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公器にならないという選択

資本主義のマネーゲームは、2023年ではそんなに面白くない。

少し前までの事業家というのはもう少し混濁としていて、シンプルに怪しい人が多かった。
なぜそうなるのかよくよく考えてみると、日本は農耕系の土地や民族なので、民主より共産的思想の方が強い。
また、土地の開拓には限界があるからこそ、少ないリソースの中で奪い合う必要があった。その中での成功はつまるところ、奪い取ったということでもある。怪しくもなる。

ただ、大パーパス時代の現代では、事業の存在意義は、企業の大小に関わらず、経済合理性と社会課題解決の両立がほぼ前提となってきているように感じる。
一見良いことのようにも思えるが、中小企業の事業者には少し厳しい側面がある。

従来は、パブリックカンパニーはCSRに振りすぎる事業だと株主の総意獲得に時間がかかり、プライベートカンパニーは、大企業にできないようなストーリーを身に纏い、弱者として社会に問いかけ共感を生む間に爆速な意思決定と事業スピードで引き離して参入障壁を築き上げ、大企業にも戦える武器を作る戦略が主だったが、大企業も意思決定の幅が広がりができるようになってしまうと、リソースの絶対量には勝てないことになる。
例えるなら、中小が3年間研究開発し、辿り着いたこだわり抜いた洋服のデザインと3000万円の身銭で始めた法人を、大企業はその気になれば1日で全国であなたの服の30%の値段で売り出せてしまうということである。
しかも、大企業に立って立派な、社会の共感を得られる開発ストーリーや主導する人がいて顔も見え、困った時の問い合わせ先もある。
その気になった競合の大手にどう勝つか?と聞かれると、オープンでクリーンでホワイトな平野においては、質も量も優る大手に勝てるわけがない。

では、中小はどうするのか。
いくつか方法論はあるかと思うが、パブリックで戦わないが答えになると思っている。
公器にならないという選択である。
パブリックで戦うから被害に遭うのだ。閉ざされたプライベートを複数持つことで、価値を提供していくしかない。

例えば、日本からは、海外市場はある意味閉ざされた世界に見えると思うが、海外のパートナーを見つけリモートでミニマムに海外進出をするなどがわかりやすい。

デカいIPOも否定はしないが、ミニマムなM&Aをたくさんしよう。そっちの方が、日が当たらなかった弱者を救える可能性が高い。

日本にも、そういう思想にも伴走する投資家が増えると良い。

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