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恋愛小説を観た。
■ひとりで「きみの色」という映画を観に行きました。
あの「けいおん!」の山田尚子監督、さらに脚本には山田監督とのタッグで「聲の形」「平家物語」など数多くの名作を共に生んだ吉田玲子氏。
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音楽がこれまた私の大好きな牛尾憲輔氏という、もう観ないわけにはいかない黄金スタッフ陣の放つ絶対観なさいなアニメーション映画でございます。
ちょい脇にそれますが、私、山田監督の作品では、「けいおん!」はもちろん大好き(前に書いた気がする)なんですが、実は先にも挙げた「平家物語」という作品が一番好きで。
作品としては地味と言われがちですが、この「平家物語」、最終話がまさしく神回なんです。音と映像がすごいんです。未見の方はぜひサブスクで探してみて下さい。
■もしひとことで言っていいなら「恋愛小説」でした。
さて「きみの色」、若者3人の不思議な縁で始まるバンド活動がストーリーの主軸なんですが、やさしいストーリーの中に、色んな考えさせられる要素がキラキラと宝石箱のように詰まっていて、ボキャ貧な自分にはもはや言葉にできない色とりどりの花が咲きました(?)
ひとことで言うなら「恋愛小説」。
個人的には青春&恋愛小説は苦手で、まず読まない人間なんですが、この作品はそんな苦手な「恋愛小説」なのに、すっと心に入ってきて、いつの間にかワクワクしながら読んでいる。ページをめくらずにはいられない、そんな気分にさせられる作品でした。
■誰でも好きなことを好きといっていい。
本当に好きなものを好きと言えたりするのは、意外に大人になっても難しいかもしれません。最近は特に、ネットやSNSの影響もあってバズってることが大事な時代になっちゃったので、自分が少数派だ、と思われることに抵抗を持つ方も多いのではないでしょうか。
好きと言いたくても、そんな風に勇気がなかったり、周りに流されてしまって言えなかったりする。
いつの時代の若者も、そんな胸の中の劣等感や軋轢や葛藤を抱えていて、そんなもやもやした心の内や、殻を破ることの大切さを、独特のタッチと音楽で見事な一冊の「恋愛小説」にした、そんな気がします。
ずっと劇場に居て観て聴いていたかったです。私のようにどこにも行かない連休を過ごしている方は、ちょっとでいいのでご参考になさってください。
私はおじさんですけど、劇場で一人で夢中で観てました。好きなら一人で観に行ってもいいんです。そんなわけで水金地火木土天アーメン。
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