こんな感じ?
朝
母さん、大阪の夏は連日暑いです。
兵庫はどうですか?
僕は今日noteといものを書いてみます。
陽の光にさされた腕がチリチリと音を立てて焼けているのがわかる。
やっとの思いで到着した最寄駅
もみあげの長いサラリーマン
ニキビの多い大学生
汗だく肌着おじさん
夜職風なお姉さん
電車内ではみんな暗い顔で携帯を触っている
僕は少しだけいい顔を作ってみた。
昼
職場で、"最近元気ないしモチベーションが下がってるのではないか"と言われた。
その通り、自覚はあったが言葉にされると気力のない自分の存在が実体を持って降りてきたような気がした。
夏バテかな。
学生時代は炎天下の中、真っ黒焦げになりながら部活に励んでいた。
どう考えても辛いはずなのに、当時の僕は充実感に満たされていた。
今の自分からは考えられないが野球部のキャプテンをしていた僕は柄にも合わず、チームメイトに"声を出せや"などと叫んでいた。やる気のない奴にはにチャップマンばりのストレートで正義の鉄槌をお見舞いしようとしたこともあった。
部活のような何かに熱中する体験をしたいと思って10年近く、何にも熱中せず人生をすり減らしている感覚。
何かしなきゃ
noteでも書いてみよう
夜
仕事帰り、いつもストリートミュージシャンが歌っているスペースがある。
今日も若い女性シンガーソングライターがギターの弾き語りをしている。
アーティストによってはすごい人だかりになることもあるが今日は閑散としている。
熱心に彼女の歌を聞いている男性が2人。
ともに推定40代で元の色がわからないほどくすんだメッシュキャップを斜めに被り7部丈のステテコ。
わかる、わかるぞ!彼らは控えめに言ってヤバいやつだ。
彼女は どんな気持ちなんだろうか。
自分の歌を多くの人へと届けたい、そんな思いで両親の反対を情熱で押し切り、或いは全ての現実を捨てて田舎から鞄いっぱいの夢を詰めて電車に揺られてきたんだろう。
それなのにたくさんの人が行き交う街で自分の歌声に耳を傾けるのは7部丈のステテコが2体。
気丈に歌っている彼女の笑顔はひきつっているように映った。
もし今日が初の路上ライブだったらどうだろう。ライブ後その足で地元に帰ってしまわないか心配だ。
彼女の歌は多くの人には届かなかった。
届いたのは2対のステテコとそれを見る気力を削がれた僕。
でも彼女は行動したんだ。それ自身は尊い営みだし見習わなければならいと強く感じた。
ステテコを恐れて何もしないで僕
ステテコ2人に歌を届けている彼女
糞な現実を突破するには見えない脅威に恐れるのではなく、外に出て襲いくるステテコと戦うことなんだろ。
よーし、頑張ろう!