幅詰め作業をやってみましょう(超応用編)
◆スクラップ&ビルド
その昔、モノを壊すことが大好きな当時のガンプラ第一世代の子供たち(現在50代~60代)は、ガンプラをライターで炙ったり、コンロで熱した鉄櫛で突き刺して破壊することを日常の遊びとしていました。ザクは格好の破壊の対象。ずいぶん雑な遊び方をしていたもんです。
もちろんガンプラに限らず、ラジオだとか機械をばらして組み立て直すという暇つぶしは割と同世代の方には共感を頂けるんですが、最近の子供たちは色々モノが高騰してしまったがために、「壊して遊ぶ」ことができないと聞きましたが、そりゃそうですよね。高いおもちゃが多すぎる。ちょっと気の毒な気がします。
でも、バラバラにすることでその仕組みを理解して、組み立て直すことで創作の考え方を培った人は、むしろその過程にこそ楽しみの本質があると感じるのではないか。
そんなわけで今回は、1/100Zガンダム変形の要となる、胸部と背中の幅詰めを行って、次の作業につなげていきましょう。
◆変形で生じる隙間をギリギリで攻めろ
まず変形の仕組みなんですが、下の画像のようにエレベーターに乗った頭部が腹部まで下がり、続いて胸のカバーがボンネットが開くように上に向かって開きます。
空いたスペースに腕の付け根が観音開きの扉のようにパタンと内側に倒れて腕全体を収納するというもの。因みに腹は左右がそれぞれ内側にスライドして小さくなります。
つまり胸を小さくするということは、同時に腕を収納する隙間も考えて作業する必要があるということです。
胸と腕と頭を同時に幅詰めするなんて作業は絶対したくないので、収納時の隙間を可能な限りギリギリで詰めていくことにします。
各部を色々と図った結果、まず横幅(肩幅)は左右それぞれ11mm残してそれ以外を詰めることにします。
ここからは前回使用したドラパス - 独式小型スプリングコンパスシャープ(0.3mmシャープ付)を使用して幅を正確に計測して、作業を行います。
◆カットするラインを決定したら
パーツ自体をカットする作業には、一番楽なのはエコーテック - 超音波カッター ZO-30プラIIですが、もちろん鋸だけでも十分できますし、その方が正確かもしれません。
ノコの場合は、前回の足と同じPRO-Sで大丈夫です。
段差や干渉部品(ダボなど)が無い箇所かどうか確認しつつ、ラインを決めて細いマスキングテープを貼り、ノコや超音波カッターのカットがずれにくくなるようにします。
◆胸のカットラインは恐ろしい
さあいよいよ胸です。
背中と要領は一緒で、中央のブロックの幅と、左右両幅11mmを残して不要な部位を切るんですが、あとでリカバリしやすい箇所を選ぶのも大事な作業です。
胸カバーはボンネットのように開く仕組みの部品を設置するダボがあるので、そこは避けて上の画像のようにカットするラインを決めてカット(センサー部は金属ヤスリなどで先に削り落とします)。
因みに幅詰めと同時に長さも詰めてますが、これはあまり深く考えなくても大丈夫で、割と適当です 笑
そしてバラバラにした後は、部品同士のすり合わせをおこないつつ、接着です。
接着には流し込みではなく、ガッチガチに接着できるこちらを使用します。
というわけでちょっと長くなりましたが超応用編でした。次はこのつぎはぎだらけの状態をどうやって綺麗な状態に戻すのかというのをやってみましょう。リカバリ作業こそスクラップ&ビルドの醍醐味です。