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生き方を見つめ直す時

「私の人生は今後発展することがないことは自分でも分かってる。だから私は、残り少しの時間を苦しまず自然に逝きたい」

ある患者さんが私にポツリと話してくれたこと。

自分が人生で頑張ってきたこと、大切にしてきたことができなくなる。それは生きがいや生きる希望の喪失というスピリチュアルペインとして、大きな苦しみとなります。

普段生活していて自分の生きがいに気づいている人はどれ位いるんでしょう。


がん患者さんはよく、病気になって自分の生き方を見つめ直すと言います。

がんになって自分を見つめ直す。人生を見つめ直す。
自分が自分でなくなる…
何があれば自分で、何が無くなると自分でなくなるのか。
家族、友人、仕事、趣味、遊び。

いつまでも続く自問自答の中で、人それぞれ見つける答えは違うかもしれません。
でもその答えはがんだから見つけられるのではなく、今を生きている私たちこそ必死で探して見つけなければならない。

それがこの患者さんから教わったことです。

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