似せる試行錯誤と高性能スポンジヤスリを使う理由
アニメキャラにそっくりなフィギュアを作れる方って本当にすごい。
そっくりというか、そもそも二次元キャラを三次元化してるのだから、そっくりではなく「違和感なく」という方が正確か。
自分はとにかく、既存のキャラに似せて作るのが本当に下手です。
参考にするものが無いオリジナルの方が作りやすいタイプなんですが、新劇場版アスカは特に難しいんじゃないでしょうか。
さて、今回は以前きちんと書かずに進んでいるアスカについて書いておきます。
ご存知かもしれませんが、ヱヴァQのアスカは、映画冒頭ではつぎはぎだらけのプラグスーツを着用しています。アスカのフィギュアといえば、無数にリリースされているはずなんですが、映画冒頭仕様のつぎはぎフィギュアは実はあまりありません。
資料としてのエヴァQのパンフレットは持っていたんですが、今回作成するにあたって、やはり参考になる立体がある方が楽(オイ)なので、メルカリでアスカのエヴァQつぎはぎプラグスーツフィギュアを探して手配してみました。
顔を似せていくための観察作業
ちなみにリリースされているアスカのフィギュアは、こういう笑顔で明るい表情のものが多いのに対し、新劇場版の中のアスカは全く笑っていませんよね。
むしろ怒っていたり不機嫌でドライな表情がほとんどなので、冒頭から唄って笑いながら登場するマリの方がなんとなく親近感が湧きます。それくらいアスカはこれまでのエヴァンゲリオンで観てきたアスカとは印象が違います。
入手したプライズのつぎはぎフィギュアも明るくあどけない表情なんですが、今回「まるで鬼軍曹」な眼帯アスカを立体化するにあたり、顔だけは別のフィギュアの画像を見たり、動画をキャプチャーして穴が開くほど見るなどしないといけません(私は、です)。
今回のイメージ通りで、非常に参考になる表情がこちらのアスカ。(画像は公式から拝借しております)
これです。この顔です。上手い、上手すぎる。
・・・これと画面を交互にらめっこしながら、自分の作っている顔を描いていきますよ。
貞本氏の描くキャラの特徴が再現できてない(顎とか)。
因みにこの段階での各部の研磨は、ほぼGUNPRIMERサンドループフレックス(#200、♯400)を使用します。
このサンドループフレックスの低番手は荒そうに見えますが、研磨力が高いのに傷がつきにくいおすすめのスポンジヤスリです。
今はマジックスカルプのようなパテはもちろん、プラの曲面処理にもほぼこれを使用しています。
特に造形の初期作業は低番手のヤスリの場合、ほとんどが傷だらけになりますが、このスポンジヤスリは基本構造がしっかりしており、目詰まり、寿命、どれをとってもこれまで使用したどのスポンジヤスリよりもハイスペックです。その理屈がこちら↓
「砥粒面が揃っているので、削る対象に傷がつきにくい」→「サフを繰り返し吹く必要がなくなる」 → 「作業効率向上」という作業サイクルになり、その結果スピードアップを実現し、おかげさまで非常に好評です。
サンドループフレックスはまだ一般流通していないシリーズですが、こちらも2024年春までには一般流通の予定です。
さて肝心の作業。
このかなり幼い印象の丸顔をイメチェンしてますので、まだまだイメージのすり合わせが必要です。
とにかくキャラクターに似せる作業は大変ですけど、この段階で完成を焦ると、どれだけシートの方でがんばっても挽回できなくなりそうなので、トライ&エラーを繰り返し、何度も画像を撮って見ては削ります。
顔だけじゃなく、髪もまた弄らないといけない感じになってきました 笑
・・・何度でも何度でも直しましょう!でもこれが楽しい。
とにかくこの段階は、まったりゆっくりと。焦らずエントリープラグシートと同時に作りながら進めてまいりましょうね。