宮澤 優子 先生 / 講師インタビュー
こんにちは!
G-Apps.jp 公式 note 担当の伊藤です!
本日は 学校図書館×ICT 〜 Google for Education で広がる学校図書館の可能性 〜 に登壇される宮澤 優子(みやざわ ゆうこ)先生にお話を伺いました!
2024年 12月 21日(土) 20:00〜21:30 で行われます。
詳しくはこちらのリンクをご覧ください。
ご紹介
伊勢市教育委員会事務局社会教育課子ども読書活性化担当主幹
元高森町立高森北小学校学校司書(兼)高森町子ども読書支援センター司書
教育著作権フォーラム初中等ワーキンググループ幹事
日本デジタル・シティズンシップ教育研究会専門委員
Google for Education 認定教育者レベル1
GEG Minami Shinshu 共同リーダー
今回の講座について教えてください!
(宮澤先生)学校図書館って、「学校図書館法」により、小中高に設置が義務付けられているんです。
学習指導要領にも明記されており、学校図書館を活用しないといけないんですけど、司書教諭の免許を取らない限り教員養成課程でカリキュラムもなく、活用方法を学ぶ機会ってほぼないんです。司書教諭になっても、司書教諭として仕事をするための時間の確保のために他が減免になるわけでもありません。そんなわけで、学校図書館をもっと活用していただきたいなと思い、色々お話しさせていただければと思います。
図書館の機能は、読書案内(これは読書センター機能のほんの一部です)以外にも色々あります。
(宮澤先生)元々は、公共図書館の司書でした。
(宮澤先生)そうなんです。そして、私の出身地は、図書館未設置自治体だったんです。そこに図書館ができたタイミングで就職しました。
(宮澤先生)実は、医学部に行こうとして仮面浪人をしていたんですけど、家の事情で断念、就職することにしました。そのとき新規開館する図書館で嘱託職員を募集していたんです。
その時点では、図書館で仕事をしたかったわけじゃないんです。本も全然読まなかった子ども時代を過ごしていますし笑
そもそも司書っていう仕事があるのを知ったのも高校生の頃でした。だって、それまで図書館がなかったんですから。本当にたまたま、募集があったから、その仕事についている感じです。
(宮澤先生)こちらでも似たような話をしていました。今この仕事をしているのは、本当にたまたま、です。
(宮澤先生)図書館専門誌『LRG』(ライブラリー・リソース・ガイド)というのがあります。2024年5月に47号が発行されたのですが、そこで学校図書館特集が組まれて、責任編集をさせていただきました。
学校図書館って結構扱いにくいテーマで、それは学校司書の任用の不安定さにも起因しますが、なかなか語れる人が育たないからということもあります。
(宮澤先生)いつか学校図書館の特集をやる時は、私にやらせてと宣言はしてありました笑
2年かけて企画から編集までしました。自分がきた論考もあります。様々な方にインタビューをとらせていただいていますので、ぜひお読みください。
先生の授業について教えてください!
(宮澤先生)実は、教職課程は受けましたが、教員免許は持っていません。本音を言うと教員にだけはなりたくなかった!今も、教員ではない立場からもの言える立場でいたいと思っています。
だから、もはや意地でもとらないって決めてるんです笑
(宮澤先生)でも授業には携わっていました。長野県には多くの小学校で国語科カウントの"図書館"という授業があったんですけど、そこでは、教員免許を持っている先生とTTで一緒に授業を行っていました。
(宮澤先生)そもそも、学校図書館には、3つの役割があるんです。
読書センター(読書案内、読書指導)
学習センター(学習のための資料・情報の提供)
情報センター(情報活用能力の育成や学習成果物の蓄積)
(宮澤先生)読書センターの役割ばかり注目されることが多いのですが、もっというと読書センター機能の一部しか社会には認知されていませんが、この辺りもお話できたらと思います。
プライベートはどのような感じなんですか?
(宮澤先生)ただの農家のお母ちゃんですよ、基本的には。スキーも登山もゴルフもキャンプも好きです。実はネイリスト資格と、バリニーズエステのディプロマも持っています!
(宮澤先生)私、爪が弱いんです。すぐ爪が折れて、深爪になったり、手が荒れたりしてたんです。指先から出血もする。そうすると本に触れないんです!
そんな時に、"ジェルネイル載せれば、爪が丈夫になってかけたりしないよ"って、生徒が声をかけてくれて、その生徒のママさんがネイリストスクールの先生でもあって、そこで勉強することになったんです。
(宮澤先生)マニュキュアとジェルネイルの資格、2つを持っています。
(宮澤先生)最初は、サロンでやってもらっていたんですが、予約取るのが大変で、時間もかかる。"資格取ったほうが早いのでは?"と言われて、取っちゃいました。
(宮澤先生)ちなみに、ネイリスト検定って必ず真っ赤なネイルを使うんですけど、検定の時には、そのネイルをする人(=モデル)を連れていかないといけないんです。
その時には夫を連れて行きました笑
(宮澤先生)検定の後、真っ赤なジェルネイルをつけたまま街でご飯を食べたりしていました笑
レッスンの時もずっと、夫にやっていました笑
(宮澤先生)あと、エステの資格も持っていて。
(宮澤先生)バリニーズエステのディプロマの時も、施術相手を連れて行かないといけなくて、その時も夫でした。
(宮澤先生)息子がラグビーをやっていたので、体のケアをしてあげたいなと想ったのがきっかけです。
図書館の司書って、好奇心旺盛でなんでも首を突っ込むことって大事だと思うんです。
(宮澤先生)図書館の本って背表紙にラベルが貼ってあるじゃないですか。あのラベルに数字が書いてあるでしょ?「日本十進分類法」という本を分けるためのルールがあって、その本に書かれている内容によって、分類します。
あのラベルにはその分類記号が数字として書かれているのです。図書館は0類から9類までに世の中の本を全て分類するのです。
ありとあらゆる情報を扱う。図書館にはレファレンス機能がありますが、優秀なレファレンサーになるには、なんでも広く浅く知識を持っておく必要があります。
(宮澤先生)2020年に Google の認定教育者を取りました。4月にアカウントが配布された時、学校中で Google に一番詳しくなれば、先生方が私に色々聞きに来るようになるだろうと思って!学校図書館を頼ることになるでしょ。
パソコン教室ができた頃、パソコンで調べ学習するから図書館は使わない!と言う先生方がおられたので、これは逆転のチャンス!だと思いました。まんまと校務分掌でICT担当になりましたよ。
その時まで Google のツールを使ったこともほとんどなかったのに、1ヶ月後にはレベル1、その後すぐレベル2(8月)をとりました。その流れでGEG も立ち上げました。
今後の目標や挑戦したいことはありますか?
(宮澤先生)今、伊勢市に在住していますが、これは伊勢市で初めての任期付き正規職員として採用いただき、任期3年のお約束なんです。伊勢市子ども読書支援プロジェクトを軌道に乗せるために仕事をしています。まずはこれをきちんとカタチにしたい。
(宮澤先生)伊勢市だけ頑張ってもしょうがないんですよね。一人で行動を起こすのも無駄なことではないと思っていて、できることは端から手をつけますが、仲間が増えた方がいい。呼ばれればどこにでも行きますよ!
(宮澤先生)ちなみに、"教育著作権フォーラム初中等ワーキンググループ幹事"としてもお仕事をさせていただいています。著作権法第35条ってご存知ですか?
(宮澤先生)この35条というのは、学校における著作物の活用に関する権利制限規定、つまり著作者の権利を制限して活用しやすくするためのものです。
これに運用指針というものがあって、著作物の利用に関して、条文にある"授業者”ってどこまで?、"授業”ってどこまで?ということに関して、権利者側と教育現場側が、申し合わせをしています。それを35条の運用指針(ガイドライン)と言いますが、それを作ったりしています。
これは、学校図書館だけでなく教育活動全般と関わりが深いものなので、先生方にきちんとこの情報を提供して運用しないといけないんです。
しかし、そもそも学校現場がこの第35条を理解しているかと言うと、意識すらされていない場合も多いですね。
(宮澤先生)それが著作権を現場が意識するきっかけにはなっています。2020年からGIGAスクールが入って、著作権法35条の改正もあり、以前より授業における著作物の複製利用はスムーズになりました。
でも学校便りや職員会は授業ではないので、35条の範囲外なんです。子どもたちにとっても喫緊で必要な知識になってきました。
好きな Google のツールを教えてください!
(宮澤先生)Google Keep が大好きです!メモしとかないと忘れちゃうんです笑
(宮澤先生)子どもたちに驚かされたツールも Keep なんです。
(宮澤先生)Google のツールの使い方を最初に、端から全部見せておいたんです。こんなふうに使えるよ、こんな機能もあるよ!って。子どもたちは見せれば使えるから。
そしたら、ある時調べ学習をしていて読めない漢字があったときに、写真に撮って、Keep にアップして、OCR でテキストを抽出して、テキスト化したものをコピペして使ってたんです。
(宮澤先生)そこまで具体的な使い方を教えたわけじゃないのに。感動しましたね。
(宮澤先生)大人も柔軟に使いたいですよね。AIなんかも。例えば、学校図書館で学習センターとして学習資料を提供する時に、その選書のためにキーワードを思い浮かべます。
しかし、それが少なければ選書の範囲も狭くなる。提供した情報が子どもたちの学びの海の範囲になってしまうことを考えれば、AIに助けてもらって自分が思いつかなかったキーワードを出してもらうことで、より広く深い情報を提供できる。子ども達が泳ぐ情報の海も広く深くなりますよね。
子どもたちの学びの範囲を狭めてはいけないと常に意識して仕事をしています。
最後に、G-Apps.jp Community を利用している先生たちに向けて一言お願いします!
(宮澤先生)学校図書館を活用できるようになると、先生方の授業変わるんだけどな!(もっと知って、活用してね!)、、、と言う一言に尽きます!