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現代の人魚姫は何を詩ったのか

今回は推しのジェムカンことGEMS COMPANYの水科葵(みずしー)オリジナルソロ曲が公開されたということで、感想と解釈を書いていきたいと思います。

「メロウ」

作編曲はジェムカン楽曲でお馴染みMONACAの瀬尾祥太郎さん。
作詞は本人である水科葵が務める。

タイトルからまずは紐解いていく。

メロウ

mellow:「柔らかな」「豊かな」「甘美な」
merrow:人魚姫

メロウは大きく分けて、この2つの意味合いを含んでいる。
前者のmellowはこと音楽で言えば、柔らかく癒やされるような音楽・歌声を意味している。後者のmerrowはそのまま人魚姫として今回解釈するので置いておく。

人魚姫と、水科葵

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さて、前提として。
水科葵はGEMS COMPANYに所属する為、歌で活動することを夢見て大阪から上京してきた少女だ。地元を離れ、夢をみて知り合いも少ない東京へ出てきた。
彼女は音楽に関してとても真摯で、普段の弾き語り配信やcoverでも曲を自分の中に落とし込んで、解釈をして大事に歌っている印象だ。

メロウの意味の人魚姫、この物語は海の底と地上の隔たれた2つの世界があり、地上の王子に恋い焦がれた人魚姫は美しい声と引き換えに二本の足を得るが、王子に愛を貰えなければ泡となって消えてしまう呪いを受ける。という物語だ。

人魚姫の物語と、メロウの水科葵の物語はどこか重なるところがあると思う。きっと、その様に意識して書いたのだと思う。

はじまる「メロウ」

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ようやく、歌詞の解釈に入ります。
響くピアノの音と泡の音から始まる癒やされる雰囲気のこの曲。
1番の歌詞を聞いて、想った。

これ、一人の少女が水科葵になった話だ。って

それを人魚姫の物語と重ねて書いて、おとぎ話を読む様に静かに、幻想的に歌っていた。

少しずつ解釈をしていくと、少女の世界と海の底が重なり、アイドルとなった水科葵の世界と地上の世界が重なる。

少し暗い日々と、暗い海の底。
夢を追う世界と、明るい地上の世界。

何が待っているのか、ワクワクする気持ち、憧れ。これも人魚姫が早く地上に行きたいという想いと重なる。

水科葵は、何に恋い焦がれて何と引き換えに世界を渡ったのか?
これはきっと、歌でステージに立つこと。沢山の人に歌声を届けることに憧れて、地元での生活や今までの日常と引き換えに東京へ来たことだ。


そしてサビの印象的なフレーズ

銀色世界 広がっていく

海の底や今までを暗いとするならば、銀色世界は眩しいような明るいイメージ。白と黒の様な比喩だと感じた。
それが、広がっていく
感じたことのないこと、知らなかったこと、見たことないもの。沢山感じて知って見て、広がっていくイメージだ。

この時点でボロ泣きだったので何度も聞き直しているのですが、続くフレーズも素敵だ。

響き渡れ 歌声あなたのもとに

みずしーは度々歌声をもっと届けたいと話していた。
このフレーズはきっとその事だと思って。

続くサビ終わり。

夢が紡ぐおとぎ話 1ページめくり はじまる「メロウ」』

人魚姫のような、水科葵の物語。
その本を1ページめくり、ここから彼女の、人魚姫の物語がはじまる。って思った。

泡となって溶けてしまうその前に

ここから2番の解釈に入る…前に。
2番を解釈する上で、以前私はみずしーが歌った「いのち/AZKi cover」という曲。これはVtuberのいのちについて語った曲だが、彼女は自身が活動をする上での「いのち」を表現したと解釈した。
暇があれば読んでからの方が分かるかも知れないです。

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1番は水科葵になった話なら、2番はその後の話だと感じた。
歌い方も少し熱が入り、1番より心なしか力強く、今の水科葵の歌声に近づいている気がする。
もう遠く霞みゆく視線の先ではない、""があるのかが見えている。
ひとりぼっちはなれっこだと滲んだ声を海にそっと伏せた少女は、そんな殻を捨てて希望の先へ飛び込んでいく。

その次のフレーズ

降りるはずのない雨に打たれて

これはきっと、海の底には降りるはずのない雨に地上に出て初めて打たれることと、明るい世界も明るいことだけではないことを重ねている。

魔法の言葉を 思い出して唱えたら

みずしーは東京に、明るい世界に出てくる決心をしたとき。きっと何か魔法の言葉を見つけたんだと思う。
それを唱えれば、あの頃の未来へワクワクした気持ちを思い出して先へ進んでいけるような歌詞だ。

この場所から 限りなく愛を伝えるよ

『響き渡れ 歌声あなたのもとに』と願った少女が、この場所から限りなく愛を伝えるよ、と。この場所は、きっとステージの上であったり、アーティストとしての世界だ。

そして、見出しにしたこのフレーズ

泡となって溶けてしまうその前に

アイドル、シンガー。シビアだけれど音楽で成功をする人達は本当に一握りだ。もっともっと歌声を届けたくても、いつか誰かに忘れられてしまった時、愛を貰えなくなった時、彼女は泡になって消えてしまう日がやってくる。

水科葵としてのいつか。それを以前表現した「いのち/AZKi cover」があって、ようやくこの歌詞を飲み込めた。

『夢が紡ぐおとぎ話 1ページ廻り
刻むよ「メロウ」』

溶けてしまうその前に、1ページ廻り 刻む
めくらずに廻る。これは今現在進行系で、開いたページにおとぎ話を刻んでいるんだと思った。

『響き渡れ ときめきあなたのもとに
夢が紡ぐおとぎ話 1ページめくる
明日への「メロウ」』

ときめきは、期待で胸が高鳴ったりドキドキしたり、そんな言葉だ。
これは一番の歌詞の心境にも重なる。
もしも一人の少女が、音楽に救われて、音楽にときめいて世界を渡る事を選んだとして。
そんな少女が今ステージの上からそんなときめきを、またどこかのあなたへ届けようと歌うのなら
もしそうだったら、素敵なお話じゃないですか?

最後は、1ページめくる 明日への「メロウ」
1番サビは過去から現在へ、2番サビは現在、そしてラスサビは明日へ。つまり未来へ向かっておとぎ話の本を1ページめくる。
過去から現在へ変わる時にもめくったページ、まだまだここからなんだって彼女の意志が見えた。

最後に

最後に、ということで少し感想を入れます。

1番は特にミュージカルでしっとりと歌われる曲にありそうというか、そんな静かな雰囲気で歌われて、徐々に声に色が付くというか、力強く彼女本来の歌声に近付いていくのが本当に良い。
曲としても明るく楽しく盛り上がっていくのが素敵な曲だと思います。瀬尾さんありがとう、みずしーありがとう。

特に一番の好きポイントを言うなら「未来へ溢れ出すこの気持ち」の歌声が、徐々に小さくなってからグッと大きくなる歌い方です。サビ前なのでめちゃめちゃ鳥肌が立ちました。


一人の少女から水科葵になった彼女は、今年活動を始めて2年を迎える。
ソロ曲が出て、まだまだこれからだ。
ジェムカンとしても水科葵としても、ずっとずっと先へ進んでいってくれると信じているし、グループとしても、一人のアーティストとしても応援している。


ここまでお読み頂きありがとうございました。
一人のオタクの解釈と感想なので、お目溢し頂けると幸いです。
とりあえず解釈だけ読みましたって方は、是非一度聞いてみてください。

またnoteを書く時に、良ければ読んで貰えると嬉しいです。


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すいま
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