映画鑑賞記録202307&08&09
全部書くのだるくなったから気になったやつだけ。
劇場鑑賞
インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
マンゴールド監督は『3時10分、決断のとき』『LOGAN』が超好きだったから期待し過ぎていたのかもしれない。もっとこう、人生の黄昏時に最後の輝きを見せる
マット・ジョーンズの不在(戦死)が完全に制作上の都合って感じなのがマジで嫌でなあ。息子の死を直視し、夫婦関係を修復し、最後に成すべきことを成して死ぬ……みたいなストーリーをマンゴールドのいつもの手つきで描いてほしかったんだよな…
米ソ冷戦を背景に宇宙由来のヤバいアーティファクトを取り合う…ってクリスタルスカルの建て付けが好きなので、今回ももうちょっと時代背景なり国際情勢なりに関わる部分を絡めてほしかった気持ちがある(結局はいつものvsナチスになるし)。アポロ11号の帰還とかベトナム戦争とか、良い感じに膨らませそうな要素はチラホラ出ていたので。
君たちはどう生きるか
公式サイトも存在しないのすごい。
中身についてどうこう言うのも結構野暮というか、どうしても作者読みみたいなことになってダサいので感想の出力を躊躇う映画だった。
ヴァチカンのエクソシスト
丁度よく面白い。2年に1回くらいのペースでシリーズ作り続けてほしいぜ。
見た目クソ厳つくて「文句があるならボス(ローマ法皇)通せや」みたいなマインドで働いてて"ひょうきんなお爺ちゃん"みたいな振る舞いもするラッセル・クロウ、流石に盛りすぎ。
悪魔もラッセル・クロウに負けないくらいのビッグネームで良かった。初対面の場面でのこいつヤバいぞ…の演出もキマってるし、野心のデカさと戦い方のクレバーさもナイス。
全体的に大味と思いきやカッチリ作ってんな〜という印象だったけど嘘のとこめっちゃ嘘で良かったな。ヴァチカンってあんなメンインブラック本部みたいな場所があるの……
ただ、スペイン異端審問を"実は悪魔の仕業だったんだ!"って言っちゃうのは流石に色んな方面から怒られてほしい。
ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE
全部がフワフワしてるのに面白い。このシリーズ以外では成立しないバランスだ。
登場勢力が多すぎるんだと思うんだよな……イーサン率いるIMFとガブリエル&エンティティ(超すごいAI)の勢力が戦うだけでいいと思うんだけど、そこにスリのグレースにイーサンを追うCIAに闇の武器商人ホワイトウィドウに…と色んな勢力が次々いっちょ噛みしてきて訳がわからなくなる。ミッドナイト・ガラのシーンまじで混沌とし過ぎててやばい。
予告やメイキングで散々アピールされてた激ヤバスタント(バイクで崖から飛び降りるやつ)、実際めちゃめちゃヤバいんだけど、作中ではそのシーンの直前でイーサンが「出来るわけないだろ!」みたいなこと言うのであまりの白々しさに笑ってしまう。
イノセンツ
今年の私的ベスト10には入ってくるな…という手触りの映画。
子供たちの孤独や不安、大人との隔たり、彼らの目に映る世界の瑞々しさと寒々しい恐ろしさ……そういうものが全部フラットに、善でも悪でもなく無垢な視線で描かれている。
超能力の描写がエフェクトも何もない地味なもので、それが完全に"子供たちだけの世界"を強固なものにしている。あの壮絶なラストバトルの、周囲の赤ん坊や動物が騒めきつつも大人は何も気にしていないーーって表現が超格好良いんだ。
主演の子たちの演技力が凄まじい。このテーマを撮るにあたってあの子達を見つけてこれた時点で勝ちみたいな。
結末の取り返しがつかないほどよい、というのはおれのジュブナイルスリラーに対する嗜好であるが、今作はジュブナイルに括るには登場人物たちがあまりに幼くて。後に残るのは取り返しのつかない喪失や変容ではあるんだけど……
ブギーマン
これは良かったな…シンプルな設定で超怖い。ジャンプスケア連打系ではあるんだけど、そこに至るまでの視線誘導の巧みさとか、惹きつけておいて敢えて出さないシーンとか、全部が効果的に作用していて。子供時代に感じた根源的な恐怖の記憶が蘇るような。
最近は服喪映画みたいなやつ色んなジャンルで流行ってる気がするけど、そういう文脈でもお上手で良かったのよ。怪物との戦いの趨勢と決着が、そのまま愛する家族の死を受け入れていく過程と重なっていく構成。"血が出るなら殺せる"マインドで物理バトルが繰り広げられるのでちょっと様子はおかしいが。
MEG ザ・モンスターズ 2
前作よりは面白かったけど前作よりも雑になってないか?CGのクオリティとかちょっと……"ザ・モンスターズ"の内訳がサメ3匹とでけ〜タコとちっちゃいトカゲみたいなやつ沢山、っていうのはちょっとガッカリだぜ。
前作も深海探検パートの方が面白かった(終盤はあんまり)ので今回もその辺に尺割いてくれてたのは結構嬉しい。生身のステイサムが深海7000mでちょっと泳ぐとこ一番笑ったかも。
エンドクレジットのサメラップ(DJ役歌唱)まじで何なの。
ドラキュラ デメテル号最期の航海
おれはダークユニバースにめちゃめちゃ未練があるし今回もユニバーサルロゴの裏からアレが出てくるのをちょっと期待してしまったが、こういう風に何のしがらみもない形でユニバーサル古典ホラーがちょこちょこ復活してくれるのなら、それはそれでアリかもしれないな……という気持ちも少しある。
格調高い古典ホラーの味と『エイリアン』的な閉鎖空間モンスターパニックの味が同時にするのが嬉しいんだ。後者については原作付きの制限があるからそこまでド派手な展開にはならないんだけど、それがかえって古典ホラーの風味を邪魔しない丁度良い塩梅で好ましい。
デメテル号の乗組員たちの死に様に妥協がないのも素敵だ。特にトビー少年。まあ流石に子供が死ぬところは直接描かないよなあ、と油断したところにああいう場面を持ってくるのは本当に性格が悪い。
ドラキュラが怪物性100%で描かれてるのも好きだな。ラストシーン、ロンドンの街に現れたあの姿は流石に無理があるでしょと思っちゃったけど。
このままウーヴレダル監督で続きも観たいわね。やるとしたらクレメンス医師もヴァン・ヘルシング一行にジョインする感じになるのかな
ジョン・ウィック:コンセクエンス
初代は好きだったんだけど2,3が全然好みじゃない方向に行っちゃったなあと思っていて、不安半分で観に行ったんだけど……しっかり結末にたどり着いて、初代のような静謐さも復活してだいぶ好みの作品に仕上がってて良かったよ。これできっちりシリーズ畳んで、下手にスピンオフ連発したりもしないで欲しいな……と思うような、美しい完結作だったと思う。
コンチネンタル大阪、国立新美術館だよね?? こないだ行ったときはガラス張りで暑いし何かヤダな……と思っただけだったが、こういうライティングでオモシロ殺し屋ワールドに組み込まれると途端に格好良く見えてくるから不思議だ。
ドニー・イェンの動きがやっぱり完全にやばかった。コンチネンタル大阪での殺陣、遠距離で人感センサーバラ撒いてガン待ち、距離詰めたら仕込み杖CQC、ついでにありえん速度のチェーンパンチとか打ってくる……っていう。なんか1人だけ手数もスピードもおかしいし……
ポーカーのくだり、「ポーカーで勝った奴が要求を通すことにしようぜ」って凄いクールな感じで始まったのに決着と同時に銃撃戦始まって全部御破算になるから笑ってしまった。
キアヌのアクションは流石にシリーズ4作も観続けてると見慣れてくる部分あるわね。急にホットラインマイアミの画角になってドラゴンブレス弾ばかすか撃ちまくるところとか、なげ〜〜〜階段をめちゃめちゃに転げ落ちるところとか凄い好きだったけど。
配信など
神と共に 第一章&第二章
だいぶ前にアマプラでセール時に買って塩漬けにしてたやつ。アクションのカッコ良さと地獄巡りのユルさの塩梅が何かヘン。あの世界の司法制度ヤバいだろ……
このシリーズ、アクションの見せ方とか現世パートのゆるさとかに何となくBLEACHっぽさを感じるんだよな。このスタッフでBLEACHを再実写化してみてくれ。
エスター ファースト・キル
見た目女児の殺人アラサーが平和な家庭を恐怖のドン底にーーって建て付けで、これ前作と変わり映えしないんじゃないの…と不安になってきたところで「家族の方も普通にヤバい連中だった!」ってツイスト利かせてくるのは中々。ただまあ、イカれ母娘の腹の探り合いみたいなのもうちょっと長尺で見たかった気も。
ブラックアダム
DCヒーロー映画としてめっちゃ丁度良い湯加減だ。色調とか語りはザック・スナイダーっぽい神話的な大仰さがあるのにドウェイン・ジョンソンの佇まいで程よくバカになってて。この方向性でシリーズ続けないの勿体無いよなあ。
M3GAN
現代版チャイルドプレイみたいなイメージだったけど結構やってること違うな。子供は無垢で"正しい"存在だ、みたいなところからズラしてくるのが最近っぽい気もする。
ソムニア 悪夢の少年
普通にめっっちゃ怖いし、家族愛や服喪映画としての文脈の載せ方も超上手い。悪夢の怪物キャンカーマンの造形よ……全体的にフラナガンの得意技が炸裂しててよかった。
ベイビーわるきゅーれ
サンデーGXっぽい……って印象を最初に受けたけどたぶん特定の作品のせい。何よりアクションのクオリティが頭抜けてて、格闘戦の間合いが異常に近くて全然見たことない感じの殺陣がぽこぽこ飛び出してくるのがまじでいい。全部アドリブで喋ってんのか?みたいな日常パートのダラけ方も結構好き。
以上。
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