起源
朝
誰にも読んでもらえないだろう日記を初めてネットに投下したら、何かやった気になった。
1つだけスキをもらえた。嬉しい。
乾いた承認欲求が潤うのを感じた。
この感覚が爆発してとにかくなんでもいいから反応されたい、迷惑系うんたらが誕生するんだろう。これが爆誕って言葉の起源か。
駅前には朝早くから聖書を配布しているサラリーマン風のおじさんと、年齢不詳の女性
暑いのにご苦労様です。
僕は宗教に傾倒する人を見ると危うさとともにうらやましくも思う。
迷った時に導いてくれる何かがあるということは素晴らしいことだと思う。
自分を信じる力すらもない僕は、僕が評価した神や仏を信じられるはずもない。
昼
先輩がオリンピックのスケボーに感動して寝られなかったという話をしていた。
オリンピックの起源はスポーツによる平和の祭典でなくヘレニズム文化圏の宗教的祭典らしい。
古代の神々はトリックをメイクしたスケートボーダーたちをご覧になってお喜びになっておられるのだろうか。
「なあゼウス、堀米やばくね?」「わかる!ユウトルネード半端ねぇ!」「そんなことよりカラオケいかね?」
いや、全能の神が小さな木の板を足でくるくる回す行為をありがたがるとも思えない。
「おちょくっとんのか」と、ご機嫌を損ね天災を起こしかねない。
とはいえ僕ら小さな生物である人類は熱くなるのだ。彼らの血の滲むような努力に思いを馳せ、国を代表して輝く姿に、夢散り項垂れる儚い姿に。
つまり我々視聴者は神なのである。。
我を喜ばせるため頑張れ日本代表のオリンピア達よ
すみません、何者にもなれなかった僕に皆さんの姿を投影し感動させてください。
夜
前方から薄着のギャルが2人歩いてきた。
もちろん僕は横目でチラリ。あまりにも自然な流れるような視線の送り方で、2つのセクシーを同時に摂取。
6-4-3のダブルプレーが決まった。
アライバ、キクマル、ポラマルだ!
ふっー、一仕事終えて視線を上げたその刹那
ドンッ!!!
マウンテンバイクのイケメン外国人にぶつかってしまった。
やべー、ダブルプレーに必死で前方からホームに突っ込んでくるカブレラの存在に気づかなかった。コリジョンルールは適用されない。
キレられる!
そう思い"sorry"と言いながら顔を上げた。
(瞬発的にsorryが出るなんて中学英語ちゃんとやっててよかったー)
あれ?カブレラもバツが悪そうな表情でsorry sorry"と言っている。
なぜだ?僕の前方不注意のはずなのに。
ははーーん、カブレラ
お前もダブルプレーの最中だったってことだな。
どうやらアレックスも反対方向からダブルプレーを完成させようとしていたところだった。
(愛を込めてファーストネームで呼ばせていただくぜ!)
バツが悪そうな2人の馬鹿に一瞥くれることもなくギャルは颯爽と次の塁へと歩き去った。
残されたアレックスと僕は苦笑い、この感情を表すのに言葉はいらねー、心の中でギュッとハグして別れた2人。あちー、小さなオリンピアだよ。
やっぱりスケベって世界越えるんですね。
スケベだけは崇めるべきもの、素晴らしいものと信じられる。
これが信仰心か。
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