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『素敵な彼女の作り方』の感想

噂の百合ゲー(?)『素敵な彼女の作り方』をプレイしました。
SNSやSteamレビューで不満不評のこのゲームですが(Steamで「ほぼ不評」とかそうそう見れないです)、一通りクリアしたので実際どうだったかレビューをしていきたいと思います。

結論を先に言ってしまうと、私はこれを百合ゲーとは呼べないです。


1.ゲームの概要(のようなもの)

DL販売主体の全年齢ADVゲームです。ただし公式サイトからDLできるパッチをあてるとR18シーンが見れるようになります。

【エンディング】全部で8つあり、そのうちの7つでそれぞれHシーンが見れる形となっています。ちなみに7つのHシーンは全て動きます

【プレイ時間】1つエンディングを見るのに1時間と少し。自力で全エンディングを見るのに2時間程でした。

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【ボイス】主人公とヒロインのみのフルボイスです。当然Hシーンもフルボイスです。

【Hシーン】一方的に襲うものが5つ、調教後の和姦(?)が1つ、一人のオナニーシーンが1つです。
道具
はバイブ、双頭バイブの使用があるので気になる方はご注意を。

【その他】Steam版では初期設定が中国語でした。CONFIGから日本語に設定しましょう。



<<<<以下ネタバレ注意>>>>









2.良かった点

申し訳程度ですが良かった点も挙げていきます。

1.安価で短い
Steamで1320円ととても安いです。そして2時間程でサクッと終わるので積むこともありません。
気軽にプレイできるという点は個人的に最近とても評価しています。

2.立ち絵
動きます。「Emote」というものらしいです。絵柄が可愛らしく表情のパターンも多いので見ていて楽しいです。

3.Hシーン
まずレズセックスが動くADVゲームは初めてじゃないでしょうか?とてもえっちで良かった思います。
ただし前述しましたがレズレイプと調教後の和姦(?)しかありません。純粋な甘々Hはないです。そいういうハードなのも好きだよ!という方であればこのHシーンだけはオススメできます。


3.悪かった点

1.主人公が過去に男から薬で調教を受けている

私は別に百合カプのどちらかに男性経験があろうとレイプされていようと最終的に当人達が幸せであれば気にしないタイプですし、昔に比べれば百合界隈も概ねそうであると思うのですが、今回に関しては発売前に以下のような公式のツイートがあったのが問題でした。

おそらく公式的には「男性とのHシーンはない」という意味での「絡みなし」だったのでしょう。しかしこれを信じてノーガードでいたところに重い一撃を食らった百合ゲーマーが不満を持ってしまうのは仕方のないことでしょう。

公式?広報担当?はもう少し表現に工夫が必要だったかと思います。

あと先ほどは気にしないと言ったのですがやっぱり薬漬け調教というのはギリギリで、私はギリセーフですが、ギリアウトな百合ゲーマーも多かったことでしょう。


2.物語として必要な説明が足りていない

まず「先生」の存在です。プレイヤーは何度か「先生」としてSNS上で主人公の相談に乗るのですが、最後まで正体が(性別も)謎のままです。なんだったら実在するのかさえ怪しいと思っています。
そのせいで印象的なラストの演出も意味が不明です。
※ここは考察不足の可能性もあるので後日再プレイするかもしれません

そして「主人公」の存在です。主人公は過去に男から薬で調教されたせいで病んでしまっており、その影響でヒロインとの数々のバッドエンドを引き起こすわけですが、その元凶についての説明が全くないまま終わります。具体的に何があったのかも分からないですし、その事件が解決しているのかも怪しいところで、それにその時の動画をスマホに残している理由も分かりません。
なので主人公の狂った行動に納得がいきません。

また主人公は大学生として普通に大学に通って講義にも出ており、そこでヒロインと出会うのですが、あるルートでヒロインは「大学に問い合わせたが主人公は在籍していなかった」と言います。この謎の説明もされません。

この作品の終盤は大体こんな感じなので、どのルートも「へぇ…ヤバいな。一体どういうことだろう?」という気持ちのまま置いていかれます。これではガバガバ設定だの終盤が雑だの言われても仕方ないかと…。


3.ハッピーエンドがない

私が「百合ゲーではない」と判断する一番致命的な理由です。
これに比べたら上の2項目は問題ですらないと言ってもいいです。

このゲーム、総プレイ2時間程度に対してルート分岐が多く、エンディングが8つもあるのですが全てバッドエンドです。死ぬか殺すか殺されるかで幕を閉じます。
そして途中まではメンヘラ女子と陽キャJDが良い感じに仲を深めていくのですが、結局どのルートでも2人は一度も結ばれないまま終わります(薬でラブラブになることはあります)。これではどこまで行っても「ノンケがレズにレイプ/調教される物語」であって百合ではないです。
※なお百合の定義は個人により云々

余談ですがトゥルーエンド(スタッフロールが流れるエンド)も結構悲惨で、主人公が好き勝手調教したヒロインから逃げ出し、新たに彼女を作っていくというものでした。
最初このルートを見たとき、終盤上手くまとめることが出来ず適当に終わらせたのかと思ったくらいです。タイトルを回収しているので多分これが制作の一番見せたかったことなのでしょうが。

とにかく後味の悪い話を作ることが目的のように見えるこの作品、どうやっても百合とは相性が良くないように思えます。


4.総じて

Emoteだったり動くHシーンだったりお手頃価格だったりと光るものはあるこの作品、
たとえ安っぽくても必要な説明ぶん投げててもCGもなくていいので、ただ2人がちゃんと結ばれるエンディングがあればそれだけでこの作品の評価は反転していたと思います。ルートの多さ・バッドエンドの多さも相まって達成感とかあったんじゃないでしょうか。本当に残念でした。

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