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AdobeとAdobe Expressは、何を目指しているのか

先日に催されたAdobe MAX 2022を観て最も印象的なものの一つは、轟啓介氏がキーノートで紹介したSaaS型デザインプラットフォームのAdobe Expressである。

同じくSaaS型ウェブサイトビルダーの最大手Wixとのアライアンスの発表も衝撃だったが、Adobe Expressは今後、IllustratorやPhotoshopなどプロ向けと言われてきたアプリケーションとの連携を強化していくというのは感慨深い。

これは、ノンプロのユーザーがAdobe Expressを介してプロ向けのソフトに至るという道筋だけではなく、既存のベテランユーザーであるプロもAdobe Expressを使うようになる、という未来が見えるものだ。

Adobeはとおにプロとノンプロの境界を取り払う方向で製品やサービスを構成しており、アプリケーション類などもプロ用・ノンプロ用と分け隔てていないのもその表れである。

そもそも、世のメディアや制作スタイルは多様性を進め、クリエーションのあり方がプロとノンプロの違いを無用にしている時代である。
Adobeもそれを認識して、きちんと「すべての人のため」の製品を用意しているのだ。

もちろん、これまでプロと呼ばれてきた層よりも、一般のノンプロの方がマーケット(人口)が遥かに大きい。
つまり、今のAdobeのユーザーの多くを占めるのは、一般の人たちなのだ。
ついては、従来のプロが今のAdobeを見て、自身の時代性との乖離で嘆くのは勝手だが、その方向性を批判するのは愚行である。

また、Adobe ExpressやCanva、ウェブサイトビルダーなどのプラットフォームを指して、オリジナリティが云々、テンプレートが云々と批判を述べる旧来のクリエーターもいるが、結局、コンサバティブな作品をアウトプットしているのであれば、そのような意見は無意味である。

それどころか、Adobe ExpressやWixらなどは、白紙から作る自由も、高い表現を可能にする機能性も、さらにはプロと同じ土俵のツールまでも利用できる発展性も用意するなどの進歩を遂げているのだ。

今後は、これまでプロとして仕事をしてきたAdobeユーザーも、当然のようにAdobe Expressを使うようになると思える(その方が利益があるのだから)。
Adobe Expressが、Adobe Creative Cloudのすべてのポータルのような存在になるような予感さえするのだ。


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