映画鑑賞記録202310&11&12

気になったやつだけ。


劇場鑑賞

イコライザー THE FINAL

怖い……

今回、冒頭でガキに背中撃たれた以外まじで無傷じゃない?デンゼルの年齢的な都合もあるにしても、特にアクションらしいアクションがなくて悪人がテキパキと惨殺されていくのでいつも以上にスラッシャーホラーっぽさがある。ゴア表現がだいぶキツくなってるのもまた……

このシリーズ、ただでさえ強いマッコールさんがシリーズ重ねるごとにどんどん神性みたいなものが付与されていって手のつけられない存在になっていくのに対して、悪役の方は全然強化されないから本当にかわいそう。

マッコールさんが惨殺する相手が息絶えるまで「ジッ……」と見つめるやつ怖すぎるんだよな。

「明日、街の住民諸共皆殺しにしてやるからな!」的なこと言ってきたマフィアのボスに「逃げも隠れもしない。ここで待つ」的な啖呵切ったかと思えばその夜のうちにそいつの家まで行って皆殺しにするのまじで無法すぎる。ロジックが無いタイプの怪異だ。弟くんの時も、レストランで痛めつけて見逃してやったかと思えば直後に惨殺してたし……

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

ディカプリオは見るに耐えないロクでなし、周囲の白人キャラは皆カスで悪党としての魅力もゼロって感じなのにコイツ主役で3時間半の長尺で行きましょうって判断できる(その上でめっちゃ面白く仕上がってる)の、意味分かんないな……

早々に犯人も動機も割れてあとは延々バカの差別主義者どもが杜撰な連続殺人を繰り返していくだけなのにこんなに面白いの、不思議だ。どこを切り取っても救いようのないロクでなしの顔をしているディカプリオと、一流の悪のフィクサーみたいな佇まいのデニーロ(立派なのは佇まいだけで、計画も杜撰でその場しのぎの行動しかしてなくてマジでダサい)が画面に出てるだけで退屈しないというのはある。

悪党の美学や格好良さみたいな部分が一切表現されてないのが凄いんだよね。スコセッシの映画に通底する要素だと思ってたので、80歳にもなってそれを捨てられるのは物凄いことだと思う。

ラスト朗読劇で締めるの、結局これ(この映画自体)も白人の娯楽でしか無いんですよね……って諦めなのか何なのか。結局この社会で白人の監督が作った作品である以上、差別を受けている側に100%寄り添うことは叶わないのだ、というある種の誠実さのようにも。

ゴジラ-1.0

ゴジラ部分100点、ドラマ部分0点という感じ。ゴジラがすげ〜〜良かったからおれは好きだよ。

冒頭で登場するゴジラ(小)の暴れっぷりでまず掴まれたし、漁船とのチェイスシーンも銀座襲撃もめちゃめちゃ良い。ゴジラが暴れるのが大体昼日中で、映像的にも誤魔化さず真正面から描いてるのが凄い好感だったな……VFXの出来としては邦画史上でも有数なのでは。

またしてもかっこいい放射熱線モーションが発明されていた。シンの下顎が左右に割れるやつも相当痺れたけど、おれはやっぱりギャレゴジのアレを推していたので、今回その発展系みたいなモーションで素敵だ。今回のゴジラは全体的にギャレス版リスペクトという感じで良い。

ドラマ部分はまあ邦画ですからねという感じだったが。まず山崎貴がぜんぜん好きじゃないんだよな……邦画の嫌な部分が全部詰まっているというか……今作でいうとダルい上に普通に作劇が下手じゃないか??展開のためにキャラクターが動いてるのが露骨で、登場人物の言動がいちいちノイズになる。

後半の民間主導の作戦を…ってなったところで「誰かがやらないと!」って盛り上がってるのだいぶグロテスクな光景だと思うよ。戦争当事者のはずがみんな何か他人事っぽいのも。

エクソシスト 信じる者

雰囲気は凄く好みだったのに盛り上がり切らないまま終わっちゃったな……って感じ。"小粒でそこそこ良い感じ"なのがブラムハウスっぽさなのかもしれないが、『エクソシスト』の直接的続編にそれを期待してる人ってそんなにいないと思うんだよね……

作中での中絶の扱いとかキャラクターの配置(人種や家族構成、性格設定)とか、ヒヤヒヤする要素が結構あるのがな〜〜〜あの結末は人種間の分断を煽るような見方もできちゃうし良くないよなあと。

配信など

クリプティック・プラズム

すご。面白いかというと別にそんなことないんだけど、ゴア表現のイマジネーションが炸裂し過ぎている。

忌怪島

変すぎる。テクノロジーによって彼岸と此岸の境界を越えてしまう、というコンセプトはよい。『リング2』とか『回路』とかに近い部分だ。ただ何かキャラクターの行動理念とか「こいつ何だったの…?」みたいなのが多過ぎてあんまり。
ただシリーズは続けてほしいかなあ。『xx村』3本ごとに『xx島』1本くらいのペースで。味変としては丁度良いので。

ノック 終末の訪問者

導入の惹きつけ方はすごい良いんだけど、そこから先特にどんでん返しも無いしウーンという感じだ。訪問者の話が真実なのか?家族のうち誰を犠牲に選ぶのか?みたいな謎の部分が特に驚きもなく消化されていくのがなあ。
バウティスタ、あの見た目で小学校の先生やってるわけなくない???

Search2

これ良かったな…1作目はそこまでハマらなかった(表現の目新しさはあるものの)んだけど今回なんか刺さった。話の転がし方が上手い。スマートウォッチのカメラとかまで導入し始めるともう何でもありだな……という気持ちはあるが。

ベネチアの亡霊

このシリーズやっぱゴージャスでいいんだよな。ただぼんやり眺めてるだけでも目が楽しいし、今回はさらにゴシックホラーに振り切っていてとてもよい。事件自体は小粒(舞台もクローズドだし)なので派手さはないがこれはこれで。原作全然別物っぽくてウケた。ベネチアですらないらしい。

アステロイド・シティ

画面構成のコントロールが行き届きすぎていて怖い。あまりにも嘘すぎる風景の中で嘘すぎる宇宙人が出てくるあのシーン、「劇中劇のセットですよ」という構造のおかげで謎にグッときた。1950年代当時の映画や劇を観た人の感覚がちょっと分かったというか。

V/H/S 99

 ディスクユニオンで輸入BD見かけたので買った。94以降は国内盤出なさそうな雰囲気だし。94が面白くて99はまあそれなり…みたいな評判をどこかで見かけたのでそこまで期待してなかったけど、程よく面白かった。最後の"To Hell and Back"が飛び抜けて良かったがそれ以外もなかなか。やっぱイカした怪物とやけくそゴアがこのシリーズの醍醐味なので…

DASHCAM

普通に心霊ホラーを想像してたら血と汚物まみれのババアホラーが出てきた。主人公がカス過ぎるんだけど、「早く酷い目に遭って死ね!!」と「その調子でぶっちぎれ!!」の感情が鬩ぎ合う絶妙な設計になっていて良かった。ヘイトコントロールのために短尺(80分)してんのかなと思ってたが最後のクソラップにめっちゃ時間使ってて混乱した。


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