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旧キット改造の極意
本日は二十四節季「冬至」ということですが、いよいよ本格的な寒さが襲ってきます。夏は地獄の暑さ、冬は激寒とは実に過ごしにくくなったなと思いますよね。じゃこんな日は、そう家で模型でもやりましょうそうしよう。
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◆極意は無いけど
いきなりタイトル裏切ってきますが、キットによってやることはまちまちですし、改造しなくても十分なキットも沢山あります。だからまぁそんなものあるわけがないんです。もし極意があるとしたら、「まず作ってじっくり見つめること」なんじゃないでしょうか。じっくり見つめていると、やらなくていい改造が見えてきます。
そして一つ一つやるべきことが見えてくるまで見つめたら、次は課題の可視化です。やらなくていいことは極力やらない、省エネとても大事です。
というわけでここからは課題を可視化する作業。
◆頭部
それにしても、パッと見た感じこのZガンダム、いい顔してますね。
というか、なんで頭だけサフ吹いてスミ入れまでしてあるのかというと、かなり以前に新しく仕入れた溶剤のサンプルに使用したからです。なんとまぁ、雑な扱いでしょうか。バチが当たりますね。
ちなみに私はこれまで旧キット以外のZガンダムを作ったことが無いので、最近のキットのZガンダムの顔がどうなのか、実は良く分かってないんですが、これはほとんど無改造でも行けるレベルじゃないでしょうか、個人的にはですが 笑
課題はブレードアンテナです。
長い方のアンテナの位置が上過ぎ(これはアンテナ基部の取り付け軸の都合と思われます)るのと、変形・頭部収納時の破損を防ぐため、素材がポリキャップと同じになっているので塗装できない点です。
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◆胴体
胴体は組んでみるとわかるんですが、やはり課題は(1)の肩幅が広い点です。
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ですが、前回のnoteで書いたとおり、この肩幅は腕全体を収納するための空間を確保するために必要な幅。
単純に肩幅を詰めるなら、画像の緑線の部位を詰めるだけで解決ですが、適当にカットすると変形できなくなります。狭くなった分は、変形時に腕ごと横スライドしたら問題ないんですが、そんな機構はおいそれとは作れません。肩幅と同時に胸のカバーも齟齬なく小さくしなくてはなりませんので、ここは良く考えて手を付けるべきポイントです。
この肩幅問題の他、(4)の股関節パーツもポーズが取れない点のポイントです。また(3)の腰のアーマーの固定軸の位置のせいで横、斜めに脚を開いたりできず、可動範囲が大幅に狭くなっています。
(2)のWR用の基部軸部分は、動くように改修しないとさすがにちょっと見栄えが悪いので改修すべきと思われます。
◆足
最後に足、この変形機構もある足は旧キット独特のサイズ感があるんですが、やはり幅を詰めると雰囲気がぐっと変わると思われます。
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変形機構は壊さず、幅を詰める必要はありますので、少し慎重なサイズ測定が必要ですが、脚全体としては非常にいい雰囲気なので、あまり幅詰めしすぎない程度にして他は無改造でも大丈夫かと思います。
◆「細分化」で改造は楽になる
今年読んだ本ですが、『「好き」を言語化する技術』という三宅香帆さんのベストセラーに「言語化というのは細分化すること」という、この作業と似た記述がありました。この細分化というのはあらゆる仕事に必要な作業で、ある意味仕事の極意とも言えます。(リンクは貼らないのでどうぞググってみてください)
ざっくり書きますと、本の中では、自分の「推し」について語るとき、その好きな理由を細分化することによって、自分の気持ちや言いたいことを細かく「可視化」することができ、その結果、自分だけの言葉で「好き」をうまく表現できるようになっていく、と書かれているわけですね。
仕事を例にすると、例えば仕事がデキる人はなんで仕事がデキるのかというと、単純にはこの細分化が上手いんです。
やるべきことを細分化してから、ポイントを押さえて効率的に作業するから、ぱっと見「仕事がデキる」んですね。それを私のような凡人は
「あぁ~この方は仕事がデキるなぁ」
なんてひとことで言語化しちゃう。
本の帯じゃないですが、どんな映画を観ても「あぁ~面白かった」しか出てこないタイプの人間です。
なんでこんな話を書くかというと、改造作業も、なんとなくほわっとしたイメージで手を付けるとうまくいかない可能性が高くて、上のように細分化してポイントを絞った作業を行えば、実はそれほど大変な作業じゃなくなることが多いんです。
逆に細分化の段階で時間をしっかりかけないと、作業があっちこっちへ迷走してまとまりがつかなくなります。
◆手を付け始めたら心がけること
切り刻み始めるまでしっかりと課題を細分化してポイントを絞り、実際に作業を始めることが決まったら、次は使う道具やマテリアルを細分化していきます。何を使っても同じなのではなく、改造ポイントに最適なツールを見つけるのも細分化作業に含まれるんです。
そんなわけで次からは実際に作業しつつ、使うツールを可視化していきましょう(なんだかやっとマテラボらしくなってきた)。