うドイツ語の「国是(Staatsräson=国家理性)」はルネサンスに端を発した哲学の言葉です。
■ナミビア、ドイツを非難
・ナミビアは14日、かつての植民地支配国であるドイツが今週、国際司法裁判所(ICJ)で南アフリカによるイスラエルに対する「ジェノサイド(大量虐殺)」の非難を拒否する決定を下したことを非難しました。
・ナミビアは、ドイツの植民地支配下で20世紀最初の大量虐殺が行われたアフリカ南部の国。ドイツは1904年から1908年にかけてナミビアで7万人以上の先住民族ヘレロ族とナマ族を虐殺しました。
・5年以上にわたる交渉の末、2021年5月、ドイツは1884年から1915年にかけて植民地化した地域で「大虐殺」を行ったことを認め、2つの部族の子孫のために30年間で11億ユーロ(約12億円)以上の開発援助を行っています。
■日本における直接行動の動向「伊藤忠アビエーション」
・2023年3月に日本で行なわれた武器見本市で、伊藤忠アビエーション(伊藤忠商事の100%子会社)と日本エヤークラフトサプライは、在日イスラエル大使の立ち会いのもと、イスラエルの“死の商人”エルビット・システムズと相互協力を促進するための戦略的協力覚書(MOU)を締結しています。
Cheers(乾杯)!会場の一角で拍手の音に包まれながらシャンパングラスを掲げるイスラエルの国際的軍事企業「エルビット・システムズ」と日本企業2社。
・エルビット・システムズは、イスラエル最大手の軍需企業であり、イスラエルが行なっている占領、アパルトヘイト、ジェノサイドに加担してきたことで国際的な非難と投資撤収の対象になっている企業です。
・伊藤忠アビエーションと日本エヤークラフトサプライに、今すぐにエルビット・システムズとの戦略的協力覚書を破棄し、今後二度とイスラエルの軍需企業と契約しないよう要求する署名は、本日1月15日15時までです。
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