傾聴をする時の心構え1
前回のnoteでは、なぜ傾聴をするのか、その前提となる考え方についてお伝えしました。今回から、傾聴をする時に必要な心構えを3回に分けてお伝えします。
前回のnoteはこちら
人の”ありのまま”を受け入れる
1つ目の心構えは、話す相手のありのままを受け入れることです。これを無条件の肯定的配慮、又は、受容と言います。
どんな相手であっても、聴く側の価値観で評価せずに、その人を一個人の人間として尊重することが大切です。
でも、相手への思いやり、尊重することが大切だということは、昔から教えられてきましたよね。それなのに、傾聴がこの国に浸透していないのは、この尊重という言葉が漠然とし過ぎているからだと思います。なので、さらに具体的に、どういうところに気を付ければいいのかを、もっと知ってほしいと思います。
価値判断を保留する
相手を尊重するためには、その人の価値を決めないようにします。
普段、人の話を聴いていると「この人は○○な人だ」と良くも悪くも相手のことを判断することがあると思いますが、それはあくまで、聴いた人の価値観で決められた評価です。一方的に評価をしてしまうと、指導やアドバイスや励ましのような言葉を投げかけたくなって、途端に傾聴が難しくなります。
相手のありのままの考え方や行動を引き出せず、自己理解の機会を失ってしまうかもしれません。
結論を急がない
これは決して、指導やアドバイスすることが悪いということではありません。しかし、相手の気持ちや考え方を考慮せずに判断を急いでしまうと、反発・罪悪・恐怖といった意識が植えつけられる可能性が高いです。
このやり取りが続いてしまうと、何をするにも指導する人のことを意識してしまう一種の依存関係が生まれてしまい、自己成長の妨げになってしまいます。
親離れ・子離れできない家族関係、イエスマン社員を量産する企業、アイデアが出ず生産的な話し合いができない会議、こういった状態を生み出す原因になっているかもしれないですね。
“無知の姿勢”で聴く
結局どうすればいいの?って声が聴こえてきそうですね。(笑)
その人のありのままを引き出し受け入れるには、何も知らないつもりで聴く姿勢でいるのが良いです。どういう気持ちで発言したのか、何を考えて行動したのか、それを一番解かっているのはその人自身で、他人の思い込みで判断するのは早計です。
聴かせてもらう、教えてもらうという姿勢で相手の話に耳を傾けてみましょう。その人だけでなく、聴いたあなたも「こんな考え方もあるのか」と気付くことがあるかもしれませんよ。