東京にこにこちゃん上映会
前回東京にこにこちゃん「ラストダンスが悲しいのはイヤッッ」についての感想を書いて半年以上が経った。その間一切noteなんて書かずにいたが、現在その公演の動画が期間限定公開されているので、今一度この公演の感想を書こうと思う。
舞台演劇を映像で観ることに拒否感をしめす人間は少なくないと思うが、このコロナ渦において舞台演劇もオンラインで上映するという形式が増えた様に感じる。
改めて映像で舞台を観てみると、客席で観ている以上に「客観性」を持って観る事ができる。それは恐らく、良くも悪くも会場の空気に自分の感性が左右されないからだろう。
そうなると客席では見えなかった色々な物が見えてくる。AVを見るのと実際にセックスするのが違うようなものだ。いや、そういう事じゃないか。
しかし役者達は演技がうまい。萩田の演出は観客が笑うか笑わないかギリギリの綱渡りを役者に強要するわけだが、これをうまい事役者達は切り抜ける。
それに味をしめた萩田はどんどん役者達に無茶を要求していく。役者達はその要求をうまくのりこえ、そしてあのラストダンスに繋がっていく。
しかしまぁ、スベってるところもやはりある。けれど全シーンで笑いが取れちゃったらにこにこちゃんの魅力なんてなくなっちゃうんだからそれで良いと思う。
とにかく傑作だから是非とも色々な人に観てほしい。観る価値のある作品だと俺は思う。
あ、そういえば前回全くほこてんについて触れなかったから触れておく。
ほこてんってキレイな顔してると思うのよ。でもさ、どうも違和感ある顔だなってずっと思ってたの。
目なんだよね。目が常人のそれじゃないのよ。キマってる目をしてんの。ドーパミンだのアドレナリンだの脳内でドッバドバに出てる目をしてらっしゃるでしょ?あの目はね、いないよなかなか、うん。
で、そんな目してんだからパワープレーの飛び道具だと思ってると、これまたそうじゃない。今回のほこてんはひと味違ったね。
そういう役者の底力を引き出すというか、役者が底力を引き出さざるを得ない状況を作るというのか、とにかくそういう演出をするのが萩田であり、東京にこにこちゃんなんだよね。
長々と書いたけど、この文章以上ににこにこちゃんが評価されるまでの時間ってのは長かったんだよな。これまでどれほどコキおろされたことか。いやぁ感慨深いね、こりゃ。
それからね、萩田さん?
尾形を大切にしなさいよ?あれ程ににこにこちゃんを体現してるタフな男はいないからね。たった二人のにこにこちゃん、お互いを思いやりなさいよ。
前説を見てると、オペラの「道化師」をなぜか思い出すよ。
絶対に観るんだぜ?金曜日、金曜日までだから。
ラストダンスが悲しいのはイヤッッ動画↓