
ヤスリは特性を知って使い分ける

共通テストが今日からということですが、受験生の皆さんにはひとつベストを尽くして頂きたいなと思います。
受験するご本人たちは恐らくとても「がんばっている」ので、そこへさらに「がんばれ」というのはどうやら押し付けがましく聞こえるらしいんですけど、そんなの受け取る側の気持ち次第、タイミングであるとか、言い方次第じゃないかって思ったりします。
というか、これまでの人生で色々失敗(受験も含め)してすったもんだ(死語)してきた自分的には、「たかが受験」と思ってすんなりやり過ごして大丈夫だよ、って伝えたい。受験よりもっと恐ろしい修羅場が人生には沢山あります。言いたいのは、仮に失敗してもやり直しの利かない失敗はそんなにないよ、ということです。
というわけで今回はバラバラにしたプラモデルのパーツを、可能な限り元に戻したい!編。
◆まずは隙間を埋める

前回、普通の接着剤で接着したZガンダムの胸パーツ、接着部が乾燥したら部分的にヤスリで削ってみます。使うのはGUNPRIMER - サンドループ フラット 2枚入(#400)です。
サンドループフラットは、実際の番手は表示の番手より目が細かく、かつ研磨力が高いうえ、長持ちするのがメリット。400番程度の初期の表面処理向けの番手でも、600番くらいに感じます。ただし、最終処理まではできません。
その後、接着漏れした隙間をランナーパテで埋めます。同色のランナーを1~2mmほど薄く切り刻み塗料皿に入れ、そこにウォッシュシンナーを2、3滴ほど垂らして15分ほど溶かしてランナーパテを作成。
以前のnoteで接着剤ボトルに入れて溶かして作ってましたが、ちょっともったいないのでこの手法に切り替えました。塗料皿は錆びたりして使えなくなったもので十分で、あまりたくさん作らず、ランナー1~1.5cm分くらいにしておくことをお勧めします。

ランナーパテをあまり盛りますと、シンナーの揮発によって気泡ができますし、なかなか固まらなくなります。よく溶かしてから隙間に薄く延ばす程度で使用するのがベストなので、あまり大量に作る必要はありません。
◆様々な研磨剤を使い分けると近道が見える
改めてこの後は今回、シモムラアレック - シャインブレード6 (ステンレス製ヤスリ)を使用して処理。
シャインブレードシリーズは表面と裏面で番手が異なります。
細かい方が1000番単目なので、できるだけ表面に傷をつけないようにしてゴリゴリ削りたい時はこれを使います。さらに研磨力が高いのがシモムラアレック - シャインブレード ウルトマ(ステンレス製ヤスリ)ですが、とにかく削れ過ぎて力の入れ方が難しく、今回のようにミリ単位ですり合わせする作業が多いキットにはあまり向いてません。
削れりゃいいってわけじゃないのが難しいところ。並行して細部におすすめなのは魚地球印 - 精密薄平ヤスリ(油目 #6 )。非常に細かいうえ、極薄です。
因みにこれは複目ヤスリといって、先程のシャインブレードの番手の低い面のように目がクロスして入っています。通常、研磨力は高いですが、表面に傷がつきやすいので最終的な表面処理にはあまり向いてません。
単目のヤスリは最近模型用品メーカー各社からよく出るようになりましたが、色々使ってみて結局、シャインブレードシリーズの単目が一番強力で綺麗に処理でき、且つメンテナンス性、寿命の長さで最もレベルが高いと感じます。

今回は細部に魚地球印 - 精密薄平を使用しましたが、そのあとは三角にカットしたDSPIAE - セミハードスティックヤスリ(#1200)を使用して処理。
こちら、ものすごく研磨力が高いわけではないですが、寿命も非常に長く綺麗に処理できるので、細部向けの高番手を特にお勧めします。
◆目標達成は適所適材から

このように様々な研磨剤を使い分けて、ここまで来ました。
最後にGUNPRIMER - BALANCER GRAY(バランサー グレイ)3個セット、GUNPRIMER - BALANCER WHITE(バランサー ホワイト)3個セットの順で最終処理を行って完了です。

完璧とまではまだいきませんが、あれだけつぎはぎだらけだった状態からかなりリカバリしました。左右のセンサーを接着してませんので、その部位はまだ思いっきり白く残ってますね。
因みにダクト下のスタビライザーは小さかったので、ランナータグを使って作り直して接着しています。
というわけで今回ものすごい数のヤスリを使いましたが、お手元に「これ使えないなぁ」というヤスリありませんか?
そんなヤスリも、使い処を変えてみると思ったよりいい仕事をしてくれることもあります。まずはその特性をよく知ってみると、ツールへの新しい気付きがあるかもです。
さてなんとか胸カバーは形になりました。しかしZガンダムはここからが本番。全体のバランスを見つつ、冒頭の話じゃないですが、ここは頑張って作業を続けてみましょう。