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「AI熊谷」から学ぶ新しい企業文化づくり──AIは業務効率化だけじゃない!社内カルチャーを育む“思考回路”活用術

はじめまして!Link AI広報のりんかです。今回のブログでは、最近、非常に面白いと感じている、GMOインターネットグループが独自開発した「AI熊谷」プロジェクトを題材に、AIを使って企業文化を活性化させる取り組みを探っていきます。

「えっ、AIと企業文化? なんだかピンとこないな…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。多くの企業は「AI=業務効率化」のイメージが先行しがちですが、実はAIは企業固有の“思考回路”を学習させることで、人や組織の内面を変えたり育んだりする力も秘めています。

GMOインターネットグループさんは、グループ代表である熊谷正寿氏の経営哲学や社内カルチャーを「GMOイズム」としてまとめ、それを独自AIツールの学習データに組み込みました。その結果、“業務の効率化”だけでなく、“企業文化のリアルタイムな共有・強化”ができる仕組みを整え、より強い組織づくりを加速させています。

本記事では、この「AI熊谷」プロジェクトがどのように“企業の文化づくり”に貢献しているのか、そして私たちがどのように自社内のカルチャーをAIへ学習させ、実践の場面で生かせるのかを考察していきます。最後には「すぐに始められる具体策」や「弊社Link AIがどのようにサポートできるか」も紹介していますので、明日から使えるヒントを見つけてみてくださいね。


■ AI熊谷プロジェクトとは? ── 文化を拡大するための“AI思考回路”

● AI熊谷プロジェクトの概要

GMOインターネットグループは2024年12月24日に「GMO Brain AIプロジェクト」第1弾として、社内向けの独自AIツールをローンチしました。このツールは、グループ代表の熊谷正寿氏の思考や経営哲学、そして企業として長年培ってきた「GMOイズム」を学習した“バーチャル知的ナビゲーター”です。

「GMOイズム」は、企業理念やカルチャー、仕事で大切にしている方針・考え方がまとめられた膨大な“文化ドキュメント”。GMOインターネットグループでは、全従業員(“パートナー”と呼称)が共通意識として“唱和”し、実際の業務で活かせるようにしてきました。

ただ、ドキュメントの量が膨大なゆえに、すべてを理解・活用するにはどうしても時間がかかる…。そこで本ツール(通称「AI熊谷」)を利用することで、いつでもチャットボットを通じて「GMOイズム」由来のアドバイスや知見が得られるようになり、意思決定の加速組織全体でのフィロソフィー浸透が大きく前進したのです。

● AIが生む企業文化拡大のメリット

AIと“企業文化”という一見かけ離れた2つが結びつくメリットとしては、例えば次のようなものが挙げられます。

  1. 迷ったときの“価値観ガイド”として機能する
    社員が何かに行き詰まったり、判断基準に迷ったとき、企業のコアバリュー(価値観)に立ち返る場をAIが瞬時に与えてくれます。

  2. 新規プロジェクトや事業アイデアを、統一した価値観で評価・支援
    従来は上司や経営層が「うちの会社っぽいかどうか」を判断していたところを、AIが“経営者脳”や“社内の行動規範”を再現してアドバイスしてくれるので、時間短縮になると同時に、評価やフィードバックの基準がブレにくくなります。

  3. メンターや指導者の思想を、全社員がいつでも参照できる
    特に新入社員や社歴の浅いメンバーにとって、“現場で継承されている企業文化の空気感”を文字や会話で学ぶのはかなり難しいのが現実。AIが、創業者や経営陣の思考回路を再現してくれることで、より深く・短期間で文化を理解しやすくなります。


■ 具体例:AIと文化浸透のコラボレーションがもたらす実践シーン

では、実際に企業文化をAIに学習させると、具体的にどんなシーンで使えるのか? GMOさんの事例をヒントにしつつ、いくつかイメージを膨らませてみましょう。

1. 新人研修での“経営者脳”レクチャー

たとえば新卒・中途入社の社員向けに、新人研修で“経営者の頭の中”を疑似体験するプログラムを用意します。

  • 具体例:「熊谷さんだったらこの問題をどう考えるか聞いてみましょう」とチャットツールでAI熊谷に質問 → 返ってきた回答をもとに、新人同士でディスカッション。

  • 目的は“思考回路”を擬似体験することで、経営層の意図や企業理念の真髄をより短期間で理解すること。

2. 自社独自の顧客対応メソッド

顧客と対峙する際のトラブルシューティングや営業トークには、その企業固有の“やり方”や“考え方”が存在することが多いです。

  • 具体例:営業担当がクレーム対応で困ったときにAI熊谷へ「GMOイズムではトラブル対応時に大切にしている考え方はどれ?」と質問。すぐにマインドセットや具体的対応策を引き出せる。

3. プロモーションプランのブラッシュアップ

各部署が考えたプロモーションアイデアを、経営者視点や社内カルチャーに沿ってどう評価するか、AIツールでチェックします。

  • 具体例

    1. チームメンバーがキャンペーン内容をAI熊谷に投げかける

    2. 「GMOイズム」のフィロソフィーに即したアドバイスを受け、内容を修正

    3. 承認プロセス時に“経営者の意図に沿った案”としてスムーズに通りやすくなる

ここで重要なのは、AIが人間の上に立つわけではなく、人間の思考を補完・加速させる存在である、という点です。企業文化をAIへ学習させるメリットは、あくまで「一人ひとりの社員が“企業の軸”を意識して決断しやすくなる」ことにあります。


■ AIによる企業文化活用を進めるうえでの3つのステップ

とはいえ「自社の文化をAIに学習させるって具体的にどうやるの?」という疑問がわきますよね。ここで、ざっくりとしたステップを3つ挙げてみます。

  1. 企業理念やカルチャーをドキュメント化し、言語データを整備する

    • 過去の社内研修資料、創業者インタビュー、経営指針、従業員ハンドブックなどを集約し、文字情報として整理する

    • これらをAIの学習用にクレンジングし、必要に応じてタグ付けやカテゴリ分けを行う

  2. AIモデルを選定し、学習プロセスを構築する

    • 自社独自の言語モデルを使うのか、あるいは既存のAPIなどを活用するのかを検討

    • GMOさんのように「In-Context Learning」を採用する手もありますし、最新APIを使ったベータ版を並行稼働させるやり方も考えられます

  3. 社内で実際に使ってみて、精度評価とチューニングを繰り返す

    • 新人研修や日常業務で使ってもらい、回答の精度をチェック

    • 有識者やフィロソフィー推進チームのような部署が監査・フィードバックを行い、データやプロンプトを微調整する

このプロセスを経て、企業の“思考回路”をまるごとAIに反映させることができるのです。


■ 文化づくりを支援するAI活用の今後の可能性

● 業務効率化だけでなく“組織の一体感”を育む

GMOさんが取り組む「AI熊谷」は、すでに業務削減時間100万時間突破という驚きの成果を上げていますが、それ以上に価値があるのは「組織全体で同じ方向を向き、より一体感を持って動けるようになる」点でしょう。企業規模が大きいほど、部署間や拠点間で意識にズレが生まれがちですが、AIがいつでも“一貫した思考基準”を提供してくれることで、全員が同じカルチャーを共有しやすくなるのです。

● AIと人間が補完し合う新しい職場環境へ

今後、生成AIの技術はますます進化し、自然言語でやりとりするだけでなく、音声や映像、さらにはVRなどとも連動する可能性があります。たとえば、**「経営者のホログラムアバター」がリアルタイムに現場を訪問して、社員に声をかける…**そんな世界も遠くはないかもしれません。

ただし、最終的にはやはり「人間が判断し、実践する」ことが鍵。AIが会社独自の文化を持った存在として成長すればするほど、そこにいる人間がどんな意識でAIを活用するかが問われます。いわゆる「AIに文化を教える」ということは、「自分たちが大切にしている価値観を改めて言語化し、共有し、深く理解する」プロセスでもあるのです。


■ 明日から始められる! 企業文化×AI活用のためのアクション

ここまで読んで、「ウチも自社の文化をAIに反映させたいけど、何から始めればいい?」と思った方に向けて、すぐに始められるアクションをいくつかご紹介します。

  1. 社内カルチャーを“言語化”してみる

    • まずは企業理念や行動指針を見直し、社内のどんな言葉・文書が“コア”になっているかを洗い出しましょう。過去の経営者インタビューや、昔配布した社内資料なども重要なヒントになります。

  2. 小規模な部署やチームで“AIメンター”実験をしてみる

    • いきなり全社展開ではなく、小さなチームやプロジェクトの中で文化を学習させたAIを運用してみるのがおすすめ。どんなメリットと課題があるかを実感できます。

  3. 精度評価とチューニング体制をあらかじめ整える

    • GMOさんの例でもフィロソフィー推進チームが監査を担当していたように、AIの回答が企業理念とズレていないかをチェックする仕組みを設けましょう。これによって“誤った方向”にAIが進まないよう、微調整できます。

  4. “AI熊谷”に相当する「AI経営者モデル」を試作してみる

    • 経営トップのインタビューやブログを収集し、“経営者脳”の一端をAIに覚えさせてみると面白いです。逆にいえば、「自社のカラーを最も凝縮している“人物”」をモデルに据えることで、文化を短期間でAIに覚えさせやすい、というわけですね。


■ 企業文化を反映したAIが未来を創る

AIはどうしても「業務効率化」の文脈で注目されがちですが、「思考回路」を設定できるのが大きな特徴。
これにより、企業の文化そのものをAIへインプットし、社内に広く拡大することが十分に可能になってきました。これは単なる業務の合理化を超えて、“組織の芯”に関わる大きな変革でもあります。

もし皆さんの会社にも「独自のカルチャーを広く・早く・深く浸透させたい」「企業理念が形骸化してしまっているが、AIを活用して再活性化したい」というお悩みがあれば、私たちLink AIがお手伝いできます!

私たちはAIエージェントやAIアバターの開発・導入支援を通じて、企業の中核を成すカルチャーを“AIの思考回路”へ落とし込み、より豊かな職場づくりに貢献したいと考えています。興味を持ってくださった方は、ぜひ以下の情報から私たちをフォローしていただけると嬉しいです。


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