ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」をあなたの町で開催しよう!
はじめに
皆様、日頃よりMyGOMI.をご利用いただきまして誠にありがとうございます。
MyGOMI.を運営している株式会社Gab代表の山内萌斗です。
この度は、リリースしてもうすぐ1年になるMyGOMI.の成果報告と今後の方針についてのアップデートをnoteにて共有させていただきます。
この1年弱の活動によって明らかになったことや、実現したい未来について赤裸々に語りたいと思いますので、是非最後まで読んでいただけますと大変嬉しいです。皆様の日頃の活動の参考になることを心より願っております。尚、MyGOMI.の詳細については以下のnoteをご確認いただけますと幸いです。
1年間の成果報告
2020年5月3日(ゴミの日)にMyGOMI.はリリースされました。
リリースの主な目的としては、街のポイ捨てされやすい場所を可視化・分析することで、ゴミ箱の設置場所の最適化をはかることでした。
大前提として、ゴミ箱の設置はポイ捨て問題の解決への大きな一歩となることは間違いありません。
しかし、リリースから約1年、自治体・現地店舗・不動産オーナーの方々と議論を重ね、本気でゴミ箱の設置に向けて取り組んだからこそ、ゴミ箱の設置だけでは解決が困難である、ポイ捨て問題における様々な根深い問題が存在することに気付くことができました。
以下にその内の10個を共有させていただきます。
①同じ建物であっても複数の地主が存在するため、業務委託による清掃箇所の範囲設定が難しく、清掃箇所がまばらになってしまう。
②ゴミ箱が目の前にあっても、ポイ捨てをするサイコパス的な気質の人は一定数存在する。
③意図せずに落ちてしまうゴミも一定数存在する。
④街清掃は税金によるサービスであり、ポイ捨てをしても片付けてくれる社会が当たり前だと思っている人が一定数存在する。
⑤現時点では国が公共のゴミ箱を撤去する方針のため、街に新たにゴミ箱を設置する際の自治体からのサポートを受けづらい。
⑥Gabがゴミ箱を設置した場合、そこに捨てられたゴミの処理費用は全てGabが負担しなければならず収支が合わない。
⑦お金を払ってまで、軒先にゴミ箱を設置してポイ捨てをゼロにしたいと考えている現地店舗や不動産オーナーが少ない。(課題が深刻ではない。)
⑧ポイ捨てを共通敵として、みんなで一致団結してポイ捨てゼロの街を目指して行うゴミ拾い活動などが、地域コミュニティの形成や環境意識の向上のための良い機会になっている。
⑨ポイ捨てゼロの街の実現に向けて、活動をされている方は多いがネガティブな発言が多く、共感されないことで、取り組みの輪が広がりにくい。
⑩数年後、モノの売り方が大きく変化し街でゴミが出ることがほとんど無くなり、ポイ捨て問題は自然に解決され、ゴミ箱の必要性もなくなる社会を目指していかなければならない。
以上のように、なかなかスポットライトが当てられない実態が存在し、それぞれが複雑な要因によって引き起こっているため、ゴミ箱設置だけでポイ捨てゼロを実現することがいかに困難であるかを痛感した1年でした。ポイ捨て問題はゴミ箱の設置だけでは解決しない問題であることを認識した上で、どうにかしてポイ捨て問題を解決するためにも、MyGOMI.によって集められたデータ活用のゴールを再設定することにしました。
今後の方針について
大きく3つのゴールのためにMyGOMI.のデータを活用していく方針を新たに表明いたします。
①ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」の開催場所の決定
②ポイ捨てされやすい場所を分析し、街清掃の最適化アルゴリズムの開発
③広告ゴミ箱を設置する際に最も効果的な場所を定めるアルゴリズムの開発
優先順位としては①→②→③です。これまでとは異なり、広告ゴミ箱の設置場所の最適化アルゴリズムの開発の優先順位を3番目にして、ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」の開催場所の決定への活用を最優先にしました。清走中の詳細はこちら。街清掃の最適化アルゴリズムの開発としては、既に8万件を超えるポイ捨てデータに法則性を見い出すことで、自治体の街清掃業務の効率化に活用できるのではないかという仮説の検証にも取り組んでいきます。
尚、広告ゴミ箱の設置に関しましては、MyGOMI.のデータ活用とは別のアプローチで進めていきますので、今後の発表を楽しみにしていてください。
なぜ、ゲーム感覚ゴミ拾いイベント「清走中」の開催場所の決定を最優先にしたのか?
3月に長野県内5地域で清走中を開催したところ(内2地域は雨天延期)公募した全ての地域で130名~150名を超える応募があり、泣く泣く応募フォームを締め切らざるを得ないという事態が発生しました。そしてこの状況こそがGabがミッションに掲げている「誰もが楽しくゴミ問題の解決に取り組める社会を実現する」を体現しており、とても嬉しく思うと共に果てしない可能性も感じました。ゴミがゲームを楽しむアイテムに変わり、ゴミ拾いという世間的にはあまり人気がないイベントが大人気イベントとなった今回の事例は、ある種のイノベーションなのではないかと考えました。このコンテンツ性を活かして「清走中があなたの町にやってくる!」というコンセプトでMyGOMI.をより多様な地域でより多くの人に使ってもらう流れをつくることができれば、結果としてポイ捨てデータの登録数が増加し、活用方法の幅が一気に広がると考えました。清走中楽しそう→自分たちの街でも開催してほしい→ポイ捨てを見つけたらMyGOMI.を登録する→清走中を開催する→登録されたデータの活用事例を増やす→長期的な視点でポイ捨て問題が解決された未来を実現できる、といった流れを本格化させていきます。さらに、清走中のエリアマップ内にポイ捨てが多いエリアなども表示することで、清走中がより一層楽しい企画に進化していくので、イベントの体験価値向上のための活用事例もMyGOMI.ユーザー様の熱量を高める要因になっていけば良いなと考えております。
ポイ捨て問題の解決策について分かったこと
結論から言うと、ポイ捨ての発生をゼロにすることは現時点での商品の売り方が主流の世の中においては、難しいと考えております。街で買ってすぐにゴミになるような商品が売られ続ける限り、サイコパス、酔っ払い、意図せず落ちてしまうなどポイ捨ての発生リスクを撲滅することは非常に困難です。法律により罰則を厳しくし、監視社会を徹底することで人々のポイ捨てに対する意識を高めることはできると思いますが、幸福度とトレードオフな気がしています。そのような方法を取らずしてポイ捨てが発生してしまってもポイ捨てによる環境破壊を防止できれば実際に大きな問題には発展しないので、いかにして街に落ちているゴミを拾う人を増やすか、効率的に街清掃を行うか、適所にゴミ箱を設置するかが、幸福度を損なわずにポイ捨て問題を解決する上では重要だと考えています。清走中、MyGOMI.、広告ゴミ箱はその手段としては非常に有効です。特に清走中は、ゴミ拾い人口を増やす上で欠かせない「楽しさ」を重視した企画なので、普及した際の社会的インパクトは大きく、問題の解決度も非常に高いと考えています。現在、3月の清走中の開催を経て明らかになった改善点に向き合い企画内容をアップデートしています。今後、それらが固まったら大々的にリリースを出すので楽しみにしていてください。
最後に
MyGOMI.は清走中の開催場所の決定するアイテムとして全国各地でより活発に使われる未来を目指していきます。今までとは異なるアプローチとなりますが、目指すはポイ捨てによる環境破壊をゼロにすることです。今後も活動をしていく中で解決の為のアプローチやビジョンについて常にアップデートをしていくと思いますが、引き続き、まちでポイ捨てを見つけた際はMyGOMI.で報告していただけましたら幸いです。皆様の町で清走中が開催される未来もそう遠くはないかもしれません。その暁には、MyGOMI. Awardの受賞者としてノミネート&各イベント会場にて表彰させていただければと思います。
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