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holoIDのインドネシア民謡メドレーで学ぶインドネシアの多様な文化と伝統
こんにちは。がーとです。
本日 8 月 17 日はインドネシアの独立記念日ということで、先日公開されたこちらの動画に使われたそれぞれの民謡についてまとめていきます。
ディルガハユ インドネシア!
インドネシアは多様な文化と言語で構成されています。サバンからメラウケまで、各地域にはそれぞれの独自の特性があります。言語、ダンス、音楽、伝統の多様性が一体となって調和を生み出しています。
ホロライブインドネシアの9人のタレントによって提供される、これは皆さんが待ち望んでいたインドネシアの民謡のメドレーです!
皆さんご存じの通りインドネシアの公用語はインドネシア語ですが、インドネシア語は多種多様な文化と言語を持つ国民の共通語となるべく建国時に新たに作られた言語という歴史があります。
そのため、インドネシア人の多くはインドネシア語の他に母語を持っています。
この民謡メドレーでも、曲ごとに様々な言語で歌われ、衣装もその地域の伝統的なものになっています。この記事では、それらを日本人向けにまとめたいと思います。
動画では日本語字幕を表示することもできるのでぜひそれを見ながら、演奏と ID メンバーの歌を聴いてその地域の伝統を感じてみてください。
0:01 E Mambo Simbo
地域:パプア州
言語:マムベラモ語
歌唱メンバー:全員
マンボー・シンボーよ!
(やっと帰ってきたな)
長い間森で迷子になっていたマンボが、最終的に村の住民によって発見され、マンボの帰還を村民たちの喜びを表す曲です。
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0:17 Sik Sik Sibatumanikam
地域:北スマトラ州
言語:バタック語
歌唱メンバー:全員
さあ さあ 一緒に踊ろう
踊り手とともに
懇親会で
みんなの前で
この曲は北スマトラのバタック族の伝統的な儀式やパーティーなどの祝い事でよく歌われる曲です。
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0:37 Kicir-kicir
地域:ジャカルタ首都特別州
言語:インドネシア語、ベタウィ語
歌唱メンバー:レイネ、ゼータ、オリー
曲名はキチルキチル
これはジャカルタの古き歌
この場所でわざと歌いたい
悲しい心を慰めるために
数々鳩がいた
早く飛んでる 遥か彼方へ
もしもあなたは歌うことが好きのなら
ずっと健康で幸せに生きられる
ジャカルタの辺りに住んでいるベタウィ族による民謡です。パントゥンという詩の影響も受けていて、詩のような韻や音節数になっています。
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ベタウィの伝統衣装(レイネ)
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1:07 Cublak Cublak Suweng
地域:中部ジャワ州
言語:ジャワ語
歌唱メンバー:オリー、レイネ、ゼータ
宝石箱の中にジュエルがある
ジュエルがあちこちに散らばっていた
匂いはバッファロの鼻につく
歯がないお年寄りが左右に目をそらす
隠したのは笑う人
実がつかない大豆のような心
ジャワ中部の伝統的な曲で、曲名と同じ Cublak Cublak Suweng という、村の子供たちによって行われる遊びにも使われています。
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ジャワの伝統衣装(オリー)
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1:35 Tokecang
地域:西ジャワ州
言語:スンダ語
歌唱メンバー:イオフィ、カエラ、ムーナ
豆を食べているトカゲは穴が開いた鍋から盗み
豆の料理は鍋一つ空っぽになった
モスクには電気が通っていて とてもまぶしくて
背の高い痩せた女がいて 頬にほくろがあった
この曲は、スンダの子どもたちにペアで手を繋いで歌われます。誰か、または何かを待っているときに、退屈を凌ぐために歌われることが多いようです。
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スンダの伝統衣装(イオフィ)
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ちなみにイオフィはスンダ語話者で、スンダ語での配信も行っているので適任ですね。
2:23 Bungong Jeumpa
地域:アチェ州
言語:アチェ語
歌唱メンバー:カエラ、ムーナ、イオフィ
チュンパカの花よ チュンパカの花
アチェでは有名な花
美しく魅力的な花
とても綺麗だ
月明かりの下で
枯れたその花は重なり合う
白に黄色に赤
美しい花を咲かせよう
嗅いでみたらいい匂いだ
この香りはまさにチュンパカの花
曲名の Bungong Jeumpa はアチェ語でチュンパカという花の名前を意味し、アチェの地と精神の美しさを表しています。
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ガヨの伝統衣装(カエラ)
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3:13 Cik Cik Periuk
地域:西カリマンタン州
言語:サンバス・マレー語
歌唱メンバー:リス、アーニャ、こぼ
チクチク鍋はジャワからやってきた
カニを2匹持ったおばあちゃんがやってきた
この曲は、古代のサンバス族がこの地域にやってきた部外者への風刺として歌いました。
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3:44 Ampar Ampar Pisang
地域:南カリマンタン州
言語:バンジャル語
歌唱メンバー:リス、こぼ、アーニャ
バナナを並べて
まだ熟していないみたい
一本だけ熟していたらハエがすぐ囲んでくる
南カリマンタンの代表的な歌で、この曲に合わせて遊ばれる子どもたちの遊びもあります。
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ダヤクの伝統衣装(リス)
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3:55 Mejangeran
地域:バリ州
言語:バリ語
歌唱メンバー:アーニャ、リス、こぼ
踊ろう ジャンギ・ジャンゲル
楽器の音とともにジャンゲルの一団がやってくる
一緒に踊ろう
美しい花を探して
象牙を身にまとっているかのような
エレガントで優美な振る舞い
一緒に踊って
一緒においしいものを探そう
踊ろう ジャンギ・ジャンゲル
伝統的なバリの曲で、子どもたちが歌う伝統的な曲の一つですが、今でもアーティストにアレンジされて受け継がれています。ジャンゲルとは、ガムラン音楽とともに演奏されるバリ島の伝統的な歌舞です。
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バリの伝統衣装(アーニャ)
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4:51 Buka Pintu
地域:マルク州
言語:アンボン・マレー語(?)
歌唱メンバー:こぼ、リス、アーニャ
ドアを開けてくれないか
中に入りたいのだ
お嬢さんよ 僕は玄関にいるからよ
呼んでも出ないし
ドアも開けてくれない
お嬢さんよ 僕は入りたいのだ
マルクの伝統的な曲で、歌詞はおそらくアンボン・マレー語ですが、全体的にインドネシア語とよく似ていることもあり、他の地域の子供も童謡として知っていることも少なくないようです。
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アンボンの伝統衣装(こぼ)
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5:36 Soleram
地域:リアウ州
言語:インドネシア語、マレー語
歌唱メンバー:ゼータ、オリー、レイネ
ソレラムよソレラム
あの子はかわいい子だよ
かわいい子にはちゅうしてあげないで
したらほら顔は真っ赤だ
一人に二人に
三人に四人に
五人に六人に
七人に八人
もし新友ができたならいいよ
でも旧友は置いてはいけない
リアウ州の民謡ですが、隣国マレーシアでもよく知られています。子守唄として知られ、親が寝る前に子どもたちに伝えたいメッセージが込められています。
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リアウ・マレーの伝統衣装(ゼータ)
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6:19 Anging Mammiri
地域:南スラウェシ州
言語:マカッサル語
歌唱メンバー:ムーナ、全員
そよ風にこう言おう
窓際に届けよう
忘れっぽいあの人へ
そよ風にこう言おう
そよ風よ来いよ
寒い風邪よこちらへ
骨にしみ込むほど
エ・アウレ
思い出せるまで
感情を持っていない人に
スラウェシ島南部のマカッサル語の民謡です。そのメロディーの美しさから、「Tari Anging Mammirik」としてダンスの伴奏にも使われています。また、音楽としても小学校の教材などに使われているようです。
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マカッサルとブギスの伝統衣装(ムーナ)
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7:22 Bengawan Solo
地域:中部ジャワ州
言語:インドネシア語
歌唱メンバー:全員
ブンガワンソロよ そちの歴史とは
昔よりもずっと何人もの注目
乾季には水が流れず
雨季は零れるほど彼方まで流れる
そちの清水はソロより
何千もの山に囲まれ
ずっと遠くまで流れる真水は
海まで海水へと
お船よ そちの歴史は
そちの上に商人たちは乗っていたのだろう
曲名の Bengawan Solo とはジャワ島中部を流れるジャワ島最長の川であるソロ川を指し、グサン・マルトハルトノが故郷を想い書いた曲です。戦時中グサンがジャワ島各地で歌ったことで日本兵にも愛され、終戦後の 1948 年に歌詞が日本語に訳され松田トシによって歌われたレコードは当時大ヒットし、アジア各地で知られました。
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なぜ制服?(PENTAS SENI)
皆さんお気づきのように動画内で伝統衣装を着ている時以外はみんな制服のようなものを着ています。これはまさにインドネシアの学校の制服で、背景に書いてある「PENTAS SENI」というものに関係しています。
Pentas seni とはインドネシアの学校で年に1回行われる舞台芸術のイベントで、学生の芸術分野での才能を披露するために行われます。
ちなみにこの Pentas seni をテーマにしたボイスドラマが発売されているのでぜひ買いましょう。日本語もあります。