メモリアルコミュ感想 -首藤葵-
注意書き
・文字だけ (5000文字くらい)
・以前軽く読んだ程度、首藤さん関連で丁寧に読むのは初です
・メモリアルコミュ以外読んでいません
・読みながら抱いた印象の書き散らしです
・基本的には感想部と不完全な実況部が交互に入っています
目次
・コミュ1
・コミュ2
・コミュ3
・コミュ4
・ちょっとした感想
コミュ1
旅館にて
料理の準備が出来た、とディレクターに伝える首藤葵さん。
撮影トラブルの対応で、Pからリポーターを任命されるようです。
『出会い』は、オーディションではなく、スカウトなのですね。
それにしても、突然のリポーター任命はなかなかの無茶振りでは?
「この料亭の看板娘、首藤葵」さんが、誇らしげに料亭のレポートをこなします。
「料理長おまかせコース」では「最高の素材を生かすべく、おとん……じゃなくて、料理長が腕によりをかけて……」
「最高の素材」は首藤葵さん自身の暗示だったりするのでしょうか。
「おとん」が「料理長」なのですね。
そつなくリポートをこなし、仕事が終わって「お疲れさまでした」の挨拶を交わす首藤葵さんとP。
そのあまりにもアッサリとしたやり取りに、首藤葵さんは「それで終わり!?」とツッコミを入れます (可愛らしいなぁ) 。
「地元のローカル番組でうちの料亭のリポートとかしちょるけん」
「あたし自身にはコメントの一つもない?」
よく考えると、突然リポーターを指名されても、対応するのは難しいですね。首藤さんは経験者だったから上手くいったようで。
経験者じゃなかったらどうしてたんだろう。
レポーター首藤葵さんに関するPのコメントは、「素材はよかった」。
このPは「有名なアイドルをプロデュースしちょる人」のようです。
先述の「最高の素材」は伏線だったみたいですね。
ところで、Pの設定が明確に書かれるのは珍しい気がします。
Pは物語を動かす上で便利な役どころで、Pと自身を同一視して楽しむ人もいるかもしれません。Pの設定は、自由度を減らし、同一視をやりづらくします。ちょっとだけ不都合になると思う。
それでも敢えて、首藤さんの物語では、「有名なアイドルをプロデュースする」ような実績を伴ったPが登場しました。
首藤さんのプロデュースでは、そういう実績、格の高さが必要だった、ということなのでしょうか。
意気込んで、首藤葵さんはPに自分をPRします。
「あたしがもっと人気者になれば、こん料亭だってもっと有名になって将来安泰やけん!」
「ねぇねぇ、アイドルとしてでもいいから、次も使ってくれん?」
なるほど、「アイドルとしてでもいいから」を引き出すための、Pの設定だったのですね。
考えてみると、地元のローカル番組で扱われるような安泰な料亭の、リポーターを引き受けるような看板娘。アイドルになって上京する動機がない。
アイドルになる動機は『料亭を有名にするため』で、そこは首藤葵さんのとても大事なポイントなのでしょう。
そうなると、『アイドル』が『地元のローカル番組』よりも明らかに格が高くならないと、アイドルの物語が始まりません。普通のPではなく、有名な敏腕Pが現れたのは、アイドルの格を高めるためなのかもしれませんね。
「次も使ってくれん?」に対して「分かった」と返事を返すP。
「あたしのこと、美味しく料理して、絶品アイドルにしてよね☆」
という言葉でコミュ1が締められます。
料亭の娘だから「料理」は大事なモチーフのようです。
コミュを振り返ると「料理の準備が出来た」を報告するところから始まっています。それも、「最高の素材を生かす」ような料理でした。
これらは、『看板娘』首藤葵さんの紹介、の暗示でしょうか。
『アイドルプロデュースの実績を持つP』からすると『素材は良かった』の評価。素材をもっと生かす方法があるはずだ、という考えが根底にある、そんな評価。
この後のコミュが楽しみです。
コミュ2
レッスンルームにて
初レッスンはダンスのようです。
「任せちょき!」「じゃあ、いってみよー!」
そのまま数時間レッスンして「ぜ、全然できん!」「こんなんやと、お客さんには出せんね……」と落胆する首藤葵さん。
初回から数時間レッスンするって、飛ばし過ぎでは?
初回なんだからもうちょっと手心を加えた方が良いのでは?
落胆する首藤葵さんに対して、
「できるまでやろう」とのPのお言葉。
厳しすぎでは???
凹むことなく、首藤葵さんはPの言葉を真摯に受け止めます。
「何度も繰り返して、やっと美味しいものが作れるようになるんか……」
「そういえば、あたし、料理でも最初は桂剥きの一つもできんかったっちゃ」
「おとんに何度も怒られながら、何度もやっち、やっと出来るようになったけんね」
ああ、Pは『料亭の料理長の父』と同じ立ち位置なのか。
優しく導かれるより、厳しい修行をこなす方が、首藤さんの気質に合っているのかもしれませんね。
そのままレッスンを続け、さらに数時間が経過します。さすがの首藤さんも限界の模様。
続きは明日に持ち越しに。
やり過ぎでは????? 初回レッスンとは一体……。
レッスンのし過ぎでお腹が空くも、時間が時間なので、寮の食事も終わってしまっています…… (Pの監督責任では?)。
そこでPはご飯を食べに行くことを提案します。反省会も兼ねて。
P、厳しすぎでは?
反省会も兼ねて、ということに対しても、首藤葵さんは真面目に受け止めます。
「反省するんも仕事のうちかぁ」
「でも、成長するんにはいい塩梅なのかも……」
「ごはんと反省を糧にして……」
このPにして、このアイドルあり。
ストイックというか、レッスンというより修行ですね。
首藤葵さん、こういう性質があったのかぁ。負荷を掛けることに対する耐性が異常に強いですね。向上心の塊……というのともちょっと違う、成長しようとする姿勢を当然のものとしていて、修行することが日常に溶け込んでいるというか……うーん、語彙力が足りない……。
コミュ3
撮影スタジオにて
宣材写真を撮るのに張り切っている首藤さん。
これまでの看板娘の経験で宣伝用の写真の重要性は理解しており、張り切って「とっておきのものを持ってきた」ようです。
「じゃーん!見て見て、うちの料亭の名前を書いたTシャツ!」
可愛らしい。
嬉しそうにPに語る首藤葵さん。
「こんシャツを着ちょるあたしの写真が出回れば、店の宣伝にもなると思うんよ☆」
店の宣伝>>アイドル、な子ですからね。うむ。うむ。
しかし、このPってけっこう厳しい人だったから、このあとどうなるのか……。
「だめだよ」と率直に述べるP。
「でも、普通の服を着てるより目立つやろ?」と食い下がる首藤さん。
「だめだよ」(2回目)
「ほら、スポーツ選手だって……」
「だめだよ」(3回目)
「……どうしても?」
「君のために撮る宣材写真だから」
(「だめだよ」(4回目、無慈悲) にならなくてホッとしました。)
『料亭の看板娘』としては正解なのでしょうが、『アイドル』としては間違いです。
コミュ1で「素材は良かった」と称されたリポートも似た感じだったのかもしれませんね。
「君のために」というPの言葉を受け、ようやく引き下がる首藤葵さん。
「あたしのために撮る写真……」
「なんか、料理と似ちょるなぁ。どげな素材かわからんかったら、なんぼ腕のいい板前でも料理できられんもん」
「今日のあたしは料亭の看板娘じゃなくて、アイドル首藤葵の看板娘!」
「あたし、いい写真が撮れるように、しらしんけん頑張るっちゃ!」
勝手知ったる料亭の紹介はできても、『アイドル首藤葵』という素材は、本人も含めて、まだ誰にもわかっていない。
コミュ1では「自分を料理してくれ」だったのが、ここにきて「自分で自分を料理する」へと意識が変わりつつあるのが、面白いですね。
(「しらしんけん」ってなんか良いなぁ)
コミュ4
初仕事はバラエティ番組。全国放送の地方特集で、大分代表。
さすがに気後れする首藤さん。
「葵に出てほしい」という率直なPの言葉に大いに励まされ、首藤さんのやる気が燃え上がります。
これ、この感想を見ただけでは伝わらないのですが、なんか、ずるいぞ、このP。メモリアルコミュのPって「なんやこいつ」って思わされるのがほとんどなのに、このP、ちょっとカッコイイって思わされた。
撮影当日
首藤葵さん、ガチガチに緊張している様子。
「お、おはようございます!今日は頑張ります、よろしくお願いします!!」
緊張した首藤さん、この子から方言が出ないと不安になってきますね……。
「緊張してる?」のPの言葉に対し、
「だだ、大丈夫です!緊張なんてしちょらんよ!」
「あ、方言出てしもうた……」
方言は敬語になると出にくくなるもの。使い方次第では『カジュアルさ』を演出する道具にもなります。
意図して方言を抑えるのは、大分代表として恥がないように、『フォーマルに』、ということでしょうか……。
Pとの問答が続きます。
「本当に大丈夫?」(1回目)
「大丈夫っちゃ!あたしは、大丈夫……」
「本当に?」(2回目)
このPは本当に強いなぁ。
Pの圧に負け、正直に話す首藤葵さん。
「ほんとはな、昨日の夜はあんま眠れんかったっちゃ……」
「実家のほうだと、テレビに出たりして、人気者ち思っちょったけど、こっちだとぜーんぜん」
「そんなあたしが、大分代表っち言われるけん」
「そう考えちょったら緊張してもうて……」
確かに、これ、初仕事なんですよね。
初仕事で『大分』の看板を背負うのは、なかなかハードルが高い。
しかし、『料亭の宣伝』を掲げているのだから『地域代表アイドル』という第一印象の初仕事は、良手というか、定石のようにも思えます。
大変だけど頑張らないと、と不安になっている自分を必死で励ます首藤さんですが、「そういうことなら大丈夫だよ」と言うP。
「レッスンを重ねて、葵は成長したから大丈夫だ」
熱い手の平返しが炸裂!
首藤葵さん、Pの言葉に感激します。
「そ、そんな風に思ってくれてたん……!」
「えへへ、最初はあーんなにキビシかったんに」
首藤さんの緊張が緩んだ様子が伝わってきます。可愛らしい。
(やっぱり首藤さん目線でもあのレッスンは『厳しい』の認識だったんだ……)
「あたしも覚悟決めんとプロデューサーに失礼っちゃ!」
少年漫画的な構文なのに、やってることは少女漫画的というか、なんというか、この感想では伝えきれないのですが、首藤さん、良いですね。
「今日のあたしは大分の看板娘、アイドルやけんね!」
今更ながら、『看板娘』が大きなキーワードですね。
『看板』を背負うための修行をこなし、『看板』の宣伝のために身を尽くし、背負いきれないほど大きな『看板』に重圧を感じる。
舞台はテレビ撮影の現場に移ります。
「こんにちはー、首藤葵です!えーらしいなんて言われよると照れるけど、しらしんけん頑張りますっ!よろしくお願いしまーす!」
すごい、大分弁を知らない人からするとよく分からない文になってる……方言らしい方言は「えーらしい」と「しらしんけん」しかないのに。
収録も大成功に終わったようです。
「あたしのことをしっかりと仕込んでくれたプロデューサーのおかげやね!」
「料理は味付けだけやない、丁寧な仕込みこそ美味しくするためには重要やけん」
「今日は副菜やったけど、いつかは主菜……自分の番組持てたらいいな!」
「そしたらうちの料亭にスポンサーやってもらお!」
振り返ると、Pは初レッスン (コミュ2) からキッチリと仕込みをしていたこと、その仕込みが初仕事 (コミュ4) でしっかり機能したこと、仕込みのおかげで、番組でも大分の看板娘という首藤葵さんの味が活きた、ということが分かります。コミュ1からそういう設定でしたが、このPは本当に有能だなぁ。
そして、首藤さんには、『お店の宣伝』という目的に加え、『自分の番組を持つ』という新たな目標もできました (これもPの計算通りだったのなら、なんてやつだ……)。
『料亭を支えるためのアイドルになる』という意識が、『料亭にも支えてもらえるアイドルになる』という意識に変わったのは、とても面白いですね。
ちょっとした感想
面白いコミュでしたー。コミュ2が伏線になるのはいつものことですが、コミュ4での回収が綺麗で。そしてPが有能。Pがちょっと率直すぎるキャラクター性でしたが、そんなPと、看板であろうとする首藤さんのコンビは見事ですね。
コミュをよく読む前は、首藤さんの印象は『方言娘、料亭の娘』という感じだったのですが、現在の印象は『看板娘』になりました。
看板を背負うことの意味、重さを理解していて、背負うための修行をし、看板を目立たせるために身を尽くす姿には感服させられました。
余談ですが、看板娘というと、個人的には桃井あずき (筆者の担当) が想起されます。されるのですが……同じ看板娘とは思えない!とても面白い。
首藤葵さん、桃井あずき、塩見周子さんの、スタンスばらばら看板娘たちで会話してもらいたいものです。
料亭の娘として、背負うものを背負って、でも年相応に元気で明るい。
可愛らしいパッションの子でした。今後の活躍が楽しみです。
以上です。ここまでお読みくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。