『こちら、母なる星より』の感想と攻略

なんと以前発売された百合ゲー『じんるいのみなさまへ』の続編が作られたということで、発売から3週間近くかかってしまっているのですが、クリアをしたのでレビューをしていきたいと思います。(遅れてしまって申し訳ないです)

今作は前作じんるいの悪い所(探索パート)が撤去され、完全にアドベンチャーパートのみとなっており、さらに百合度も2段階くらい上がっているという、かなり良い百合ゲーとなっていることを先に伝えておきます。
『夜、灯す』や『夜廻』シリーズといい日本一ソフトウェアは貴重な百合ゲーを作ってくれるメーカーなので助かりますね。

あと自分で調べても見つからなかったため、簡単な攻略情報も残しておきたいと思います。

なおネタバレに関してですが、今作はオススメするうえで避けられない内容のため、気になる方は2以降は読まないでください。

１．ゲームの概要(のようなもの)

PS4/NS にて発売されているADVゲームです。
少女たちが荒廃した世界でサバイバルをするというお話のゲームです。

【前作(じんるい)との関係】同じ世界でのお話となっており、前作から1年後くらいの時系列であるようです。
前作をプレイしていなくても問題なく楽しめます。

【システム】アドベンチャーゲームです。選択肢を選びながら登場人物たちの会話が展開されていきます。そういえば地の文とかも無く、テキストの99%がセリフとなっていました。
前作のジャンルは「ガールズアドベンチャー」、今作のジャンルは「百合アドベンチャー」となっています。そういうことです。
前作にあった探索パートはありません。(重要)

【プレイ時間】結構選択肢を戻ったりしながらほぼオートモードで進めて、15時間以上はかかったと思います。体感でもかなりボリュームがありました。
11章まであるのに、4章でOPが流れたりします。

【ボイス】メインのシナリオはフルボイスですが、テキスト量の25%くらいかな？サブのシナリオにはボイスの無いものもあります。
ちなみにこれに気を付けるとシナリオを見損ねることが無くなります。

【百合度】前作ではいろんなキャラ同士がゆるくイチャついているなか終盤から急に固定カップリングで百合度が上昇し、結婚を宣言する程度の(程度の？)百合描写でした。
しかし今作は序盤から百合度が高く、固定カップリングでイチャイチャを繰り返しながら話が進んでいきます。そして終盤急に女性同士でこどもを作ることが可能であるという話が提示され…詳細は重大なネタバレになるため2以降で説明したいと思います。

【日本一ショップ限定版の特典冊子】本編のシナリオライター伊西殻先生書き下ろしの前日譚や後日譚が6編載っています。詳細は後述しますが、かなり良いです。後日譚なので当然本編の一歩先をいく百合度となっているので是非読んで欲しいです。
百合姫で連載されていた漫画版や他のコミカライズも合わせて196ページです。

<<<<以下ネタバレ注意>>>>

２．良かったところ

１．こども
登場人物たちはなんやかんやあって記憶が抜けているのですが、実は記憶を失う前にあるカップルがこどもを作っていることが判明し、それを嬉し恥ずかしで受け入れます。これを「個別ルートのエンディングで～」とかじゃなく本編ど真ん中にぶち込んできたためとても驚きました。
ちなみにこの作品はSFのため、ファンタジーなどではなくiPS細胞のおかげです。(iPS細胞さんいつもありがとう)
そのカップルはこの技術の実用を国に認められた第一号ということだそうです。いい未来ですね。

2．イチャイチャ
子供の件を抜きにしても全編通してイチャイチャが激しいです。キャラによって仲良くなる速度が違ったりしていて、キャラ同士の描写がとても丁寧です。
サバイバルで日常というコンセプトのため恋愛的な駆け引きであったり惚れた腫れたといったタイプの百合ではないですが、不便な生活の中でお互いの色んな一面にドキドキしながら仲を深めていく様はこの作品特有の百合となっていてとても素敵です。

３．悪かったところ

百合的・ストーリー的に悪かったところは特にないです。
ただUIに不便な点が多かったのでお気を付けください。

１．セーブ&ロード
特定の選択肢でセーブが出来ないところがあります。しかもカップリングで分岐する選択肢なので戻って全カップリングを見たい場合に影響が出ます。
あとセーブできるデータの数がちょっと少ない気もします。倍くらいは欲しかったです。
またセーブは上記の選択肢以外いつでもできるのですが、ロードは一度タイトル画面に戻らないとできません。若干不便です。

２．トロコンができない
PS版ですが、トロフィー「全てのCGを回収した」が達成できません。全プレイヤーの取得状況を見てもこのトロフィーの取得率だけ0%なので不具合かなと思います。自分もフラグを調整したり結構いろいろ試したのですがダメでした。

どなたかトロコンができたかたがいたら取得方法かCGのページでもいいので教えて欲しいです。

４．特典小説について

気になる方がいらっしゃると思うのであらすじと感想を説明しておきます。
6編合わせて60ページ程です。

１．或る箱舟技師の思考
いわゆるモブ視点の前日譚です。が、そのモブ2人が女性同士のカップルです。「肌を合わせる」仲であるとのことです。そんな愛し合う2人から見た主人公たち6人についてのあれこれのお話です。

２．或る知能の胸懐
AIから見た6人のあれこれのお話です。

３．ふたご座とみずがめ座のはなし
春海視点での夏樹とのお話です。時系列は3章くらい？

４．フィーリングとシンキングのはなし
沙織視点での百年子とのお話です。時系列は5章くらい？

５．信じてる、こと
奏心視点での玲頼とのお話です。時系列は6章くらい？

６．この星々で、あなたと愛を
後日譚です。あまり多くは語りませんが、
食事で口が汚れてるからほっぺ(同士の)ちゅー(汚れてなかったら何なんだよ！(深読み))だの言葉や思考以外でも繋がりたい(直球)だのこどもを作ると決めたときの再現()だの本編の(百合)補強にぬかりがなさすぎます。
勿論イチャイチャだけではなく、本編ED後の話を上記モブやAIの話を回収しつつ金星、愛というテーマで綺麗にまとめてあり、読み物としても完結しております。
これ、必読です。

５．総じて

前作の悪いところは直し、良いところを伸ばしつつ(良い意味で)特大の爆弾も仕込まれた個人的にかなり評価できる百合ゲーとなっています。
そして、できれば、特典小説付きを買いましょう。

また前作じんるいの悪評が気になっている方やクリアを諦めてしまった方にも全力でオススメできます。前作もオススメしたいんだけどね(小声)

じんるい、夜灯す、今作と日本一ソフトウェアは純度の高い百合ゲーを作ってくれる貴重なゲームメーカーですので、今後の作品にも期待したいと思います。

６．その他

・前作じんるいのトロコンをしていなかったことを思い出したのでそのうち(ブルリフ帝が終わったあとくらい)にやりたいと思います。
エレメカゲームってどこでできるの……

・ヘッダーはPSNが改悪されたため自前で用意できませんでした…。

７．攻略

まず、R2+〇ボタンで爆速スキップができます。2週目以降の既読シーン(選択肢)はこれで飛ばしましょう。

【エンディング】
1週目は好きに進めるといいと思います。2週目でエンディングが変化するためアイテムやCGの回収はその時にやればよいので。

【カップルイベント】
基本的にこのゲームには場所の選択肢とカップリングの選択肢があります。
四章に３つ、五章に１つあるカップリング選択肢の選択結果によって十章で見ることのできるイベント(CG付き)のカップルが異なります。

【場所の選択肢一覧】
以下に各シーンで「強制的に次のシーンに進む、場所選択肢」を記載しておきます。
他の場所選択肢のお話を見る前に「強制的に次のシーンに進む、場所選択肢」を選んでしまうと、未読の場所が残っていても戻ってこれません。

なので、
・アイテムやCG、お話を全て見たい方は下記選択肢を最後に選ぶこと
・2週目以降に既読ストーリーを早く飛ばしたい方は下記選択肢を選ぶこと

※記載してある台詞はその選択肢の場面からバックログで見れる直前の台詞となってますが、絶対ではないので参考程度でお願いします。

【一章】
奏心「そだね。どこにあるかなぁ……。」
・全部選択で進行

奏心「んじゃ、ま。楽しもっか！クルーズ船の旅！」
・全部選択で進行

沙織「食べる事自体は決まっているのね……」
・食堂

【二章】
百年子「さぁんせぇ！」
・屋外デッキ

沙織「…………素、直……。」
・全部選択で進行

奏心「だよね、楽しみっ。」
・全部選択で進行

沙織「……しかもプールで、ね……。変な、感じ……。」
・食堂

【三章】

百年子「ボクもカツヤクするんだからぁ～！」
・売店

沙織「……ふふっ。」
・屋外デッキ

奏心「了解っ。」
・全部選択で進行

奏心「さて、ごはんも食べたし……。」
・ラウンジ

【四章】
(OP)
《カップリング選択肢》フラグ＋

奏心「探してみようっ。」
・階段
奏心「ちょっと緊張するね。慎重に行こ。」
・池袋街中
奏心「あ、いえ。な、なんでもないです。」
・プリンセスホテル

《カップリング選択肢》フラグ＋

奏心「そだね。」
・アニメショップ
・ウィングマーケット　《カップリング選択肢》フラグ＋

奏心「あはは……わたしたち、そのへん詳しくないもんね。」
・病院
・書店
・図書館　《カップリング選択肢》フラグ＋

【五章】

奏心「うんっ。まずは必要な分っ！用意しないとねっ。」
・池袋街中

玲頼「いざ、鹿の解体だ！」
・池袋街中

奏心「じゃあ、ベッドを作って……あとはいろいろ、気づいたことをやっていこっか。」
・全部選択で進行

春海「なるほどですね。そうですね。」
・水辺　《カップリング選択肢》フラグ＋
・全部選択で進行　

《カップリング選択肢》全部見れる

【六章】

沙織「ありがとう……。……あのね……。」
・図書館

春海「はは……まぁただの怖いもの知らずコンビですけどね。」
・階段　《カップリング選択肢》全部選択
・全部選択で進行

玲頼・百年子「はぁい～……。」
・畑・道路側
・キッチン
・ホテル裏出
・広場
（居住スペース以外）

百年子「いっきに楽しみタイリョ―にできた！楽しみだなぁ～。」
・全部選択で進行　キッチン

・全部選択で進行　広場

【七章】

夏樹「ふふっ……。頼りにしてるぞ、金刺。」
・池袋街中

春海「それはそれで、別の恥ずかしさがありますけど……。」
・畑・アクリルハウス

【八章】
奏心「そしてわたしたち……そういうこと、全部。忘れちゃってるみたいなんだ――」
・広場

【十一章】
奏心「ありがとっ、でも安全第一でねっ！」
・ウィングマーケット

・広場