どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード

さて、そろそろ東京にこにこちゃん「どッきん☆どッきん☆メモリアルパレード」について語ろう。

単刀直入に言えば傑作だろう。これは間違いない。地蔵中毒、パブロ学級とコラボした「両頬ペチンペチン謝肉祭」で上演した短編作品を長編にした本作は初演よりさらに良くなっている。元々萩田という脚本家の性質上、初演と再演では内容をかなり変えてくる傾向にあり、どちらかといえば初演の方が評価されることがほとんどだが、今作では見事に初演を超えてみせた。マジ拍手。

とはいえ初演の台本を改訂しているため、オミットされた部分も多く存在し、それは観客側の脳内補完に任される。というか萩田の台本は多くが観客の脳内補完に頼る事が多いが、それは萩田の無意識の執筆と時間制限によるテキレジの影響が大きい。まぁそんな事はどうでもいいか。

例えば初演でバグは「自分の存在に意味を見出せずバグの癖に仲間意識のせいでゲームを壊せもせず仕方なくローディングを担当していた」という背景が描かれており、ラストで主人公の為に初めてバグとしての役目を果たすというカタルシスに繋がっていたが、今回はそこがオミットされており完全に観客の脳内補完に頼ることとなった。「バグって意味ないからね」というセリフはその名残だろう。

しかしまぁそんな事はどうでもいい。意味もなくダラダラと解説を書いちまった。しかし考察したくなるくらい良い作品だ。

まずはてっぺい、四柳、鳥島の3人は見事にノイズの仕事をこなしていた。笑ったよ。なんだてっぺいの声は、あんなもの兵器じゃないか。喋れば面白いな、コイツ。最も人間らしい猿。

四柳、笑いはお手のものってか?なんなんだあの柴田恭兵は。関係ないねって、本当に物語に関係ないじゃないか。良い話してるっぽいのに何も入ってこないよ。召喚されるなよ、何が夢遊病だよ。クソ笑ったわ。

鳥島明、はえぎわかぁ、面白いなぁ。サイコパス味が強いんだよ。笑ってんのに怖いんだよ。感情失ったのかよ。顔かな?声かな?何が面白いのか分からないとかも怖えよぉ。やめてくれよ。好きなんだよそういうの。マジで半端なく良い役者だなぁ。

それからヒロイン陣な。

新山は完全に控え目キャラなのに急に差し込んでくるボケがあるから怖いんだよ。地雷みたいなボケの設置の仕方で、不意に笑っちまうよ。なんでそんなもの噛んだんだろ、じゃないんだよ。

ほこてんも良いねぇ。上手いのか下手なのかハッキリ分からないとこがよりおもしれぇよ。舞台上であんなにハッキリと擬音を発したのって演劇界初じゃないの?ドッカーンって文字が浮かんで見えたよ。

あと宝保か。久々ににこにこちゃんでみた気がするな。ともすればマジで怖い奴になっちゃうんだけど、演技と演出で見事にコミカルに描けたな。あと普通に可愛いのな。ちょっと恋しそうになったわ。これがギャップ萌えか。違うか。

それから矢野な。化け物が3体に分身しやがったよ。根もアホなのかなって最近思い始めてるんだけどどうなんだろ?あ、魚だぁ!とかアンタも助平だねぇとか、ヤバいわ。真性のアホとエロいアホの行き来が見事だよな。感動。

青柳。低く入って行って、急上昇させるアッパーがもはや芸術の域に達してんね。やめなー!じゃないよ。そこをテンションのピークに持ってくなよ。そんな芝居させんのもにこにこちゃんだけだし、そんな芝居すんのも青柳だけよ。

赤猫座な。あぁ表じゃぶりっ子なのに裏じゃ性悪なキャラでさ。スキップされてうわー!ってはけてくの見事なオチじゃないの。あ、そんな声急に出されたら笑っちまいますわって大ウケ。いいよね。普通に可愛いのにね。ちこ虐っつーの?こういうの。

主軸を担った釜口と踊り子あり。

釜口の童貞臭さとジャブみたいなツッコミはまぁ見事だよね。感情移入しやすい演技でマジ助かるし、ちょうど思ってた事言ってくれるから良いよね。愛されキャラってやつかな。

踊り子ありはまたはえぎわよ。多分コミカルな役に振るのが正しい使い方なのかもしれんけど、良かったなぁ。コメディが強い役者って哀愁の出し方も上手いからハマってたよね。

それからスタッフワークも見事だよな。映像、音響、照明、あと幕かな?にこにこちゃんはスタッフワークが良ければ良いほど、映える作品だもんな。つーかキッカケ幾つあんのよ。帝国劇場だとでも思っとんけ?

映像や音響、照明がいいからこそラストの人力の桜吹雪や回転台が感動するんだよな。仮想現実から現実に戻る。デジタルからアナログっていう上手い構図だよね。え、そこまで考えて作ってるよな?萩田だから少し不安になってきた。たまたまできたのかもしれん。

OP映像良かったね。あれだけで世界観伝わるもんね。Q本かよの歌声も良かった。かわいいーってなった。ねぇ、大好きだよ。だって。ニヤけちゃうよな。

そういや前説無かったな。無くても全然良いな。あっても良いけど、万人ウケはしないもんな。悲しいな。でもダイハードみてぇな尾形は前説みたいなもんか。でも萩田が前説やんのはやめた方がいいな。ぐだぐだで大切な事伝わらねぇから。

単独初の下北沢、高評価のツイート、長年やってやっと売れかけてきてんな、東京にこにこちゃん。頑張れ。でも無理はすんな。たまには萩田の好き勝手やれ。

良かった。大傑作。言う事なし。とか言っていっぱい書いちゃった。全キャラに恋しそうになるし、全スタッフワークに目を見張った。観劇ファンじゃないけど観劇ファンになりそうだわ。ならないけど。

完璧。最高。愛してる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?